見出し画像

国際ロマンス詐欺サバイバーとして

経験してないとわからないこと

作家で家庭問題カウンセラーの新川てるえ(しんかわてるえ)です。
普段は離婚・再婚・家族の問題についてカウンセリングしたり、文章を書いたりしています。

2023年1月にNPO法人CHARMSという団体を立ち上げました。
国際ロマンス詐欺や海外からの特殊詐欺の注意喚起と被害者救済のための特定非営利活動法人です。

ある被害女性からの申し出で、支援団体を立ち上げたいとのことで立上げをバックアップをしてから、1年後くらいには私はこの活動を辞めようと思っていました。
2016年から個人的に注意喚起活動を続けてきましたが、被害者の方たちが声をあげられるようになってきたので、もう私が活動を続けなくてもいいかな?って思っていたからです。

「経験してないとわからないことだよね?」
スタッフ間でも、SNSでも被害者の皆さんが良く言うことがあります。
これは本当にそうだとは思います。

国際ロマンス詐欺に限らずに、離婚もステップファミリーも家庭内暴力も経験者にしかわからない気持ちが沢山あります。
しかし経験者だけで支援活動が作れるかといったらそうではありません。

そういった意味では、立ち上げたばかりのNPO法人CHARMSも運営を続けていく上での困難が沢山あって、当時の理事長が立ち上げから3カ月程度で辞めると言い出して、私が代表理事に就任しました。

カミングアウトが必要か?

私は代表になって考えました。
自分自身が国際ロマンス詐欺のサバイバーだというカミングアウトは必要か否か?(実はそれまで誰にも話さなかったことでした)

被害者ではなく「サバイバー」といういいかたをあえてしているのは、サバイバーとは生き延びた者や生存者という意味です。
被害の逆境に負けないで克服した経験者を指します。

私は現在は被害者ではありませんがサバイバーだと思っています。
私の国際ロマンス詐欺の被害経験はここに書いてあることです。

なぜ克服できたのか?

私の経験はちょっと特殊だったのだと思います。
詐欺師も単独犯で、記事にも書いてありますが気になって数か月後に詐欺師宛にメールをしました。
彼がナイジェリアの27歳の男性で自分の身分をすべて明かしてくれました。詐欺をした理由も含めてです。

私はそれに対して
「お金は返さなくてもいいからもう二度と詐欺なんかしないで」と彼に伝えました。
この時点でこれは詐欺ではなくなり、寄付行為というものに変わりました。

もう8年くらい前の話です。
現在のように「国際ロマンス詐欺」という言葉すら誰も知らなかったし、海外送金だったし、やりとりは全て英語だった時代でした。
だからなおさら騙されていたと知ったときには恐怖を感じました。

この時に私は、相手を許したので自分の過ちも許せました。
でも多くの被害者は相手がわからないから、気持ちが悪いまま行き所のない気持ちを長く引きずってしまうのでしょう。
だから、私はサバイバーとしてこの詐欺のマインドコントロールや詐欺だと気が付いたときの心臓が止まりそうなショック感とかは痛いほどわかります。

そんな思いを理解しながら、これからも活動を続けていきます。

このnoteについて

NPO法人CHARMSは収益活動のない法人です。
会員の寄付や会費で成り立っていますが、活動費が不足しています。

受益者が詐欺被害者であるということで、仕方がないと思いますが厳しい活動を続けています。

こちらの記事の売り上げは全額、活動費に生かされます。
どうか、私たちの活動に寄付の気持ちを込めてご支援いただけましたら幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?