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「音楽」ではなく「本」を楽しむためのカフェ 『 one world 』

登米の「トムさんの喫茶店」のロケ地(外観のみ)

 登米の診療所で菅波先生ので診察を受けた、トムさんこと喫茶店のマスター田中さんのお店外観は、登米市東和町錦織にある『 one world 』というお店がモデルとなった。

 サヤカさんの家の屋外での撮影は、登米市登米町(とよままち)にある寺池園で行われたが、東和町はずっと北の方、一関寄りに位置する。登米町から北上川を遡ると、一関に入る直前で、大きくS字型に川筋が湾曲しているところがある。『 one world 』は、登米町側から言えば、そのS字型の湾曲が終わった辺りの川の東側にある。

 農家の大きな納屋を改築して店舗にしているので、中に入ると、まずその奥行きに驚く。ドラマで描かれた店とは趣を異にする店内は、音楽ではなく本を楽しむスペースが、様々な形で作られている。自分の好みの場所が選べるのがいい。

 入り口からは見えないスペースもあって、隠れ家感いっぱい。この空間の書架には、近隣の喫茶店のオーナーのオススメの本の紹介コーナーがあったりして、店主さんの本に対する思い入れの深さが、ジワっと伝わってきた。

 目を上げれば、長く立派な梁が見える。三方向に庇を長く伸ばした構造なので、間口に比べて中が広いことが分かる。味わい深い、昔ながらのガイシによる配線は、店主さんのお友だちによるもの。

 こだわりのオリジナル・グッズのコーナーもある。Tシャツ、トレーナー、トートバッグなど、シンプルで身につけると気持ちが安らぎそうな色合い。

 堀口珈琲と一緒に食べたくなるのが、カウンターにところ狭しと並べられた、手造りのマフィン。種類が豊富な上に、季節限定まであって、何にするかはかなり迷った。あ、この写真だとマフィンが可愛く見えているが、そうではない。大き目のマグカップに注がれた珈琲が、ゆったりとした時間を味わうのにピッタリだった。

 ドラマの中で、店内に差し込む午後の光が印象的だったので、ここに来る前に、GoogleMapで確認したのだが、入り口のドアは、ほんの少し南に振った西向きであることが分かったので、午後の訪問でその光を見ようと思っていた。

 午後2時半を過ぎた頃から、西側の窓が明るく輝き始めた。コロナ対策もあり、開け放された扉からは、どんどん陽射しが差し込んでくる。扉の外に広がるのが、一面の田んぼ。何とも言えない穏やかさに包まれる。時折ご近所の方が、散歩がてらにお店を訪れ、店主さんや妹さんと、和やかに言葉を交わしていた。地域に愛されているお店だと感じた。

 営業時間については、マフィンの店外での販売などもされている関係で、事前に確認するのがいい。以下にfacebookのURLを記す。
https://m.facebook.com/oneworldTome/

 店主さんは、ドラマのようなコンセプトの喫茶店ではないこともあり、NHKから頂いたという「Swifty」の看板を店内に掲げることに、ちょっと違和感をお持ちのようだったが、私のようなファンのために、何とか掲げてくれてはいる。でも直ぐには分からない。本を探すフリをして見つけて欲しいとのこと。

 恥ずかしながら、私は教えてもらうまで、見つけることが出来なかった。

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