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テレビ出演で学ぶこと

僕は夏になったらそうめん屋になります。テレビやラジオに出る、そうめん研究家ソーメン二郎。普段の仕事はイベントプロデューサーとしてイベントを仕切ったり、司会をやったりしています。2014年からソーメン二郎を名乗っているから6年間やっています。タレントさんでもお笑い芸人さんでも俳優さんでもコメンテーターでもありません。言うならば、おもしろ素人専門家。テレビやラジオにはある一定数の専門家枠があります。ワイドショーに出ているような大学教授やある領域の専門家の方々は有名ですが、僕はもっとニッチな素人専門家枠。僕が事件を起こしたら「自称そうめん研究家」と言う肩書きでニュースに流れると思う。実は、ソーメン二郎としてテレビやラジオに出演することが、イベントプロデューサーとして大きなメリットとスキルアップがあるのです。

テレビとイベントの現場で大きな違いがあります。まずは、マイク。イベントでは、ワイヤレスマイクはワイヤード(ケーブルで繋がった)のマイクを使って喋る。テレビは、手持ちのマイクではなくピンマイクをつける。イベント慣れしている僕は、最初はマイクがないと不安だった。そして、テレビは台本があってそれに従って進行する。台本には流れは書いてあるが、自分が喋るそうめんのコメントについては書いておらず、自分でその場で喋る事になる。困ったことに本番中はもちろん台本は持たないで喋らないといけない。つまり番組の流れ、段取りは頭に入れながら自分の喋るセリフも頭に準備しておかなくてはいけない。イベントの時は、その時の思いつきを喋れば良いのだが、テレビやラジオは自分が喋り慣れた言葉で話さないと説得力がなくなってします。まる覚えの棒読みのセリフになってしますと白々しいのです。なので、普段からそのそうめんについて喋り慣れていることが必要になる。基本のそうめんの知識とその説明スキルを持っていることがテレビやラジオでは要求される。それも誰が聞いてもわかりやすい説明方法で。さらにテレビ番組ではそれを有名なタレントさんやお笑い芸人さんや俳優さんの前でやらないといけない。とにかく経験で度胸がつきました。僕が喋ったそうめんネタに対する芸人さんらのボケやツッコミも感動するくらいに勉強になる。6年間でテレビは100本は出演させてもらったと思う。ようやく、リラックスして自分のままというかソーメン二郎のままで話ができるようになった。自分で変に演じても無理であるがままのソーメン二郎に6年間でようやくたどり着いた気がする。そうめんの説明だけをテレビでしていても間がもたないし面白くない。そこでそうめんギャグをたくさん作った。現場でひたすらそうめんギャグを連発した。その現場で発したそうめんギャグがいくつ放送されてテロップに載るかということを自分の課題にした。今では80%くらいの確率でそうめんギャグが放送される打率になった。そうやってコミュニケーションをとることが、自称素人専門家枠から一歩抜け出せるチャンスだと思っている。

全国放送の情報番組に出演すると、居酒屋や電車で声をかけられるようになる。そうめんの話をその時は必ずする。「そうめんお好きですか?」そうめんがカバンに入っていたらその人に必ず差し上げるようにしている。ある時、街で声をかけられてその方にそうめんを差し上げたら、「えー!アンパンマンみたい!ありがとうございます。」とお礼を言われた。そうめんのコミュニケーションを「コムギケーション」と言うことにしている。





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