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chapter22 衝撃2

ギクシャクと準備を始めたハッタリと愉快な仲間達。

「あ〜あ〜〜。テ〜ェ〜スト〜〜テェ〜スト〜、1〜〜2〜〜。」

あの、そんなにエコー効かせなくてもいいんじゃないかと(苦笑)
演歌やるの?ハッタリ?

「バッカじゃねぇの?お前。何だよそのエコーはよ!」

ほら怒られた(笑)まーちゃんに。

「わわわ、悪い悪いっ!あれれっ?」

ハッタリ引きつりながらも何とか攻略。

程なく皆がスタンバイ完了。
いよいよ天神バンドの練習の始まり始まり♪

頭の中では先日のサル家での、ペケペケやらポコポコやらがフラッシュバックして、笑いを堪えるのにかなり必死で下を向いて頑張る俺。

「じゃ、始めよっか!」

ハッタリがかなり大きな声で叫んだ。

「あ、1 、2 、3 、4!」

「あ」はいらないだろ。ハッタリ(笑)

前奏が始まった。

お。なかなかやるじゃん。
サルもなかなか。ちゃんと叩けてるよ。
まーちゃんもやるじゃんよ!
パオ予想外に上手。目は3だけど上手。
ケニアは上手い。流石!
だてにケチじゃないね!
1人だけボリュームデカいけどまぁいいか(笑)

初めてにしちゃ、ちゃんと形になってるよ。

で、いよいよ肝心のボーカルね。

予想は何となく、何となくしてたんだけど。
「こんな感じじゃないかなぁ」くらいに。
歌が上手いとか下手とかじゃなくて。

サル家で見せたあのブレイクダンサーの様な、
下手すると痙攣を起こした人の様な…。
リズムを痙攣で表現する人も珍しいかと。

本人は軽く目を閉じて物凄くノリノリでビートを刻んでるんだろう。

皆、よく笑わないで演奏出来るなぁ。
感心しました。色々な意味で。

で、ハッタリの歌ですが。

お世辞でも上手いとは言えないレベルで…。
どちらかと言えば、下手かな(笑)
首を絞められたニワトリに似てる。
大丈夫なん?本当に。
本人は物凄くテンション上がってノリノリなんだけどね。

そんな感じで1曲目が終わった。
皆一様に満足気な表情。
興奮した様な笑顔がそこにあった。

そうだよね。初めてだもんね。
何だか上から目線みたいになってごめんよ。
同じ仲間達、友達だもん。
励ましあわなきゃいけないね(泣笑)

「OK!OK!最高っ!もう最高っ!」

皆を小刻みに眺めて満面の笑みを浮かべるハッタリ。
そうだよね。念願の「俺のバンド」だもんね。
夢にまで見たボーカルだし。

皆も1曲終わって緊張が解れたのか、かなりのヤル気になってるし。

「じゃ、ライブ通りにやってみようか?」

ハッタリの案でライブ通りの通し練習が始まった。

何曲か演奏していく天神バンド。
間違えたり外したりしながらも続けて行く中で
皆のテンションが段々と上がって行く。
すると流石、ハッタリ率いる天神バンド。
テンションがちょっと異常になって来た(汗)

曲の間奏の際に、ライブさながらにメンバー紹介が始まった。

「ドラム!ブサルサルーーー!」
サルがポコポコとドラムソロ。

「ギター!まーーーーーーー!」
まーちゃんがペケペケギターソロ。

「ベース!パオパオーーーーーー!」
パオもベンベンとベースソロ。

「キーボード!ドケチのバトルーーーケニアーーー!」
ケニアが見栄を切りながらのキーボードソロ。
ケニアは1人だけ別格だもんね。
すかさずまーちゃんがキーボードのアンプのボリュームを下げた(爆笑)

「そして天神バンドボーカルっ!リーーーー!
ハッタリーーーーーーーーー!」

ハッタリは背筋を伸ばして右に左にお辞儀をした。

何それ?何?そこは演歌歌手なん?(笑)


やっちまったよ、天神バンド(笑)
それやっちゃったらもうコントだよ。本当に。
練習とは言え、これはマズいんじゃね?

多分、そんなメンバー紹介を見た俺はきっと目が点になってたに違いない。
間違いなく(笑)


衝撃的なメンバー紹介。

この衝撃的なメンバー紹介を多くのお客さんが実際に体験する事をまだ誰も知らない…。

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