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高校ラグビーの同期逝く

今朝、母校都立小山台高校ラグビー班同期の訃報が入った。

三ヶ月前、はるばる面会に来てくれたときは、同行する仲間のために、各自の経路や一時集合場所、バスの時間まで入念に調べる相変わらずの気遣いを見せて、元気だった。末期がんで緊急入院したのが一ヶ月前。

手の施しようがなかったと言う。栄養は点滴のみ、緩和ケアも受けられず、疼痛に苦しみ、面会もできない。

「棺にラグビージャージを入れてくれ」そんな願いを聞いた地元大田区の同期から相談の電話を受けて、「死んでからじゃ遅いだろ」。「祈りもするけど、できることあるだろ」。何年ぶりだろう、OB会長に電話をかけた。

同期、OB会が一体になって、背番号入りのユニフォームと寄せ書きが、意識があるうちに届けられた。「いろいろ、ありがとう」苦しさを押し殺すような明るい声の電話をもらった。

勉強のこと、世の中のこと、彼女のこと、そんなこと全て忘れて、ひたすらボールを追い、炎天下のグランドを走った。100kgを超える巨漢の彼は、泣きながら走っていた。

初勝利のあと、ビールで祝杯をあげたね(警官に踏み込まれたけど)。  

生きたいとか、死にたいとか、そんな思いとは別に、死はいつやってくるか、わからない。

人生の意味も、彼の死の意味も、まだ、わからない。追いかけたら、逃げていきそうだ。


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