おうち工房

この記事は異常な凡人によって書かれており、安全に配慮しない内容を含む可能性があります。


初noteで失礼します。テロリンと申します。

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弊学を取り巻く環境には様々な加工設備があるようです(ものづくり実験工房やアイデア工房、最先端工房、メカノデザイン工房、工7などの機械以外の学科の工作機械室、キャンパス外に行けばテックガレージ、あとは大学と関係ないけど秋葉原のDMM)が、感染症の影響によりそれらはやや利用しづらい状況となったように思います。

そこで個人的に推したいのは家庭への工作機械の導入です。もっともこの記事をご覧になるような方であれば3Dプリンタぐらい既にお持ちかもしれませんね。

個人的におうちへの工作機械の導入にあたっての問題はたくさんあるかと思います。
(周囲の理解)or(一人作業禁止という安全ルールへの違反)、導入コスト、ランニングコスト、騒音問題、廃棄方法などなど。

今回はそれらについて自分なりのお気持ちを垂れ流させていただきます。

自分語り及び入手について

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私は工作機械がそこそこ好きで、今までレーザーカッターや熱積層3Dプリンタ、光造形3Dプリンタに手を出し、最近では3軸NCフライスをいじっています。さて、どう入手したか。

2020年現在、国内製造業の視点では安い海外製品に苦しめられていそうな気がしています(要検証)が、学生の視点では色々なものが(比較的)安く買える時代でもあります。

たとえばひと昔前ではフライスなどを買うとするなら東洋アソシエイツのMr.Meisterシリーズや、キソパワーツールのPROXXON、寿貿易の中古なりアウトレットなどが候補に挙がりそうですが、これらはそれなりに値段がしたり、重くて個人で管理するには結構難しかったりします。
むろん加工する上では加工機の剛性が大きい方が速く削れるのですが、やや取り回しが厳しい。一方で小型の加工機は一度に少しずつしか削れない。

そこから導き出される結論はCNCな小型加工機を選び、コンピュータにチマチマ作業させることです。これでどんなものを買うかは決まりました。問題は何処から買うか

私が主に使うのはAmazon.co.jpやAliExpressです。まあぶっちゃけ大陸で作られてそうな製品群です。そこそこ急ぎの時はAmazon(要お届け日確認)、とりあえず安く幅広いものを探したい時はAliExpressでしょうか。(ミスミやモノタロウも嫌いではありませんが)

自分が買ったのはCNC 3018というフライスです。以下のページを参考にして探しました。今ではAmazonにもそれなりに売っているようです。
あ、最初は手動で調整するので軸にノブが付いてるやつがおすすめですよ。
あとレーザ付きモデルに中華製の対レーザーメガネが付属するものがありますがこのメガネは絶対に使わないでください。大人しくレーザの波長を調べて日本製のレーザ用メガネを買ってください。これはマジ。中華製保護メガネは吸収率がカスなので、視力を失いたくない人はちゃんとメガネに金かけてください。よく分からん人はレーザカッターは国産のFABOOLかPodea買っとけ。私もまだ中華レーザモジュールは怖くて稼働させてないし。多分そのうち使いますけれども。

これらは基本的には組み立てキットです。無印良品の家具みたいな感じでパーツが届き、自分で組み立てる必要があります。システムは基本的にはArduino互換ボードなどとオープンソースソフトウェアから成り立っているので頑張れば国内のパーツだけで組むことも出来るかと思いますが、設計やパーツの選定の手間もある上、組み立てキットでまとめて買ってきた方が多分安いです。まあ2台目以降は自作しても良いかもしれない。

組み立てキットは安いですが、その分組み立ての手間と、あと調整やキャリブレーションの地獄が待っています。このNCフライスはまあオイルを塗れば大体動きましたが、最初にAmazonで買った熱積層3Dプリンタはかなり大変でした。まず直角や平行、水平が出ない。

ぶっちゃけ加工機械を弄ることに悦びを見いだせる変人以外はAdventurer3でも買ってくるのが正解だと思います、ハイ。まああっちも多少は大変らしいけれど。
まあいいや、これでポチって長くとも数週間待てば大陸から工作機械が届くはずです。

騒音パート

さて次の問題は集合住宅でどう運用するか。

ステッピングモータのキュイキュイ音はまあまあ人を選ぶかもしれません。
深夜の運転を控えるなり、身近な人を説得するなりして乗り切りましょう。(そういう意味では光造形は圧倒的に静かですかね、後処理めんどくさいけど)

真の騒音はフライスのスピンドルです、こいつはヤバい、とにかく猛烈な振動を発生させます。洗濯機が机に乗ってるのを想像してもらえば分かりやすいかもしれません、ただしより高速回転ですが。
一応もうしわけ程度のゴム足が付属していたのですが、焼け石に水でほとんど振動が消えません。

さて、振動や騒音について少し考えてみましょう。楽器をいじった事のある方(特にピアノ)なら少しは想像しやすいかもしれませんが、集合住宅における騒音は基本的に空間というよりは床や梁、柱を伝わる事が主な原因だと考えられます。大雑把に言えば床などの面に対して垂直方向の振動は厳禁だと思っています。
またスピンドルの振動は主に12000RPMぐらいの高速回転によってもたらされるため、それなりに高周波です。なのでそこそこバネ定数が小さめの物体を間に挟むのが良いのではないかと適当に考えました(振動チョットデキル人が居たらご意見を伺いたいですね)

最初はピアノなどに使う吸音マットの小さいやつをフライスの下に敷いたのですが、これはあまり効かないようでした。
次に溝付きのゴム板を互い違いに使ってフライスと吸音マットの間に挟みました。これは少しだけ効果がありそうでした。(元々のゴム足はもっと小さい)

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同じゴム板を机の脚の下にも挟みました。机が倒れないように注意しましょう。
それでもまだ微妙だったので段ボールを吸音マットの下に挟みました。これがそこそこ効いたかもしれません。
多分模式的には多数のバネを直列と並列に接続した形になっているはずで、特に直列部でバネ定数が小さく出来ているのではなかろうか、と思っています。

これで騒音問題はもはや存在しません(主観)。まあ深夜の全力運転はまだ難しそうですね、今後の課題でしょうか。

その他

最後に廃棄云々ですが、まあ何とかなるでしょ(適当)。
フライスにおいては加工材料からは大量の削りくずが出ますが、まあ塩化ビニルとか以外は基本燃やせるはずです。なんか頑張るとアルミぐらいは削れちゃうみたいなので、マスクや(生協とかで売ってるような)保護メガネとかで自分の身を守りましょう。手袋はもちろん厳禁。半袖で作業できるもんならやってみろ、熱々の削りくずが飛んできます。

補足になりますが、加工機械は既に有る素材を削ったりするタイプと、何もないところに材料を積み上げていくタイプに分かれます。
基本的には後者の方が楽です。なぜならCADさえ使えばCAMに殆ど触れなくても部品が出来上がるので。
前者の方は素材をどこに設置するかとか、どれぐらいのサイズを用意してどれぐらいの速さでどんなパワーで削るかとかを色々実験する必要がかなりあります。悪いことは言わないので3Dプリンタに留めるのが健全かと思います。

されど工学徒とは呪われた生き物なので、いずれは木材、アクリル、金属に手を出していくことでしょう。そしたらこの記事を思い出してください。
多分金属3Dプリンタがご家庭にやってくるまではもうしばらく掛かるはず。そもそもDMMサービスとかに外注するのが正解かもですが。まあアレも設計が上手じゃないと一発では出来なさそうですけどね。

あ、なんかAliExpressで加工機関連の面白そうなものを見つけたらぜひテロリンまでご連絡いただけると助かります。よろしくお願いします。以上!

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