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シール抜き機を作った話

こんにちは、せいじです。

9/26、pictSQUAREで開催される【貼るFes】に参加させていただくにあたって、以前別所で公開していた「シール抜き機を作った話」を改めて加筆修正してnoteで公開します。

ご興味がある方は読んでいってください。


はじまり

フレークシールを作り始めた当初、インクジェットプリンターで印刷した縁まで色が乗ったシールを丸く切り抜きたくてクラフトパンチを使っていたのですが、どうにも切れが悪くていくらか無駄にしてしまう事に困っていました。

画像1

上の画像のシールの下がもけもけしているのがお分かりでしょうか。
これ、ただもけもけが出てるだけだとはさみで整えればいいのですが、印刷された部分まで削れてしまうことが多々ありまして。
最初は買ったパンチがハズレだったのかと思い別メーカーの物を買い直しても結果は同じ。
クラフトパンチの構造上、押し抜く形になるのがシールの糊と相性が悪いのでは?ということで

刃型で切り抜く器具を作ろう

と思い至りました。

通常、シールは切り抜きたい形にした刃をぎゅっと押し付けてカットされています。
ちなみに一枚の剥離紙にいっぱい貼られているシート状のタイプは「ハーフカット」といって上のシール部分のみをほどよい圧力でカットしたもので、私が作っているようなフレークシールは剥離紙までざっくり切ってしまう「全抜き」です。

クランプと木材

さて、色々と考え続けて私が辿り着いたのが「クランプによる圧力を掛けて刃型で抜く方法」です。
クランプは木材を切る時などに動かないように押さえる為の工具ですね。C型とかF型とか、色々あります。
その中で横型トグルクランプを使った木製の「簡易プレス機」というものを真似して作る事にしました。
ネット検索で出てきたこの「簡易プレス機」はどうやらレザークラフトの菱目打ちを軽い力で可能にするために考え出されたもののようです。
本来はハンマーで打ち込む物なので騒音問題もあるみたい。
(レザーは固いので、糸で縫う前にフォークみたいな専用器具で菱型の穴を開けておくのを菱目打ちと言うらしい)

参考にしたのはこちらのブログ
設計図をそのまま使わせていただきました。

作ると決まれば材料集め。
まずはメインの「横型トグルクランプ」を入手すべくネット通販を利用します。
今回はヨドバシ.comで買いました。Amazonにもありました。
品番は「TPA50F」。参考価格1900円ですが、実際どこのお店も1300円くらいで売ってます。
このクランプはハンドルを動かすとそれと同じ方向に軸が伸びます。

工具類はいくつか持っていますが、足りないものもあるのでコーナンに行きます。ボルトやナット、木材に穴を開けるためのドリルビットなど。
メインは木材。
2×4(ツーバイフォーと読む。38mm×98mm)のSPF材183cmがなんと350円。安いな!?
コーナンには買った木材をカットしてくれるサービスがあります。それを今回初めて利用してみる事に。1カットで30円(税抜き)です。自分でノコギリでえっちらおっちら切る苦労を考えればとっても安い。
木材を担いでレジで会計した後に、店員さんに「カットしてもらいたいのですが」と声を掛けるとカット場を案内されます。
カットしたい寸法をスマホにメモしていたので画面を見せて「このサイズでお願いします」と言えばでっかい機械でギューンと切ってくれます。
注意としては刃の厚みがあるため、多少縮むこと。気になる場合は欲しい寸法に3mmプラスして伝えましょう。たぶん、この辺りは店員さんが教えてくれます。
5分程でカット終了。カット代金が書かれた紙を持って、サービスカウンターに行って紙を見せて、カット代を払います。

簡易プレス機01

こんな感じ。余りももちろん持ち帰れます。(いらなかったら引き取ってもらえます)

で、組み立てる前にささくれた表面を軽くヤスリがけ。

簡易プレス機03

粉が出るので床にビニールを敷きます。これ、養生テープとビニールが最初からくっ付いていてとっても便利。
好きな長さに出してテープを張り、ハサミでビニールを切ってあとは広げるだけで養生できます。細かいゴミが出る時や塗装の時にお役立ち。

あとは設計図通りに組み立てて…(ドリルビットが折れたり彫刻刀で怪我したりもしつつ)

簡易プレス機10

無事に完成!!
サイズはおおよそ高さ35cm、幅11cm、奥行き20cm。机の上に載せられるサイズです。
赤いハンドルを下げれば下の軸も伸びて、その力で押し切る!

刃型

さて肝心の刃型はどうするの、という話ですが、刃型制作の業者さんに注文してみました。
今回利用したのは、京都にある丸伸製作所様です。
刃型を作るにあたって検索をかけた時、数社がひっかかかったのですが注文フォームに個人名とは別に会社名が必須だったりして怖気づきました…多分個人でも問題なく作ってくれるとは思うのですが。
丸伸製作所様の注文フォームは名前と会社記入欄が一緒だったので、ここにする事に。住んでいる所に比較的近い京都というのもポイントでした。

クリックで商品や数量を選べるショップサイトとは違い、自分で文章を書いてメールを送ります。コミュ障ゆえ、この作業が一番しんどかった…
サイトに値段は書いてなかったので、意を決して「直径23mmの丸パイプ刃」の見積もりをお願いしました。
変形(丸や四角以外)の刃型の場合はデータを元にゼンマイ刃という平べったい刃を曲げて作られるのですが、今回欲しかったのはただの丸だったので、パイプを切って作られるというこちらをチョイス。
翌日、快く注文を受けてくださる返事が。刃型のみなら1000円、刃型を埋め込む樹脂板込みなら2000円。思ったより安いぞ。

で、2日後(早い!)に届いたのがこちら!

簡易プレス機09

おおー、本格的…
こういう物も個人でも作ってもらえると知れたので良い経験でした。

さて、この刃型とプレス機を使ってみると…

こんな感じで切り抜けます!
それほど力を使わずにきれいに円形を切り抜く事ができます!すごい!
ぶっちゃけ印刷から全部業者に注文してしまった方がきっと早いし楽なのですが、自分が工作好きなのでこんな事をしてみました。楽しいです。

この用途以外にも、手芸でハトメやスナップボタンを付けるのにも活躍しています。ハンマーを使わないので音が静かで安心。

他のシールについて

丸いシール以外にも、こだわりの形状のものがあります。

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このフラッグ型シール。これも手作業でひとつひとつカットしています。

角の鋭利さを出したくて手作業です。でもこの作業も楽しいのです。

他にも今の季節にぴったりなデザインのシールもあります。

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”好きな柄をちょっといっぱい”の「2種各5枚入りセット」
”たくさんの種類をちょっとだけ”な「20種全部1枚入りセット」
フレークシールは大きく分けてこの2パターンをご用意しています。
2種セットの方は9/26貼るFes開催時間内から翌日27日の20時頃までの限定です。

さて、打っている間に【貼るFes】の開会時間も迫ってまいりました!
シールから始まった個人サークルTercero316、どうぞ見るだけでも!

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