わたしは看板

画像1

江戸時代から“バッタリ床机“の上で、
出し箱として「書林 竹苞楼」「賣買」という顔で座っています。
いろんな人々が、わたしの中をのぞいて「?」と思い、
後ろを振り向き「なんでだろう?」と思っている様です。
信長公由来の本能寺を背にしてお客様は立ちます。
同じバッタリ床机の上で、
手にしてくれるお客様を待っている本・本・本がおとなしく、
いや誇らしげに自己主張しています。
江戸、明治、大正、昭和、平成…………
わたしを目にする人は変わってきました。
お店の中には、富岡鉄斎なる人の額が
「竹苞書楼」と奥の隅からお客様に
「ようこそおこしやす。ゆっくり古書に触って時間の流れを止めて、
この空気にひたっておいきやす。」と語っている様です。
わたしの役目は「看板」です。立体看板なんですよ!
“お待ちしてま~す“

竹苞書楼 主人 佐々木 惣四郎

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?