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未来のプログラミング教育 #2

 こんにちは、寺本大輝です。

 前の章では作り変えるプログラミングという教育の方法を提案させて頂きました。続いては、そのような方法で学生が学習を行ったあと、その結果をどう評価すれば良いかについて考えてみます。

 結論から申し上げますと、現代におけるプログラミング教育に最も適した評価とは、どれだけ身近なものに干渉するかであると私は考えています。

身近なものに干渉するプログラミング

 現行のプログラミング教育における評価のほとんどは、他の学問と同じ、知識を問うものです。ただしプログラミングはご存知の通りものを作る道具という立ち場があるため、ものづくりに必要な創造性をはかる評価も中には存在します。あるいは、競技プログラミングのように目的を解決する能力を定量的にはかる評価というのも存在します。

 それらの評価は、おそらく正しく機能しており、テストする方法もおよそ実用的になっていると私は思っています。

 しかし私は、不遜ながらこれらの評価にひとつの疑念を抱いております。それは、こプログラミングの出来ない方が抱いているプログラミングの印象と、これらの評価がかけ離れているということです。

 例を挙げさせて頂きますと、

 Webサーバを構築し、任意のアドレスにメールを自動送信するスクリプトを作成し動作を確認した。

 というのが、知識を問うような評価方法で評価されることであり、

 アクセスするだけであらかじめ登録しておいた妻のメールアドレスに「今から帰るね」というメールを送信するWebサイトを作った

 というのが「身近なものに干渉している」こと評価方法で評価されるものです。想像しやすいようWebやメールといった例えを挙げましたが、現代において更に評価されやすいものとして、アプリがあります。

 他のアプリに直接干渉することはセキュリティ上難しいですが、現代ではAPIという形で一部の機能を各社が一般に開放しています。APIを用いることで、まるでGoogleやMicrosoftなどの会社と提携して作っているのかと思わせるような連携を実現出来ます。これも、身近なものに干渉するプログラミングです。

 更に現代はIoTですから、技術の授業で作った工作物がちょっとした家電として家で重宝されるということも起きてきます。「帰りの電車に乗っている間に家のエアコンを点けておく」とか、「家のドアを開けると自動でライトが点く」など、様々な方法で身近なものに干渉する方法が考えられています。

 ただし、利便性を評価の対象にしている訳ではないということに注意して下さい。今回例に挙げたものは全て役に立ちそうですが、私は役に立たないものも同じように評価すべきだと考えています。利便性を評価する教育は、プログラミング教育とは別にして考えるべきであり、どちらも必要であるということです。これは「作るプログラミング」と「学ぶプログラミング」を分けて考えるという事に繋がります。

 身近なものに干渉するという事は、プログラミングを知らない人の世界にも干渉するという事です。やっている事のレベルが高くても、開発者自身の世界(自分のPCなど)でしか動かないものは、こんな風に思われてしまうのです。

 お前の書いたプログラムが凄いのはよーく分かったけど、でも俺のiPhoneは、それじゃなんにも変わんないでしょ?じゃあ俺には実感出来ないよ。

 

いかにして身近なものに干渉するか

 私は、hackforplayというゲーム世界の中から、身近なものに干渉できる環境を作りたいと考えています。つまり、自分の書いたコードが現実の世界に干渉する、hackforplay(WORLD)というような新しいサービスです。

 例えば、Googleが以前行ったWorld Wide Amazeは、既存のWebサイトを迷路にして遊べるようにすることで、現実世界のWeb開発からゲーム世界への干渉を可能にしました。このような考え方で、現実世界とゲーム世界がお互いに干渉しあうプラットフォームを作りたいと考えています。


 作り変えるプログラミングを通してプログラミングに触れ、身近なものにも干渉することで、私は人々にある変化が訪れることを確信しています。

hackforplayの目的は、あなたの考え方を変えること

 hackforplayの目的は、「なんだ、プログラミングって簡単じゃん」「もうなんでも思い通りに出来るぞ」という風に、あなたの考え方を変えて差し上げることです。

 こういう考え方を持つのは、とても難しいことだと私は思います。それはプログラミングを使って何が出来るのかが分からないからです。

 だからこそ、hackforplayを通して、プログラミングで身近なものに干渉できる環境を私は作りたいと私は思います。精一杯開発させて頂きますので、今後ともご理解とご協力を頂けますよう、宜しくお願い申し上げます。

 今回、未来のプログラミング教育と題しているにも関わらず、hackforplayの話ばかりになってしまい、誤解を与えかねない記事を書いております事をお詫び申し上げます。

 最後に、この記事を通してプログラミング教育についてのご理解が少しでも深まれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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