メールアドレスを知らない小学生についてHackforPlayをやっていて思うこと
今度のHackforPlayワークショップでは、参加者のみなさんに会員登録をしてもらう必要がある。
今までは会員というのがそもそも無く、家に帰っても続きをプレイできなかった。
これは大きな進歩だ。
しかし、先日のLiT体験会で、ひとつマズいことが発覚した。
今の小学生は、メールアドレスというものを知らないのである。
「メールアドレスってなに?」と首を傾げる小学生に、「まず、メールというのは…」から説明するのは結構大変そうだ。
というかこのご時世、メールを理解したところで彼らの生活は1ミリも豊かにならないのではないかとさえ思う。
といっても、登録して貰わないことには進まない。
ここは「理解は後から追いついてくる!」というHackforPlayらしいスタンスを貫いて、とりあえずGmailかなにかでアカウントを作って、とりあえずパスワードを決めて、紙かなにかに書いて持って帰ってもらうしかない。
・・・
果たして本当にそれで良いのだろうか。
メールって、これからどうなっていくのだろうか?
僕は小学生のころ、yahoo.co.jpのアドレスを使っていた。
Yahoo! BBを契約したら家族の人数分もらえるとかいうことだったので、はじめは自分のアドレスを覚えてすらいなかった。
しかし小4くらいになると、ネットゲームをするためにメールアドレスが必要になり、ちょびりっちとかお小遣い稼ぎサイトに登録してスパムが山のようにきたり、というのを経験した。
メールアドレスがないと先へ進めないが、魅力的な世界だった。
だから覚えたのかも知れない。
最近はメールアドレスを打つ機会がめっきり減ってしまった。
OAuth認証があるから、会員登録はクリックひとつで終わる。
それどころか、スマホアプリにはまず会員登録というものがない。
親にApple IDのパスワードを打ち込んで貰えば、家のiPadで好きなだけゲームができる。もちろんセーブもチャットもできる。
情報が端末に依存してしまうのが玉に瑕だが、そもそも彼らが日常的に使える端末というのは限られている。他の端末を使う機会はあまりないはずだ。「ネットカフェでログインしないと貰えない限定アイテムが!」とかいうゲームは彼らの世界に存在しない。(小学生でネカフェに行く子なんて元々希少かも)
端末そのものが識別子として十分に機能しているのだ。
とはいえ、メールアドレスは存在する。通信キャリアのアドレスだったり、AppleやGoogleのアドレスだったり様々だが、購入時に必ず設定しているはずだ。
しかし残念なことに、多くの場合その端末を所有しているのは保護者で、利用者である彼らはそのメールアドレスを知らない。
知らなくても、魅力的なコンテンツにアクセスできるからだ。
でもそれは。
結果的に、自分の世界を狭くしているのではないだろうか?
なんかもっと、親の目の届かないところにアクセスしてもいいんじゃないだろうか?
結局のところ、そういう「魅力的な世界」というのを親に知られたくないから、自分で調べるしかなくて、気付いたらみんな詳しくなっていくような気がする。
こんなこと堂々と言うのもなんだが、僕も「魅力的な世界」のために相当のお小遣いをつぎ込んだ。WebMoneyだと業者の手数料が高かったので、そこで初めて銀行振込を覚えた。相手は日本の法人だったが、サイトを見る限り中国のRMT業者のようだった。
そんなことをしていると、ときには痛い目を見ることもある。このアイテムを集めて売れば絶対に儲かる!とワクワクしながら10時間にわたってひたすらアイテムを集め続け、取引にこぎつけたまでは良かったものの、先にアイテムを渡してしまったせいで、気付くと相手が消えていて思わずタピオカパン!!と叫んだ中二の夏、あれもいい教訓になった。僕の場合はキーボードを外す代わりに部屋の壁にこぶし大の穴を開けた。いろんな意味で両親に心配されたので事細かに経緯を説明すると一笑に付された(これが一番イラっとしたかも知れない)。
何を言っているのか分からなくなってきたが、結局はそういうことなんじゃないだろうか。刺激が欲しくてインターネットを徘徊し、ワクワクしては絶望するの繰り返し。こうやって僕たちは世の中を学んだ。少なくとも学んだ気分を味わった。マインクラフトのサバイバルモードみたいなものだ。
だからその、メールアドレスの件は・・・何も解決策は見出せていないが、結局のところ面倒ごとから逃げていても自分の世界を狭くするだけなのだ。小学生の頃なんて、無駄なことばかりしているくらいが丁度いい。たとえ10年先にメールが絶滅していようが、メールを知らない奴が時間を得しているとは思えない。むしろ絶滅した理由を語れるくらいでいなくては次の時代を生き残れない。
まあ、でも。
HackforPlayの会員登録くらい、メールアドレスがなくても別にいいんじゃないかなぁと思っているので、きっとまた新しい登録方法を作ることになると思います。それはそれ、これはこれということで。
以上、無益な知識をお届けしてどうも申し訳ありませんでした。
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