スタシュにおける箱とは何か~黎明期から最新研究まで~

はじめに

 これまで、スタシュでは様々な箱の研究が行われてきた。しかし、そもそも研究している人が少なかった上に、スタシュの人気が下火になってきており、箱研究についての知識が失われつつある。
 そこで、一番箱研究に関わっていた自分が、箱に関する基礎知識から最新研究までをまとめた記事を書くことにした。是非、上達への参考にしていただきたい。

1、基礎知識

 箱研究の話を始める前に基礎知識のおさらいをしていく。もう知っている方は飛ばしてもらっても構わない。

箱の特徴

 まず、スタシュの1試合で流れてくる箱の数は必ず13個。また、ジャンボは必ず6個目に流れてくる。これは6個目にジャンボが流れてくるわけではなくて、ジャンボが流れてくるのは6個目ということに注意。
 3箱は4箱目から流れ始め、4箱は8箱目から流れ始める。昔は5箱まであったが、流れたとしても試合に影響しないことから廃止された。

箱の順番

 箱が順番に流れてくるが、おそらくこの箱の順番(箱順)は試合が始まった瞬間に全て決まっている。箱が出てくる直前に確率で流れる箱が変わるのではなく、試合が始まった瞬間にどの順番で何が出てくるのか決まっている。つまり、1箱が出てくる確率を調べようと思ったら、全ての箱順を調べて母数を抑えない限りは確率が分からない。ジャンボに関しても同様である。時々「1箱が出る確率を教えてください!」や「ジャンボが出てくる確率を教えてください!」といった質問が来るが、正確に答えるのは到底無理ということを分かってほしい。
 また、箱順はアプデがきて追加されることがある。もちろん「+箱の順番が追加されました」みたいなことがアプデ情報に載るわけもなく、箱研究しているうちに「この箱順初めて見るやつか?」という気づきがあって初めて追加されていることが発覚する。多分flowさんはドS。
 箱順の分岐は思っている以上に多く、8個目まで分岐が存在していた気がする。それぞれの箱順には基準のパターンとジャンボパターンがある。ジャンボはどちらから流れても、その後の箱順は変わらない。1つの箱順に2つのジャンボパターンがある。全部の箱順のパターンはゆうに3桁を超えるだろう。

レートの仕組み

 この話は箱に関する話ではないが、最新研究に関わってくる話なのでここに記しておく。
 おそらく、スタシュにおけるレートのマッチングは、ある部屋があり、そこにAさんとBさんが集まって戦うシステムではなく、Aさんが立てた部屋にBさんが入るシステムとなっている。レートに潜ったけど全然人とマッチングしないという場合は、部屋を立てて待っている状態。レートに潜った瞬間当たれば、立てられた部屋に入った状態である。

レポート機能 

 この話も箱に関する話ではないが、最新研究に関わってくる話なのでここに記しておく。
 スタシュにはレポート機能というものがあるが、あまり知られていない機能なのかもしれない。この機能はラグなどで負けた際、flowさんに報告するという機能だ。リザルト画面(画像1)の左上にある赤いボタンから「はい」を選択する(画像2)とメールが開かれる(画像3)。
 昔、このレポートに書かれていることが分かれば、どっちがラグかったのか判明できるのではないかということで、レポート研究なるものをしていた。ただ、結局分かったのは画像3の下段部分くらいだった。

画像1
画像2
画像3

 「SELF_MASTER」とあるが、そもそもプレイヤーはMASTERかSLAVEに振り分けられる。「SELF_MASTER」と書かれている通り、これは自分がMASTERということを表している。また「レートの仕組み」で書いた内容と関わってくるのだが、部屋を立てるものを「MASTER」、部屋に入るものを「SLAVE」としている。「Create_WORLD_MILD」の「Create」は「MASTER」なので、部屋をCreateしたという意味である。もし「SLAVE」なら「Join_WORLD_MILD」となる。「WORLD」はレギュラーを表している。

箱の三要素

 実は箱研究と言っても色んな研究がある。皆さんは箱を構成する三要素を知っているだろうか。それは「順番」「タイミング」「高さ」の三つである。箱の順番だけを知っていても箱は取れない。箱の高さ、タイミング、順番の三つが嚙み合ってこその箱なのだ。一般に箱研究というと箱順を想起するだろうが、色んな分野があることを頭に入れておいてほしい。

箱順の調べ方

 箱順は誰でも調べることができる。レギュラーとイベントは箱順が変わるが、ローカルに流れる箱順とレートに流れる箱順は変わらないため、ローカルを使って箱順を記録していっている。ここで便利なのが「スパイシーわくせい」である。基準のパターンを集めるのにとても重宝する。この記事を見て箱研究したくなった人はローカルを開いて箱研究してみよう!

箱研究が活きるキャラ

 箱研究をしたとしても、それが活きるキャラと活きないキャラがいる。簡単に言うとヒトデやカエルなどの1技のコストが1コストのキャラは箱研究が活きる。逆に活きないのはシシやムーンなどの3コストのキャラだ。もちろん、箱を知っているだけで得しやすいが、自分の持ちキャラがヒトデやカエルなどであれば積極的に覚えていくといい。

2、箱研究の歴史

 ここからは箱研究の歴史を載せておく。正直あんま面白いわけではないが、せっかくなので記録に残したい。ここは読み飛ばしても困ることはないので、最新研究を知りたい方はそこまで読み飛ばしてもらって構わない。

箱研究黎明期

 実は箱研究自体を始めたのは自分が最初ではない。おそらく爪楊枝君あたり。自分が箱を知ったのはnine5君かたまやま君が教えてくれたからだった気がする。その頃はあるパターンだけ知られており、全部の箱順を調べようという人はいなかった。箱を予測して立ち回りを変えるという概念はなく、そういう動きもなかった。

箱研究発展期

 箱は予測することができるということを知った自分は、箱研究することを決意する。そこから箱研究という大きな流れが出来た。最初は手書きで箱順を記録しており、ノートの1/4くらいは箱研究に消えた。途中からデータで管理しだし、調べる人も1人から数人へと増えていった。最初は5箱目までの箱順を調べていたが、箱順は試合ごとに決まっていることが分かり、7箱目まで記録するようになった。また、箱順の表記方法も様々な変化が見られていった。最初は「右2、左2、左1」という風にしていたが、nine5くんが革命的な方法を思いつく。それが「2-2r-1r」という風に表記する方法だ。敬意をこめてnine5式表記と呼ばれることもある。これは「右2、左2、左1」と「左2、右2,右1」が本質的に変わらないことに注目し、最初に来た方向を基準として、それと反対方向から来た箱には「r」をつけるといったものである。この表記方法のおかげで箱順が見やすくなり、表にもまとめやすいというお得ぶり。nine5くんには大感謝。

箱研究成熟期

 もう13個目までの箱順を調べようという流れが出始めた時期。今までは特定の分岐が少ないパターンは13個目まで覚えていたが、分岐が多いパターンも13個目までが判明しだす。ただ、途中で1箱が出てくるなら覚えようという気になるが、分岐が複雑なうえに3・4箱しか出ない箱順は覚える気がしないし試合にも影響しない。さらに、このあたりからアプデで箱順が追加されたりする。箱研究は全て手作業であり、ツールなどは一切使ってない。そのため不正とまでは言えないので、flowさん的に対策した結果がサイレントアプデとなった。箱順が追加されることは決して教えてくれない。ここから箱研究とflowさんとのいたちごっこも始まった。ある程度箱研究が煮詰まったら、flowさんが追加する、また箱研究する、追加される…。追加された箱順は見つけるだけでいいが、削除された箱順は判断が難しいため、攻略wikiに載せるのもやめた気がする。箱研究は煮詰まったが終わりが見えない辛さもあり、だんだんと活動は少なくなり現在へと結び付く。

3、最新研究

 最新研究と言っても、今までの箱研究とは何が違うのか。一言でいうと方向が関係するようになったということである。今まで箱順には方向が関係ないとして長らくnine5式表記が使われていた。しかし、あることをきっかけに方向を知る必要があることに気づき、箱研究がより発展することが分かった。そのきっかけとなったのは、まさかのレポート研究である。元々レポート研究はラグを判別するためにやっていたことだが、箱研究に結びつくとは思いもしなかった。その結びつく部分というのが、前述した「レートの仕組み」と「MASTER・SLAVE」である。
 レポートを通して、それぞれのプレイヤーには「MASTER・SLAVE」のどちらかが振り分けられることが分かった。この事実から「MASTER視点の箱とSLAVE目線の箱は違うのでは?」というのが始まりになる。今までは方向を無視していたので関係ないと思われていたが、それぞれが独立しているならば話は変わる。MASTER視点の右はSLAVE視点だと左になる。つまり、箱順の表を二つ作る必要が出てきたのだ。現在これに対応するため「右2-2r-1」という風な表記(MS式表記)を考えている。まず視点はMASTERに固定し、最初に流れてきた方向を記録して、それ以降は今までの通りとなる。また、今まで「2-2r-1」とまとめていたが「右2-2r-1」と「左2-2r-1」と分けたことで、その後の分岐を予測しやすくなったのだ。これは思っている以上に革命であり、同時に箱研究がより複雑にもなった。そして、これは実戦で活きやすい。
 自分がMASTERかSLAVEかの違いは、部屋を立てているかどうかである。そのため中々マッチングしなかったらMASTER視点で考え、すぐにマッチングすればSLAVE視点で戦えばいい。慣れるまで大変だろうが、慣れてしまえば今まで以上に箱が予測できるだろう。

4、終わりに

 自分の知っている箱の知識をほぼ全て書いたような気がする。忘れている部分もあるので、もし抜けていたり間違っていたことがあれば教えてほしい。また、これを通して箱を活かした戦い方をするプレイヤーが増えることを祈る。最後に間違っているものもあるが、ある程度箱研究していた頃の1箱分岐表を載せて終わりにする。


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