イン殺さんの過去記事


※この文章は現在はなくなってしまったブログサイト「インターネット殺人事件」の過去記事です。
大好きなサイトだったので一部コピペでとっておいたものです。


面白いですよね『3月のライオン』。毒婦こと香子の登場でますます xx 好みの漫画になってきたので、最近はヤングアニマルで一番楽しみにしてます。」

「零くんというキャラクターが穏やかな心を持ちながら激しい将棋の才能によって目覚めたスーパー SATSUGAI 者であり、如何に性格が優しかろうと対局者をぶちころさずにはいられない呪われた運命の持ち主である、という話は以前(id:xx-internet:20080227:p2)書きました。ではその零くんに絡む香子というキャラクターは何の役割を果たしているのか、というのが今回の話。」

「結論から言いますと、香子というのは零くんの中の邪魅が外側に具現化した生き物です。賢い零くんは既にそこに気づいており、今後数年間は内なる自分の胎動に悶えながら"ぼくをみて! ぼくをみて! ぼくのなかのかいぶつがこんなにおおきくなったよ!"とか何とか言ってのたうちまわるでしょう。」

(注 : 以下、最新展開のネタバレを含むよ!)


香子はどこから来たのか、香子は誰なのか、香子はどこへ行くのか

「あるところに棋士の娘がいました。棋士の家に生まれた彼女は幼い頃から女流棋士を目指しておりました。あるとき、棋士の友人が事故でなくなり、その息子が養子住み込みの弟子として棋士の家に住むことになりました。」

「その少年には将棋の才がありました。それはもうとてつもなくありました。やがて少女は決して少年に勝てなくなります。父は少年をプロ棋士として育てる半面、少女には"おまえの実力ではプロは無理だ"と言いました。」

「もともと気性の激しかった少女はひどく荒れました。少年を殴り、罵倒し、やがて家を出て夜遊びにふけるようになり、そして最終的に、彼女は少年につきまとうようになりました。」

「彼女が使う武器は"物語"です。少年は鬼のように強い将棋指しでしたが、穏やかで心優しい性格でした。彼女はそこに付け込み、対戦相手のプロフィールをとうとうと語るのです。曰く、彼は年老いた棋士だが、数十年将棋を指してきてそれほどの成績も残せず、次の試合で引退を考えている。最後の一戦でも負けてしまったら彼の棋士人生は何だったのだろうか? 曰く、彼には負けると酒を飲んで暴れる悪癖があり、そのせいでついに離婚する事になってしまった。次の試合はクリスマスであり、その日を最後に彼の家族はバラバラになる。だが、彼の娘は、せめて最後のクリスマスだけは穏やかに過ごしたいと願っているという。私はあなたが心配だ。心優しいあなたが、クリスマスに彼を倒したりできるだろうか?」

「こうして、少年は対局のたびに将棋の成績を落として社会的・経済的ダメージを受けるか、良心の呵責から精神的ダメージを受けるかの二択を迫られることになりました。彼女の"物語"に耳を貸さないという選択肢は最初からありません。なぜなら、彼女は少年の異性への憧れといいますか、もっとぶっちゃけると性欲といいますか、そういう方面を押さえている毒婦だからです。彼女の悪意に満ちた言葉でも、少年は聞いていたいと思ってしまうのです。」

「少年は彼女の悪意に気づいていました。更に、彼女の悪意は純然たるブースターであり、真の悪は自分の中にあることも分かっていました。対戦相手を倒さずにはいられないのも、彼女の言葉が聞き流せないのも、全ては彼の欲望なのです。彼自身が望んだことなのです。彼女がそれを分かった上で少年にお話を語っていることを彼は理解していたし、彼がそう理解していることを彼女が知っていることも理解していました。まーさーにー悪意の八断死門陣。死地に追い込まれた少年の運命や如何に。零くんと香子の明日はどっちだ。*1」

「個人的な予想としては、零くんは結局のところ対戦相手を殺ると思います。負けると酒を飲んで暴れる悪癖のせいでついに離婚する事になったが最後のクリスマスだけは妻と娘と穏やかに過ごしたくてプレゼントを買って対局に臨む対戦相手をぶち殺すと思います。」

なぜ殺るか

「殺りますかね」
「殺るでしょう。そりゃあもう殺るよ。絶対に殺るね」
「何を根拠にそこまで」
「零くんは何で出来てる? 情け無いほど将棋だろって話ですよ。将棋を抜いたら価値は零。そんな人間が将棋で引いて何様かと」
「ハチワンと違って零くんには未来くらいありますよ! 三十過ぎた元奨励会と一緒にしないでください!」
「先の展開としては四パターン考えられるので、好きなのを選ぶといいよ」

零くんは対戦相手を SATSUGAI して不幸になる。

零くんは対戦相手を SATSUGAI せずに不幸になる。

零くんは対戦相手を SATSUGAI するが幸福になる。

零くんは対戦相手を SATSUGAI せずに幸福になる。

「このうち"SATSUGAI せずに幸福"はたぶんありえない。つまんないから。零くんの問題と香子の問題は先送りされるだけで解決しないし、何よりただ単にヌルい。対局すっぽかしてひなちゃん家でほのぼのクリスマスパーティーなんて落ちは少女漫画じゃ通ってもヤングアニマルじゃ通りませんよ。"SATSUGAI するが幸福"は順当だけどその前の対局のときとパターンが一緒なので、お勧めは"SATSUGAI せずに不幸"かな。わざと対局に負けたが相手の家庭は結局ボロボロに崩壊して、香子がその話を零くんの耳元で超嬉しそうに語るとか」
「やりますかね羽海野チカ先生が」
「やるんじゃない? 一回くらい。ハッピーエンドを描くためにはまずキャラクターに死ぬほどの不幸をくらわさなきゃいけない的なことを富士鷹ジュビロ先生も言ってたよ」
「富士鷹ジュビロは富士鷹ジュビロだから仕方ないけど漫画家が全員そんな冥府魔道に堕ちてるとは限らないですよ」
「堕ちてたらもっと面白いのにね」

*1:頭を病まれた向きには彼女が非常にタチの悪いツンデレに見えるかもしれない。自分はそういった立場に組しないが、他人が妄想する分には別に止めないのでご自由にやればよかろうなのです。

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