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空をキャンパスにする窓

我が家は一般的な家と比べると窓の大きさや付け方が(恐らく)ちょっと特殊で、普通の引違い窓は2階のテラスと階段上がった横の2箇所のみ。その両方とも目の前に目線高い壁があったりお隣の家が建っていたりするので景色が見える箇所ではありません。

そもそも一般的な感じで開口部を設けなかった理由は、3方(北と東西)が他のお宅に囲まれていること。唯一開放感のある南側はお店のファサードでもあるため、自宅部分は開けたくなかったこと。カーテンなど布物を使わないで済むよう可能な限り強い光を大きく入れたくなかったことなど、あれこれ理由が混ざって今のような「スリット窓を中心に、建物の四方をちょいちょい開けてやんわり光を取り込む」というスタイルになりました。
更に書くと、大きく窓を開けた所で借景としていい具合にフレームインしてくれる景色が周りに無かったんですよね。それなら別に無理して開けなくて良いじゃんって踏ん切りがついた理由でもあります。

が、一箇所FIX窓で大きくガツンと入っている箇所があります。

2階テラスと店舗の1.5階エリアをつなぐ窓です。1.5階に一部存在する客席から斜めに天井が伸びて、そのまま自宅側のテラスへと開口部になっています。

テラスと屋根(roof)の境界にある窓

1735×1800の1枚ガラスというこの建物の中で1枚サイズとしては最大のガラス窓。そしてトップライトではないものの、客席から斜めに見上げる視線とその大きさから擬似トップライトと言ってもいいぐらい空がよく見えます。


南側から見た時の立面図。roofはこんな感じで斜めの天井になっています

南側から見た時の立面図。これだけだと分かりづらいのですが、お店の客席に大きな階段がありまして、そこを上がると自宅の1.5階と同じ高さになります。そこから斜めに見上げるとFIX窓。テラスを超えた先に空が見えます。
このテラスは自宅へと繋がっているため、頑張って覗こうと思えばお店の1.5階から自宅がほんの少しだけ見えます。まぁほとんど窓付近しか見えないし、お客様がいる時はそちらに近寄らなければ良いだけなので困ったこともありません。

知っている人だけが知っている光景

この大きな開口部。外部からは殆ど見えないため、中に入ったことのある人しか知りません。1.5階というちょっと屋根裏感のある客席スペースに、空を大きく感じられる開放感。空しか見えないからこそ、空の色合いや雲の移ろいなどをダイレクトに感じることができます。まるで四角いキャンパスです。
個人的にあまり他では見ないなと思っている自慢のスペースであり、実際にここのスペースはとてもお客様からも好評です。ちょっとした秘密のスペース。
お店の内装や客席の作り方として「なるべく居心地に差を作らない」というのが一般的な考え方としてあると思いますが、自分のお店は潤沢なスペースもないコーヒースタンドスタイルのお店のため、あえて座り心地や居心地に差を付けています。この1.5階の客席スペースは靴を脱いで上がるスペースなので小さなお子様がいるご家族に人気です。

春夏秋冬。24時間違う景色。

屋内から大きく空を見上げるスペースがあると、春夏秋冬季節ごとの色合いや時間帯ごとの景色を楽しむのも面白いですね。

定期的にお店からも空模様をアップして、自分も一緒にその瞬間を楽しんでいます。お店を閉めた後、子供と一緒にごろーんと横になって遊んだりもするぐらい、子供も気に入っています。そうやってできたら良いなーをちゃんとしてくれるので自分としても本当に嬉しいし、建てて良かったなぁとつくづく思います。

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