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「出来上がらないと実際分からない」細かな仕様の不安について

気がついたら5月。2023年度がスタートしてから、バタバタと過ごしているうちに梅雨がやってきそうです。
この5ヶ月も毎日あれこれ真面目に取り組んではおりました。GWも終わり、ようやく仕事や生活サイクルとかも馴染んで来たかなとは思いつつ、結局は来年になれば子供も小学生になるしまだまだ変化は続くのでしょう。それをいかに楽しんで行くか、前向きに取り組んで行くかというところが生活を充実させるコツなのであろうと思っています。

もうすぐ1年になる家

我が家は引き渡しが2022年6月末。そしてすぐに引っ越しをしました。住み始めて11ヶ月、あと1ヶ月で1年です。季節も夏秋冬春と巡ってなんとなくこの家が「どんな時にどんな感じなのか」とか分かってきたので、それぞれ細かい箇所の使用感とか含めてまとめたいなぁと思っています。

店舗内から自宅ベランダを経て空へ繋がる大窓

今回はその一歩手前というか、細かな話をする前にもっとざっくり気付いた事、特に事前で「実はちょっと不安だったところ」を中心に書いておこうと思います。

仕切りを可能な限り無くしたレイアウトによる不安

平面図(1階1.5階2階)でご紹介したように、我が家は玄関から2階の居間まで仕切りがありません。ドアがあるのは寝室の出入り口とトイレ、1.5階のダクトスペース(物置エリア)、あとお風呂です。強いて言うなら、家とお店エリアの行き来するドアがありますね。

仕切りが無いのは風通しが良いですし、ドアが無いだけで減額の効果はあります。また、夏の暑さは2階にあるエアコン2台の冷気が巡り巡って1階まで落ちるように。冬の寒さは一階のファミリーロッカー前の廊下に敷いた床暖房の熱を煙突効果のように床からじんわり立ち上らせて全体をやんわり暖めようといったことも念頭に置いています。

1階平面図 ピンクにした箇所に床暖房

ただ、最近流行りでもある「高気密・高断熱」みたいなものが売りのハウスメーカーなどで設計・施工している訳ではありません。勿論お願いした建築士Kさんも工務店Wさんも、しっかりと作ってくださることは分かってはいるし信頼しているものの……ここまで思い切って暑さ・寒さは大丈夫だろうか?とか、各種建材はこのグレードで真冬の結露とかしないだろうか?とか少し心配でした。
心配なら断熱材をグレードの高い充填式の発泡ウレタンフォームにしたり全館空調なり入れたらええやんという話もありますが、まぁスペース的にも予算的にもそんな余裕はなく。

ルーバー天井による不安

また、我が家は全体的に天井部分をルーバー天井にしています。天井あらわし、ということでいわゆる「屋根裏」というスペースがありません。(2階
のリビングダイニングと、階段部、1.5階の寝室、お店エリア全体)

天井も、ロフト床の裏もルーバー天井

ルーバー天井が意匠的に素晴らしいのは世の中にたくさんある事例(主にinstagramなど)で分かっていたのですが、屋根裏という緩衝スペースが無いため音が結構うるさい可能性があります……という事前情報がありました。

また、お店の天井もルーバー天井なので2階リビングからの物音、とりわけ子供がドタバタする音とか大丈夫だろうか?というのは不安ではありました。

「閉じた家」の明るさに対する不安

我が家は店舗兼住宅なので、お店部分は当然外に開かれております。だからこそ、生活する部分(特に2階のリビング・ダイニング)は多少閉じておきたいなぁという思いがありました。なので採光については本当に何度も建築士Kさんとお話をし、一部建材では最後の最後まで悩むところでもありました。

2階平面図 青く印を付けた箇所が開口部(窓)

最終的に、4隅に基本的な採光を設けて、そこからやんわりと光が入ってくるというスタイルが基本となりました。南側にがっつり開口部を取って明るくして……というを嫌ったのは、陽当りが良いためあまりに南からの光が強烈すぎるのと、お店のファサードと同じ面に家の開口部を付けたくなかった、カーテンなどの布物を使いたく無かったというのが大きな理由です。
最終的に建築士Kさんからは「こんなに閉じた家は初めてです。」と言われました。まぁそうだよねぇ……とは思うものの、自分としてはこれ以上開けたくないという思いの方が強かったのでそのままGo。この辺も一種の賭けではありました。

あれこれ書きましたが、恐らく建築士や工務店の方はたくさんの経験があるので「これなら大丈夫だろうな」というニュアンスは掴んでいたのだろうとは思います。でも自分は家を建てるなんて初めてなので、例えば断熱材などカタログスペックなどを見ても「どこまでが体感的にOKなものか」みたいなものは想像でしか無いのでなんとも言えない不安感はありました。

結果、だいたい問題無かった(笑)

まず仕切りがないレイアウトについて。
窓を開けると家全体で空気が抜けるのでとても心地良いのと、2階で子供がテレビ見ながらドタバタしてる時とかに1階にいてもなんとなく様子が分かります。そういう風通しの良さ、気配の感じやすさなどはとても良いですね。

暑さ寒さは冷暖房器具をどう扱うかという要素が大きいなと感じています。
2階にエアコン2台、1.5階の寝室に1台。昨年の夏はエアコンフル稼働で過ごしてみたところ、暑さは殆ど感じませんでした。これは天井の高さも功を奏しているんだと思います。また、1階は玄関土間+土間に近い色合いのタイル敷きなので、基本的にひんやりしているのも良かったのかもしれません。
ただ、エアコン3台フル稼働は電気代がアレだったので、次の夏はもう少し使い方を調整ですね……。

一階の床はタイル。夏はひんやり。冬は冷え冷え。

冬は逆にその天井の高さが仇となりちょっと寒かったかな…という感じも。ただこれは、私がエアコンの暖房が苦手すぎるためメインの暖房器具がオイルヒーターであることの影響が大きいです。(空気全体がぼんやりぬるくなって空気が乾燥するのが苦手)
1階に入っている床暖房は付けておくと足元がじんわり温かい感じで、着替える時とかは本当に重宝するなぁと思いました。でも家全体にまで影響を及ぼす暖かさかどうかはちょっと微妙かもしれません。
この辺は光熱費と暖房器具の扱いをもう少し考えて良い落とし所を見つけたいとは思っています。エアコンともっと上手く付き合うことが解決の鍵なんだと思っています。シーリングファンとかあった方が良かったかなぁと思いつつ、そうしたら恐らくルーバー天井の美しさが損なわれるので嫌だな、と思う自分もいます。はぁ、電気代って本当(以下略)

でも、そういった光熱費とかは高い天井の抜け感とトレードするデメリットなんだろうなという気がします。光熱費だけ見るのであれば、生活スペースをもっと区切ってそこだけ冷やしたり暖めたりすれば良い。でも今の高い天井の心地よさを知ってしまうと「それは窮屈だよなぁ」と感じてしまいます。

断熱材びっしり

断熱材のメインはアクリマットの16kg(天井はスタイロエース)、窓はLIXILの防火窓FGシリーズ。これで結露が起こることは殆どなし。この辺は施工していた工務店Wさんのお力なのでしょう。
強いて言うなら、約4㎡という極小スペースの寝室で真冬にオイルヒーター+加湿器を付けて親子3人川の字で寝た時の朝、窓のサッシ部分にすこーしだけ結露した程度。むしろここまで空気や湿気がたまりやすい条件の中で「ちょっとだけ」だったのは本当にすごいなと思いました。

ルーバー天井による雨音とかはなにそれ?というレベルでした。めちゃくちゃ強い台風とかだと流石にうるさいのかもしれませんが、日常の雨で気になったことは無いです。(前に住んでいた所はそもそも車の音とかうるさくて、それに慣れていたというのもあるかも……。個人の感想です。)

家の中でのドタバタ音はさすがにしますね…。とは言っても子供がEテレを見ながら全力で歌って踊ってようやく多少ドタバタ響く程度です。これは店舗兼住宅として許容範囲かなと感じています。話声とか聞こえてくる訳ではありません。
また、お店の音が家側に響くこともありません。これはちょっと驚いたのですが、夜中にお店で焙煎機を回していても1.5階の寝室まで音は殆ど聞こえない(妻談)です。結構ジャカジャカするので心配だったのですが、お店・家の仕切りと寝室スペースの2枚のドアを隔てるだけで静かな夜に大きめの音を出しても気にならないレベルというのは素晴らしいですね。

明るさについては、一般的なご家庭と比べると確かに暗いかもしれません。でも天井が高く、その高い所まで窓が入っている箇所が4隅にあるため、気が滅入るような暗さではありません。
テーブルの上やキッチンの手元だけとか、ピンポイントで明るくしたい箇所がある場合はデスクライトを使っています。部屋全体を明るくせずとも、それだけで事足りる感じです。

これはバッテリー型のデスクライトなので、コンセントなどを気にせずどこでも使えるので重宝しております。シンプルな形状で、お安い。

カーテン無しなので、光が入ってくる時はバシっと入ります。各窓からどんな季節の、どんな時間に、どうやって光が入ってくるのかを楽しんでいます。西日が綺麗に見えたりすると感動しますし、真冬の朝は朝日がキッチンにまっすぐ入ってくるのに驚きました。それぞれ眩しい時もありますが、それも数分程度のことなので生活の中で楽しめる程度です。

結論:住みやすい、とにかく満足度の高い家

あれこれ不安だった点を思い出しつつ、今思うことを書きましたが総じて「全て杞憂であった」ということでした。これはひとえに設計による細かな配慮と、施工時もひたすら細部まで責任ある対応と高い技術力ゆえのものだとは思います。
本当に何度も何度も「良い家だなー」って言いながら生活してます。

ここまで書いていて思うのは、あれこれ細かく考える・突き詰めることも当然大事ですが、最後にモノを言うのは現場の技術力だよな……という気もします。いくら良い設計・良いもの使ったところで、正しく扱えなければ実力は発揮できないので。そういう点では建築士Kさんと以前もお付き合いがあり、建築士の物件も多く手掛けてきた工務店Wさんにお願いできたのは幸運でした。(お忙しい会社なので着工まで少し待ちましたが)

もちろんもっと土地が広かったら…とか、予算があったら…という我々側の力及ばずな部分もありつつ、この辺は上を見たらキリが無いので仕方なし。色々な条件の中で最大限やれることはできたかなという充実感はありますね。
年単位の時間がかかったけれど、心折れずに頑張っておいて良かったです。

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