ラヴ・レターズ

2023.4.19
石井一彰×蝶花楼桃花

長年演じられ続けてる演目なことと、
「かけがけのないあなたへ贈る、リーディングドラマ」
「今夜あなたもラヴ・レターを書きたくなるでしょう」
っていう煽り文句もあり、しっとりとしたちょっと切ない感動系を想像して観に行った。

………が、蓋を開けてみればただの不倫話でめちゃくちゃびっくりした。観劇が終わってしばらくは「これを煽り文句通りの感動系として作られてんのか!??」と混乱してたけど、だんだんと「あの煽り文句はミスリード的なものだったのか……??」という気持ちも湧いてきて……結局混乱は混乱のままで今もよくわかってない。

自分がアンディーやメリッサなら、「愛とは」みたいな綺麗なお話として見れなくもなくもなくもないのかもしれないけど、第三者的に見ると、特に二人の家族のことを考えると怒りがすごい。二人とも家族のことちゃんと人として、個人として見てる??手紙のため、相手にみせるために結婚して子ども作ってる感が否めないのがこわい。本当にこわい。結婚相手に惹かれた部分もそりゃあるんだろうけど、純粋にそれだけじゃなさそうと思えてしまうのが……。

アンディー、メリッサや家族や支持者のことを想ってるようにみえて、結局は我が身がかわいいただの不倫野郎やんけ〜。メリッサのこと友達とか幼馴染とかいいながら身体の関係もってんのとかも本当、「結局ただの不倫やないかい!」ってなった。あと、本当にメリッサのことただの友達・幼馴染だと思ってて、奥さんも二人の関係に引っ掛かりを覚えてないならわかるけど、全然そんなことないのにメリッサの絵を家に飾ろうとしてんのも怖すぎて「うそだろ!?」ってなった。そんで最後、病んじゃったメリッサの来ないで来ないでを無視して結果自殺しちゃったあとボロ泣きしてんのもさ、「お前が泣いてんじゃね〜〜〜!」ってなった。なった、なった………んだけどさ、綺麗なんだ。涙が。綺麗すぎて………怒りが……浄化され……されんわ!!されんけど!綺麗!!!怒り!!綺麗!!!情緒がめちゃくちゃだった本当に。
あの綺麗な涙のために私は観劇しに行ったんだなと思った。
あと水を飲んでる横顔も本当に綺麗だった。どうもありがとうございます。幼少期声も本当に可愛かったしお手紙読みながら表情くるくる変わるのも可愛かった。もう本当、話が話だっただけにこの視覚的栄養がなかったら怒り狂ってた。栄養あっても怒り狂ってはいたが。ときどきクールダウンできた的なそんな感じ。
演者さんの演技が上手いから尚更、二人のヤバさこわさがドカドカと襲ってきてずっと怒りが湧いてた。
もうただひたすら、石井さんのお芝居の上手さと美を実感する舞台だった。

あとこれは昔の本だからかちょいちょい差別用語出てきてドキッとした。この作品においてその言葉たちを残す意味はあんのか?と思ったのでなんか、長年やるなら見直してもいいんじゃないかな〜と個人的には思った。

おわり

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