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キャリアの変遷と今回の転職理由

新卒でベンチャー企業に入社した理由

きっかけは、大学3年次に行ったイギリス語学学校への短期留学で、他国の留学生との温度差を感じたこと。自分は異文化に触れたり英語を学びたいぐらいの軽い気持ちで留学していたが、彼らは「自国の経済が破綻しているからイギリスやアメリカの大学にいき、有名企業に入社して稼がないといけない」、「将来明確にやりたい仕事があり、その仕事に就くために英語が必要」というように非常に高いモチベーションで望んでいた。その環境に触発されて、私も社会人になって何がしたいかを考えるようになった。

帰国して早速将来何をしたいか考えるにあたって、そもそも「仕事とは何か」という点から突き詰めていったところ、
仕事
=お金を稼ぐ
=誰かに価値を提供し、対価としてお金を得る
=価値を提供するために、誰かの課題を解決する事業が必要

当たり前だが、全ての仕事は根本に何か事業があって、事業は価値を提供し対価としてお金をもらうことで利益を出し続けるものだと、自分の中で定義された。そのため、私は社会人になるにあたってビジネスの根本的な部分である「事業」を作り価値を提供して利益を産み出す力をつけることが最も重要だと考えたため、新規事業や事業開発といった業務に関われる企業を中心に就職活動を行なった。

また、早く自分で「事業」を作れるようになるには、座学の研修や部分的な業務を段階的にこなしていくよりも、実際に現場で経験を積むほうが良いと考えていたため、企業規模は数十人規模のベンチャーを中心にみていた。(これは留学時の経験が関係しており、いくら学校で英語の授業を受けても実際に外国人に囲まれた環境で話さないと上達しないということを身を以て体感したため。)

その結果、新卒ではVR関連のベンチャー企業に新規事業立ち上げに関わる経営企画のポジションで入社した。

入社半年での転機

順調に想定通りのポジションでキャリアをスタートさせることができ、入社して3ヶ月ほどして中国企業とVRテーマパーク事業を立ち上げるという協業事業の話が舞い込んできたため参画することになった。私の業務としては海外のVRやテーマパークの市場調査、SNSの広報戦略策定(どの媒体で発信するのが効果的か)に従事した。手探りで行いつつも、なんとか使えそうな情報をまとめたアウトプットのほとんどが、協業先との会議資料に組み込まれていたため、初めての経験にしては多少なりとも貢献できたと思っている。

しかし、その3ヶ月後(入社から6ヶ月後)に、なんと会社が倒産の危機にあると伝えられた。当然新規事業は頓挫し最後まで関わることができなかったどころか、人員整理が行われ新卒メンバーは全員退職を余儀なくされた。

ただ、私はそれほど不安や焦りなどはなかった。なぜかというと、入社半年で想定以上に濃密な経験をさせてもらったため自分に自信を持っていたからだ。また、創業して10年後に存続している企業は1割以下ということも知っていたので、「倒産を経験する可能性はある、むしろ企業はうまく行かなければ倒産するものだ」ということを身を以て知る機会になったので良い経験だと思っている。

そして、新卒入社から半年で早くも転職活動を開始することになったので、次はどのような会社にいくべきか改めて検討し、3つの軸で転職先を探した。

①新規事業の立ち上げに関われること
②経営に近いポジションで経験を積めること
③早くから大きな裁量権を持って仕事に取り組めること

①は、新卒入社のときと変わらないので割愛。
②③の軸を設定した理由は、会社が倒産するということを目の当たりにした結果、会社に依存し会社の看板で仕事をすることがいかに危険かということが分かったからである。「会社に依存せず自分の力で生きていけるようになる」にあたって、求められるスキルを突き詰めると「起業して経営者として事業を継続できる力」が必要だと考え、経営に近いところで経験を積めることと早くから裁量を持って仕事に取り組めることを特に重要視した。

2社目での経験

上記の軸で転職活動を行った結果、大手企業の新規事業コンサルを行うスタートアップ企業へ転職した。具体的な事業内容は、クライアント企業の新規事業部や研究開発部の方に対して、机上の新規事業仮説の立案と想定ユーザーやパートナー企業に対するヒアリングによる仮説検証を行い、最終的な事業案を提案するといった業務を行なった。プロジェクトの進め方は2つあり、1つはすでにクライアントが持っている技術などのアセットを事業化するためにニーズがあるターゲット市場の仮説構築と検証、参入した際の事業規模推定、ビジネスモデルの策定を行うもの(プロダクトアウト)。もう1つは、クライアントが参入したい市場が決まっており、その市場の課題ニーズの仮説構築、どういったアセットが活用できるか、どのようなビジネスモデルを組むべきかを策定するもの(マーケットイン)で、割合は7:3ぐらいだった。

私は、1年半で合計12~13プロジェクトを経験し、うち半分は主担当として、クライアント課題のイシュー設定、プロジェクトマネジメント(タスクの切り分け、スタッフへの依頼とFB、進捗管理)、クライアント折衝(プレゼン)、実業務(リサーチ、ドキュメンテーション、ヒアリング)を担った。3ヶ月/1プロジェクトのものがほとんどなので、かなり多くの場数が踏めたと思っている。

また、コンサルティング以外にも、営業・採用・広報などのノンコア業務も行なっていた。営業では、テレアポ〜訪問〜提案までを行い合計2プロジェクト(1,000万円弱)受注することができた。また、営業チャネルを増やす目的でワークショップの企画〜運営も中心となって携わり、1年間で1プロジェクトだけだがワークショップ経由で受注に繋げることに成功した。

2度目の転職へ

そして、今改めて転職をしようと考えている。転職する理由は、事業の立案だけでなく、実行まで関わりたいと考えたためである。

これまで10プロジェクト以上大手企業の新規事業に関わって事業立案を行なってきたが、新卒の時に目指していた「事業を作って価値を提供して利益を産み出す力」「起業して経営者として事業を継続できる力」といった事業を作る力をつけるにあたって、このままコンサルとして事業立案するだけでは物足りないと感じ始めている。事業を作る力を身につけるために1つの事業により深く関わって、立ち上げ〜利益創出、事業継続まで担うべきだと考えるようになり、今のキャリアで身につくスキルでは達成できないと思っている。

上記を踏まえると今回の転職の軸は、以下の2つになると考えている。

①新規事業の立ち上げ〜事業運営まで関われること
新規事業に関わるという観点で言えば、事業会社はもちろん、実行支援まで行なっているコンサル会社、VCなどのファンドも対象となると考えている。
事業会社で腰を据えて1つの事業をやり続けて自分なりの成功ロジックを作るか、コンサルやファンドのように並行して複数の事業の立ち上げ〜運営の経験を積んで体系的に正解を学ぶべきかは検討が必要。

②早い段階で大きな裁量を持って経験を積めること
大きな裁量というのは、新規事業の担当者としてリサーチなどの一部業務を担うのではなく、新規事業に付随するあらゆる業務(泥臭い業務も含め)を担い、事業の成功まで責任を持つことである。そのため、大きい会社よりはやはりベンチャーやスタートアップのように1人当たりの責任範囲が大きい会社が良いと考えている。

またタイミングについて、なぜこのシビアな時期に転職活動をしているのかと言うと、今新規事業関連のポジションで採用を強化している企業は、直近ではなく、より長期的な目線で経営を考えているという仮説を持っているからだ。多くの企業がコロナの影響で減益になることが想定されるが、だからといって投資を止めてしまうことは経済が戻ってきた時に競合に勝てない。だから他社が止めている今のタイミングこそ逆張りで投資しておくべき必要があり、今採用を強化している企業はその点を想定できており、将来性があると考えている。

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