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コロナ時代を生きぬくための聖書のことば~連載を始めるにあたって

はじめに

21世紀に入ってから、時代は大きく動きはじめています。
私たち人類は、第2次世界大戦のあの苦い体験を踏まえて、一途にこれまで平和を模索し希求しつづけてきましたが、しかし現実はその実現の方向とはだいぶかけ離れているようです。
いや、むしろ世界の情勢はますます混迷の度合を深め、多くの人々は、そのような坩堝に巻き込まれて窒息しかかっているように見えます。
これは、ひと言でいえば”黄昏時の時代”とでも形容できそうな終末的光景ではないでしょうか。

そこに拍車をかけたのが2020年からはじまった新型コロナウイルス感染によるパンデミックです。この未曾有の世界的な規模での同時多発的な現象は、ある意味では私たちの想像をはるかに超えています。
また、私たちの身の周りをみれば、年を追うごとに地震、津波、洪水、暴風、竜巻、猛暑、森林火災等、恐ろしいほどの自然災害も次々と押し寄せてきており、まったく息つくひまもありません。

そのせいでしょうか。私たちは気づかないうちに心配や不安に駆り立てられ、ときには恐怖や絶望の淵に沈んでしまうことがよくあります。その点は、だれもが実感していることではないでしょうか。それだけに私たちは今、とても生きづらい時代に生きているのだと思います。
では、このような混沌とした時代から抜け出せる手立てはないものでしょうか。
多くの人々は脱出口を見つけようとあくせくしていますが、ついに出口が見つからないまま、その場に茫然と立ちつくしているように見えます。出口が見つからない決定的な理由は、その人たちが創造主である神さまの存在を知らないからです。
そのためにイエス・キリストをとおして父なる神さまのもとに立ち帰ることが難しくなっているのです。

イエス・キリストの福音に接した者は神と和解する手立てを知っています。私はこのような暗い時代の今だからこそ、もっともっと聖書に頼らなければならないことを痛感しています。
聖書は光に満ちた羅針盤です。また私たちの頼るべき安全な砦であり避難所です。私はそのような思いから、キリスト者もそうではない人も、希望と信頼に満ちた聖書のすばらしいみ言葉にふれていただこうと考えて、このブログ公開の執筆を思い立ちました。
たったひとつの聖句が、私たちの生き方を変化させ、そのしるしとしてイエス・キリストからの希望の灯が点火されたならば、これ以上の幸いはないでしょう。
とは言いましても、実は、私自身が数々の聖句との出会いを通じて、どれほど慰められ励まされたか計りしれません。
したがって、これから語っていくエッセイ風の短い拙稿は、結果的に私自身の信仰体験の証しということもできます。

ところで、この連載を読むに際して、読者のみなさまに3点ほど心においていただきたいことがあります。

まずは、毎回掲げる聖句は新約聖書のみならず旧約聖書からもアトランダムに取り上げるという点です。
いずれも私の気に入った聖句を数行抜き書きして掲げますが、本来、その個所は前後の脈絡の中で読み解かなければならないことは言うまでもありません。
そのことを念頭におきつつ、一つの聖句を読み終わりましたら、そのつど、直に聖書に当たっていただいて再度、確認し黙想していただければ幸いです。
 
2点目は、掲げた聖句は、基本的には新共同訳を採用しておりますが、ギリシャ語の原典からの邦訳によっては、それぞれに用語の訳し方が異なっている部分が多々あります。
そのため、そのニュアンスに差異が認められます。
したがいまして、時間に余裕のある方は、他の邦訳(たとえばフランシスコ会訳、聖書協会共同訳、口語訳、新改訳など)も参考にしていただければと思います。
そうすることによって、より一層の理解が得られるでしょう。

3点目は、本書のページを開いているうちに、心にとまった聖句、自分の気持ちにぴったりした聖句などに出会いましたら、ぜひ抜き書きして目に見える場所などに貼っていただければと願っています。
そして時折、眺めては口ずさんでいただければ、その聖句が語りかける意味が、さらに理解できるようになるでしょう。

では、みなさん、ご一緒に聖書の豊かな森に足を踏み入れてみませんか? 

 

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