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お客さんの意見をすぐに反映させるのは危険

ビジネスをしていく上で重要なことの1つに「お客さんから意見」があります。お客さんからの意見というのは、お金を払ってでも欲しいものです。

ただ、お客さんの意見をそのまま反映させてしまうというのは、正しさもありますが、同時に危険も含んでいます

良いサービスをしよう、もっとお客さんに喜んでもらおうと思う人ほど陥りがちなので、自分は大丈夫と思わずに最後まで読んで欲しいと思います。

なぜお客さんの意見をサービスやマニュアルに反映させるのは危険なのか

お客さんの意見をサービスやマニュアルに反映させるのは、普通に考えると正しい気がします。ですが、なぜ危険なのでしょうか?

お客さんというのは、当然ですが千差万別です。100人のお客さんがいたら100通りの接客、サービスが必要という話は聞いたことがあると思います。

ただ、多くの場合同じサービスでも問題ありませんし、むしろそのほうが上手くいくことがあります(あくまでも基本的な部分として

なので、世の中にはサービスマニュアルが存在するわけですね。

ただ、そのマニュアルでは通じないお客さんや、それまでにない要望を言ってくる方もいます。その場合、いただいた意見は非常に貴重です。普段とは違うイレギュラーな内容なので、勉強になるしスタッフ全員に共有することが非常に大切です。

ですが、普段とは違う、今までにはなかったというのは、それがスタンダードになる可能性はあまり高くありません。つまり、サービスに反映させる、マニュアル化させることで、そのお客さんは喜ぶかもしれませんが、他の多くのお客さんにとって違和感を感じる可能性が出てきてしまいます

まずはそのサービスが多くのお客さんにとっても必要なことなのかを検証しないといけません。

すぐに反映させてしまう理由

お客さんの意見をすぐに反映させるのは危険にも関わらず多くの会社でやってしまいがちです。理由はいくつも考えられますが、

・新しいことを取り入れることこそ良しと考えられている
・スタッフからの意見を大切にしている
・責任者が現場のことをよく知らない

などが特に多いですね。見てわかるように、3つ目以外は良い理由です。


僕も今の店舗でもありますし、ホテル時代は連日

「◯◯様が××と言ってるので、今後そうしましょう」

という意見をもらっていました。
ですが、ホテルでは特に多いですが、そのお客様独特の要望や、特別扱いして欲しいという気持ち、あるいは無理難題を平気で言ってくるケースがあります。冷静に考えれば気付くのですが、そうはなりません。

なぜか?

言われたスタッフは当事者意識になってしまうからです。

お客さんから直接言われたスタッフは、当然ですが自分ごとになります。そして、お客さんと同じ側に立ってしまいがちです。

もちろんそれは悪いことではありません。お客さん側に立つのはサービスマンとして大切なことですし、素晴らしい接客をするには必要なことです。

ただ、それはあくまでも「今接客しているお客さんに限ってそのように言っている」という意識を忘れてはいけません。言われた内容を全てのお客さんに対して提供することが素晴らしい、喜んでくれる、クレームを防ぐことになる、と思ってしまうのは早すぎるのです。

重要なことは2つだけ

あまりダラダラ書くのはよくないので、、最後にまとめとして書き留めて終わりにします。お客さんから意見をいただいた時に重要なことは2つだけです。

①基本のサービスやマニュアルに反映させるかの検証をする
②提案をしてきたスタッフへの感謝を忘れない

①については、即反映だけはしないということです。同じ意見が何度も出るのか、あるいは何名かに対して、反映させてサービスを提供してみて反応をみましょう。繰り返しになりますが、即反映は危険です。

もちろん、事例としてスタッフへ共有することは忘れてはいけません。


そして、②についてが最も大切なことです。

お客さんの情報を伝えてくれた、もっとこうした方が良いなど意見を言ってくれたスタッフへはしっかりと感謝しましょう。大袈裟なくらいでいいです。その上で、検証が必要な理由を伝え、

・即反映されなくても不満を持たせない
・意見を言っても無駄だと思わせない

など、後々不満に繋がるようなことは防ぐようにします。

スタッフも、お客さんから言われたばかりだと熱がありますが、後々考えると「多くの人には当てはまらないかも」と気付くことは多いです。なので、まずはしっかりと感謝を伝えつつ、不満に繋がる可能性を取り除くことです。


ビジネス、特に僕ら店舗ビジネス運営者にとっては、サービスの向上は常に求めています。だからこそ慎重になることです。

僕もそうですが、新しいことを取り入れたい気持ちが強いとすぐに反映させたくなりますが、しっかりと検証すること、そして、スタッフへの感謝も忘れないようにしましょう。

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