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雀荘エピソード1

年を取ったからか、ふとした瞬間に過去の雀荘であったエピソードが頭に浮かんでは消えていく。何かのシグナルなのかと思ったりして。
そんなわけで忘れてしまう前にここに記しておきます。

だらだらと書きますが、お許しください。

2005年頃~ ピン東雀荘S
東南戦全盛の時代、地方ではなかなかめずらしい東風戦の店があった。
レートは1-2-4。今で言えばソフトピン東になるだろうか。それでも地方ではかなり刺激的だった。
腕自慢や夜職の兄ちゃんがたくさん集まっていた。個人店にめずらしくキレイなウェイトレスも雇っていたり、いつしか壊れてしまったシャワールームまであるような店だった。ちなみに当時のメンバーで現役の麻プロをしている人も何人かいる。

ここで勝ち抜くことが田舎の麻雀打ちとしてのステータスだった。そんな勘違いしていたある日、ある時から、KYMという裏メンのおっちゃんが働くようになった。都会を追われてきたのか知らないけど、昔から各地で雀ゴロ生活をしてきたようだ。でとにかく陽気。まじめな話はほとんどしないで常にふざけている。そんなおっちゃんがふとした時に、本当か冗談かもよく分からないけど、荒さんや故・安藤さんと打ってた頃は楽しかったなあ~というようなことをボソッと寂し気に言ってたこともあった。

で、この裏メンのおっちゃんがとにかく強かった。連勝イベントをやっていたある日、今日は記録出すよなんて宣言して、さらっと7連勝、8連勝としていく。四人麻雀で有言実行されてしまうわけだからね。やられてる方は情けない。それと本当に陽気でよく喋る。自分の待ちを冗談に交えて喋ったりもけっこうあって、さっき待ちを教えてあげたのに誰も気づかないんだから~とからかってくる。。。通しとかそういうんじゃなくハンデだよと。。。それでいていつもいつも何連勝もかましていく。

なんつーか化け物じみた強さを、愛嬌で隠して笑いに変えるような雀ゴロのおっちゃんだった。お子様扱いするように手玉に取られるのが悔しくて何回も立ち向かっていったけど、きっとたくさん負け越していると思う。でも半分以上の人はこのおっちゃんの強さにすら気づいていなくて、またいつものバカヅキ悪ふざけおやじくらいに思っていたような気がする。

いつしか勝ち続けるための愛嬌ってこういうことねと学ばせてもらった。と同時に、リアル麻雀は見えざるものが見えてる人が勝つんだなというのが痛いほどわかった。
世の中ほんの一握りそのレベルで打ってる人がいるってことを知ってもらえたら嬉しい。このおっちゃんはもういなくなっちゃったけどね、おれはリスペクトしてたよ。

で、雀荘に話を戻すとオーナーは元々が夜の店のオーナーでそっちで金を作った人。自分自身が大の麻雀好き。いつの間にかセットという扱いで社長仲間や麻雀狂を集めて関西サンマをやりだしていた。おれもご多分に漏れずたまに参加していた。
あんまり思い出せないけど、2ピンだったと思う。20分で10k~20k動く。極端なケースだけど、一晩で300k動く日もあった。24~25歳だったおれにとっては一晩で給料がふっとぶレートに痺れた。手持ちがない日に鉄砲でいいから入れと言われて150k負けてがっくし。翌日なけなしの金を持っていったらその金で打たされて180k勝ったりしてね。とにかくよく動く麻雀だった。で、これがどうなったかというと、手入れが入るどころか先にメンツが潰れていって1年くらいで自然消滅。元々のピン東も客が潰れ、メンバーが潰れ、いつしか店はなくなってしまった。

若さと狂気に身を委ねて、駆け抜けた時代だった。今思うと美化された思い出だけど、飛んだり、〇んだり、〇んだり、そんな人を何人も見てきた危ない時代だった。麻雀は誰かが勝って、誰かが負ける。全員ハッピーエンドにはならないってことが痛いほど身に染みた。

5軒分くらいのエピソード書こうと思ったけど、1軒分も書ききれないくらいで疲れてしまった。これでも話を選んでて、もっと書けないことがいっぱいあった。今は畑を変えて頑張ってる人もいるからね。そこは掘り起こさないであげておこう。

また気が向いたら書きます。では。


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