VM/白毛の女王は古馬の中で輝けるか。

いよいよ5月15日は牝馬のマイル王を決めるヴィクトリアマイルが開催されます。
今回のヴィクトリアマイルのメンバーはかなり豪華になりました。
牝馬三冠・デアリングタクト、白毛の女王桜花賞馬ソダシ、大阪杯馬・レイパパレ、阪神JF・レシステンシアなど豪華な顔触れ。
一強抜けた今、王座に輝くのはどの馬か。

判断材料

・脚質
脚質事にみると、ここ10年では勝ち馬は
逃げ馬 1/先行馬 3/差し馬 6/追込馬 0となっている。
ここでは先団好位をキープするか、前の届く範囲の差せる位置でポジション取りを展開するのが理想か。
前でスっと抜け出せる脚を持つ馬或いは抜群の末脚を持つ馬が有利だろう。

・人気
NHKマイルc同様、人気薄の馬が飛び込んでくるケースは多い。
2〜3番人気の信頼度は薄く、(2-2-3-25)と低調。
人気薄の激走は抑えておかなくてはならず、上位人気だからといって安心しきってはいけない。

・枠順
内枠有利の傾向であり、勝率高い3枠は抑えておきたい。
3枠はここまで(5-0-1-26)とポジション争いで有利不利が起こらないにも関わらず内枠の強さが目立つ。
外枠軽視ではなく、内枠にプラスを付けるのが良いだろう。

展開予想

ローザノワールが逃げていくだろう。前走失敗した逃げをレシステンシアが再び見せるのか、距離短縮でレイパパレは逃げ姿勢を見せるのか。
この2頭も逃げていくのかと言うくらいで落ち着くのではないか。
先行・番手争いはソダシ、ディヴィーナ、クリノプレミアム、アンドヴァラナウト辺りに加え先程の2頭あたりが前目のポジションで競馬。
そのまま体制決まり第4コーナーでレイパパレ、ソダシ、アンドヴァラナウトあたりが先団から抜け出し叩き合い。そこに後ろから来たソングライン、ファインルージュあたりの馬が加わり先頭争いを展開すると思われる。

各馬分析

1 デアリングタクト 55 松山 C
(5-1-2-0)

20年の桜花賞・オークス・秋華賞を制した三冠馬。
ジャパンカップでもアーモンドアイ、コントレイルとの戦いを経験して3着に入選。
能力だけなら間違いなく1番なのだが、如何せん怪我明けで1年振りの出走がこのヴィクトリアマイル。
それに加え、エピファネイア産駒は早熟の馬が多く、今まで古馬で重賞を制した馬はいない。
1年前の金鯱賞でも仕掛けの遅さからギベオンに敗れる2着に終わるなど、怪我をする前から取りこぼしている点も印象は悪い。
ここは1桁着順に入れたら御の字か。
三冠牝馬の復活劇は果たして見られるのかどうか。

2 ソングライン 55 池添 A
(4-2-1-2)

左回りの鬼。桜花賞の惨敗からNHKマイルCに参戦し2着、富士ステークス制覇など左回りでの戦績は(4-2-1-0)とかなりの強さを誇る。
また、前走は1351ターフスプリントも制覇し、調子の良さが伺える。
差し有利のヴィクトリアマイルの傾向からして展開もこの馬にとって向くだろう。

3 メイショウミモザ 55 鮫島駿 D
(5-3-2-16)

前走の阪神牝馬Sでは68.7倍の9番人気から大穴をぶち開けて勝利した。
アンドヴァラナウトに勝利したという点では評価できるが、左回りの実績が良いわけでもなく流石に今回は厳しいか。

4 マジックキャッスル 55 戸崎 C
(2-6-1-6)

去年のヴィクトリアマイル3着馬。
ヴィクトリアマイルはリピーターを狙えという言葉があるとはいえ、府中牝馬Sの大敗から愛知杯、阪神牝馬Sと人気を背負いながらも敗戦続きで少し厳しいか。

5 ソダシ 55 吉田隼 A
(6-0-1-3)

桜花賞を制した白毛の女王が、絶好条件となる芝のマイルの舞台に帰ってくる。
アルテミスS・阪神JF・桜花賞を制した芝のマイルの舞台。
芝マイルでの戦績は(3-0-0-0)と負け無し。
フェブラリーSでも牝馬ながら3着に入り込み、ダートでも1600のマイルならトップクラスの力を持つことを証明出来たのでは無いでしょうか。
2戦ダートを経験した事で、雨が降ったとて力のある走りで苦にすることは無いはず。
クロフネ産駒はホエールキャプチャがVMを、アエロリットがNHKマイルCを制しており、マイル適正という点では血統から見ても◎だろう。
母のブチコ譲りの気性難な点はあり、勝負を諦めてしまわないかという点、ゲート難の2点が心配だが、前走のフェブラリーSではソリストサンダーに迫られながらも一伸びする根性も見せた点は古馬になり"大人"になった証拠ではないか。
高速決着に対応できるスピードにダートに対応したパワー。その両方が兼ね備わった今のソダシに死角は無いはず。
アイドルホースというのもあり、"単勝"では買えないが、その反面複系・連系では毛嫌いする人も多くオッズに妙味が増すと思われる。

6 ディヴィーナ 55 武豊 B
(4-1-2-1)

左回りでの実績は(4-1-0-0)。前走でようやく3勝クラスを抜けた一頭であるとはいえ、母はVMを制したヴィルシーナ。
1月の2勝クラスではジャスティンカフェに完勝しているなど、ジャスティンカフェも未だ3勝クラスを抜けたばかりの馬とはいえ、前回の走りっぷりを見たら強さは明らか。これは高く評価出来るだろう。
紐にしてみるのも面白いかもしれない。

7 レシステンシア 55 横山武 C
(5-5-1-3)

前走の高松宮記念はまさかの逃げでガス欠を起こし1番人気ながら6着に沈んだ。
マイルを走るのは去年のヴィクトリアマイル(6着)ぶり。
阪神JFを制し、桜花賞とNHKマイルでも2着に入っているなど能力の高い一頭ではあるし、調教も調子は良さそうだがこの重い馬体重とスプリントしか走っていないことを考えると…。

8 クリノプレミアム 55 松岡 B
(5-5-1-10)

中山牝馬Sでは大穴ぶち開け1着。福島牝馬Sでも2着と、本格化したか。
今年5戦目と1月に1戦戦うスパンの短さはやや気になるが、東京芝1600では連対率60%。
松岡とのコンビでは(2-2-0-0)と、騎手との相性の良さもある。
相手はかなり強化されて厳しい戦いにはなるが、荒れるようなら入り込んでくる可能性も。

9 アブレイズ 55 菅原明 D
(3-1-0-9)

前走では1番人気を背負いながら敗戦。
中山牝馬Sでは強い走りをしていたがここでは厳しい。

10 ローザノワール 55 田中勝 D
(5-1-1-22)

芝で1勝しかしていない馬がここで勝てるほど甘くない。

11 ファインルージュ 55 ルメール A
(3-3-1-1)

桜花賞ではソダシ、サトノレイナスと激闘の末3着、秋華賞でも2着に入るなど同世代牝馬ではサトノレイナス、アカイトリノムスメ無き今ではトップクラスの一角と言って間違いないだろう。
敗れたのは距離が長すぎたオークスのみ。
1600mならかなりの強さを誇るはずだし、前走の東京新聞杯はイルーシヴパンサーの2着と相手が強すぎた印象だが、上がり34.0のタイムで素晴らしい末脚。
ヴィクトリアマイルは差し有利。ソングライン同様展開は向くだろう。

12 ミスニューヨーク 55 M.デムーロ D
(5-1-4-8)

府中牝馬Sでは大敗したが、ターコイズSを制しており、中山牝馬Sでも3着に入った。
左回りは得意なようには見えないが…。

13 レイパパレ 55 川田 A
(6-2-1-3)

大阪杯優勝馬。
金鯱賞・大阪杯を続けて2着と能力が衰えていないことを見せた。
金鯱賞前の戦績の悪さは距離の問題だろう。2200mでは少し距離が長いか。
1600mは約2年振りとなるが、川田「我慢しなくて良くなる」のコメントにあるように、問題なくこなせると思われる。
ココ最近の雨続きから、道悪なら久しぶりのマイルで冠もあるだろう。
良馬場の時高速馬場に対応出来るかどうかは微妙だが、能力の高さでカバー出来るだろう。

14 アカイイト 55 幸 C
(5-4-2-12)

エリザベス女王杯を制した馬で、金鯱賞も3着に入った事から能力は本格化していると言っても間違いはないが、1600では距離が足らずこの馬の持っている末脚は生かせないだろう。
ここを叩いて宝塚記念で期待したい。

15 アンドヴァラナウト 55 福永 B
(3-4-1-1)

前走まさかの2着に終わったが、それで評価を下げることはしないでいいだろう。
秋華賞3着馬で、能力の高さは証明済み。
愛知杯の11着は松山とのコンビであった。
それ以外の福永とのコンビでは(3-4-1-0)とここまで馬券を外しておらず、相性抜群。
脚質から見ても差せる末脚を持っているから、展開は向きそうだ。

16 デゼル 55 藤岡康 C
(4-0-3-5)

阪神牝馬Sは連覇をかけて望んだが3着止まり。
大外ぶん回しで、外差し伸びのトラックバイアスがあるようなら3着までなら可能性あるか。
去年のヴィクトリアマイルでは4番人気を背負いながら8着に終わった。リベンジを果たせるか。

17 シャドウディーヴァ 55 坂井 D
(3-5-3-15)

府中牝馬Sを制しており、ここでアカイイトなど今回出走馬6頭に先着している。
21年の東京新聞杯では3着に入っており、東京での芝は少し得意にしているように思える。

18 テルツェット 55 レーン C
(6-0-1-3)

ダービー卿CTを制して迎えた去年のVMでは14着の惨敗。
4ヶ月の休養明けの中山牝馬Sでは5着に終わったが、上がりタイムは最速。大外ぶん回しから末脚勝負で馬券内に入り込んで来る可能性はある。

評価
A
2 ソングライン
5 ソダシ
11 ファインルージュ
13 レイパパレ
B
6 ディヴィーナ
8 クリノプレミアム
15 アンドヴァラナウト
C
1.4.7.14.16.18
D
3.9.10.12.17

馬印

◎ 5 ソダシ
白毛の女王、絶好条件で久しぶりの冠を。
〇 13 レイパパレ
道悪なら。 1600ならスタミナ関係なく走れるはず
▲ 11 ファインルージュ
道悪に少し疑問符も、騎手馬ともに東京は好条件。
☆ 2 ソングライン
左回りの鬼。
△ 6 ディヴィーナ
△15 アンドヴァラナウト
注 4.8.18

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?