Hitonose

仕事に日々を喰われていく日常に慣れて、「大人」になった気がする。

二十代には何もやりたい事が無かった。やりたい事がなかったから、バンドを始めた。

幼少期の同調圧力で消防士になりたいと嘯いたが、結局宙吊りのままで潰えた事があった。

中学、高校、大学と周囲の環境に溶け込むために適当な夢を騙っていたおかげで、しっぺ返しを色々食らったと思う。

様々な人との出会いと別れの中で、きちんと土台を造らねば未来は無いと悟った。

その事に気がついたのは二十代終わりの事だった。

三十歳になって漸く自身の人生に向き合うことにした。

二十代の半分を過ごした悪友に穿たれた一言は、
「二度と他人の人生を生きるなよ」だった。

自身の人生は一度きりしか無い上に、時間を戻すことはできない。

故に、天上天下唯我独尊、我儘に生きる事にした。

兎にも角にも目標を作り、そこに向かうための方法を調べ、土壌を耕し、種を用意し、水を蒔いた。

独りで生きて行けるように雨風を耐え忍び、未来を想い、芽吹く時を待つ。

生を受けたからには必ず幸せになる。幸せの基準値は多種多様であり、多くは語ることはできないが。

思考は常に新しく、正を向き、不言実行を貫こう。

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