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悩める大人が集まる「昼スナック」とは、一体どんな空間?#テンカイズ 2019/12/25

これからの3週にわたり、テンカイズ公開収録
「イノベーションプラットフォーム・スナックなつみ」をお送りします。
宇賀なつみさんがスナックのママに扮し来場者に1杯ふるまうサービスも。

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多くのお客様にお越しいただきました!ありがとうございました

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場所は、新宿にある歌謡曲バー「スポットライト」

番組公式ユーチューブチャンネルで当日の様子をご覧いただけます!


宇賀:東京麻布十番、毎週木曜日の昼下がりにひっそりとオープンするスナックがあります、その名も「スナックひきだし」。そこにはスナックに馴染み深い40代50代のビジネスマンはもちろん、子供のいる女性から80代の紳士までが訪れるそうです。昼下がりにオープンする昼スナは、一体どんな社交場になっているんでしょうか。


<昼スナックってどんなところ?>
ということで、今夜は新宿の歌謡曲バー「スポットライト」で公開収録を行っているんですが、まずは昼スナックの話題から。

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今お伝えした麻布十番の昼スナック「ひきだし」の紫乃ママこと、株式会社HIKIDASHI代表取締役木下紫乃さんです。紫乃ママのお店は有名なんですか?

浜田:編集部員がSlack(スラック)っていうチャットツールで、昼スナってのがあるって書き込んだんです。昼にやってるスナックでそこにおじさまたちが人生相談に行ってるんだっていう話で盛り上がってたの。

宇賀:それが紫乃ママのお店なんですね。何時からオープンしてるんですか?

木下:木曜日の2時から6時までやっております。

宇賀:え?4時間だけ?何でオープンしようと思ったんですか?

木下:私本業は人材育成の会社を一人でやらせていただいているんですよ。40代50代の方達向けのキャリアの支援をやりたくてそういう会社を始めたんです。でもそういう方たちがなかなか、研修とかワークショップをやっても来なくて、じゃあその人たちが来るとこってどこだろうって考えたらスナックだ!と思って2年前に始めました。

宇賀:どうして木曜日のその4時間っていうことに決めたんですか?

木下:木曜日に決めたのは特に意図はなくて。お店を借りてるんです。バーって夜開いてるじゃないですか。どうせ払う家賃の額は一緒だし、だったら昼間使わせてもらおうと思って。

宇賀:そもそもどうして人材育成みたいなことをしようと思ったんですか?

木下:私今年51歳になるんですけど、私達が社会人になった頃って一つの会社に入ってそこでずっと定年まで働くっていうのが当たり前の世代だった。けど今はそうじゃないじゃないですか。価値観がすごく変わってきていて、自分も含めて私達の世代がその価値観とか世の中の変化になかなか追いつけてない。そこをもっとチアアップしたいなと思って、それをやれるのはスナックのママ的な存在じゃないかということで、本業にも近いことをやらせていただいてます。


<人と人との垣根を低くするスナックのカウンター>
浜田:今、人生100年時代と言われてみんな定年じゃ終わらないわけですよ。そうすると50歳とかになってから第二の人生、もっと働かなきゃいけない、でも何したらいいかわからないっていう、キャリアの迷う子羊のようなおじ様達がすごく増えていて。それは40代50代なんですけど、でもなかなかその世代のおじ達は本音が言えないんです。会社の企業研修とかでも、自分の弱みをなかなか見せられない。そこで多分スナックを使ってやろうと思ったんじゃないかと思うんですけどどうですか?

木下:最初始めた時はぶっちゃけそこまで考えてませんでした。もっと私たちの世代の他の人たちが何考えてるんだろうっていうことを単純に知りたくて、ある意味マーケットリサーチで的な意味でやってみたんですけど、やってみたら意外にこういう場じゃないと本音で話せないっていうふうに言われる。それは男性だけじゃなくて女性もなんですけども。

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浜田:男女限らずいらっしゃる。年齢的には40代50代?

木下:最初はそうだったんですが、最近は例えば育児休暇を取ってる女性の30代の方とかも実は本音で話す場所がないって言って。あとお家だとやっぱりお子さんと2人だけしかいないから、なかなか自分の気持ちを吐き出す場所がないからって、すごいいろんな世代の方が。先週は生後2ヶ月の赤ちゃんを連れた方がいらっしゃったりとか。

浜田:基本はキャリアとか人生の悩みを紫乃ママに相談に来るんですか?

木下:っていう感じで来るんですが、私もいっぱいいるとそんな全員の話聞いてなくて、結局隣の人たち同士で知り合ってお話を聞いて、それで皆さんすっきりして帰るみたいな。

浜田:カウンターの魔力があって、カウンターを挟むと本音が言いやすいっていう。

宇賀:何か印象的だったお客様とかいらっしゃいます?今まで。

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木下:もう既にのべ1000人ぐらいいらっしゃってて。

宇賀:えーそんなに!?そもそも何人座れるんですか?

木下:ぎゅうぎゅうに入ると12〜13人ですね。でも混んでる時は後ろに座ってもらって、ラーメン屋さんみたいにはい!入れ替え!みたいな感じで。やっぱりカウンターの前にみなさん座っていただきたいので。本当にいろんな方がいらっしゃいますよ。

ある方はもう来たとたんに泣き出しちゃって。ご自身の息子さんがちょっと病気でって言って、でも誰にもその吐き出し先がなかったんで言って本当に号泣されて、その後すっきりして帰られる方とか。実はたまたま先週もある方がいらっしゃって、元プロレスラー兼会社員だった方なんですけど。その方と隣同士に座ってた人達が友達になって、その後また別のところで会って、一緒に会社を作るとかそういう話になっているっていうのを聞いて、頑張ってくださいって感じで。

浜田:なんでそんなスナックは人と人との垣根が低くなるんですか?

木下:なんでしょうね?やっぱりカウンター挟むと、誰がどんな会社だろうと関係ないし、平等に扱うんですよね。そういう意味ではどこの社長だろうと、どこのお偉いさんだろうと関係ないので、「ここはフラットなんだ」っていう風に暗黙のルールみたいなものができるのかなと思ったり。

浜田:会社の中の立場とかも捨てて、仲良くなれる。


<スナックのママを育成したい?>
宇賀:今後どんな展開にして行きたいってのはあるんですか?

木下:今考えてるのは、やっぱりこういうフラットに話せる場がもっと増えるといいなと思っていて、こういう昼スナを回すママをもっと育てたいって最近思い始めて。

宇賀:ママを育てたい?

浜田:ママ育成講座!

木下:そう!やろうと思っているんです、来年から。実はやりたいって人がすごい多いんですよ。多分10人中8人ぐらいは1回はやってみたいって思ってると思う。今、副業とか兼業とかってブームじゃないですか。そのひとつのあり方としてね、昼スナのママってちょっとアリじゃないですかね?

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宇賀:確かに昼しか働けない方もいますからね。

木下:夜はやっぱり色々大変じゃないですか。明日のお仕事もあるし、本業に触るかもしれないし。でも週に1日ぐらいだったらそういうのもできるんじゃないかな。

宇賀:全国にママって何人いるんですかね?

浜田:スナックってコンビニの数より多いんですよ。5万以上。だからママはそれだけいるってことですよね。

木下:ちょっと意識高いこと言うと、そういう場づくりっていうのがやっぱりこれからすごい大事だと思ってて。スナックのママっていわゆるコミュニティマネージャーだと思うんですよ。だからそういうことができる人が増えていけば、すごくみんな本音で話せる場所がどんどん広がっていくんじゃないかなと思ってるんです。

浜田:スナックのママってすごいなって思ったのが、いろんな人に全部合わせなきゃいけないでしょ。だからすごいコミュニケーション能力が高い人が多いですよね。

木下:まさに広く浅く、私の会社の名前じゃないですけど、引き出しをたくさん持っとかないと。深く掘り下げそうになったらも隣の人に振っちゃえばいいと思うんですけども、とっかかりは作ってあげた方がいいと思いますね。

宇賀:あと忙しい時、もうてんやわんやになってるの見てればわかるじゃないですか。だからちょっとお皿下げるの手伝おうとか、みんな協力し始めますよね。

浜田:コミュニティですね。

宇賀:普通のお店入ってなかなかお皿出てこなかったら、ちょっとイライラしちゃうけど、ママが目の前ですごく忙しそうだと「いいよいいよ」ってみんな言うっていう。

浜田:ちょっと家族っぽい感じですよね。

宇賀:距離が近い。面白いですよね。

<ついに会社の中に進出?スナックママが出張!>
浜田:だからやっぱりこれから会社にスナックがある時代なんです。だって今度行くんですよね?別の会社、ある某会社に。

木下:某社で。超大企業です。

浜田:出張スナック。

木下:どうなることやら。やっぱり日本の大企業の場合ハードルはすごいあるんですよ。

浜田:ベンチャーだったらわかりますよ。私名前聞いたんですけど、ええ?っていうぐらい固い日本の大企業で出張スナック。すごいです。この大企業が変わっていく感じ。

木下:やっぱり大企業って縦割りじゃないですか、それを何とか繋いでみたいと。ワークショップとかだと、どうしてもみんなやらされてる感だったり、そういうのが好きな人しか来なくて。もっとフラットに繋げられればって考えたときにスナックだと、それで相談に来てくださったんですよ。

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宇賀:企業もやっぱり困ってるわけですよね。

浜田:コミュニケーションがうまく取れないとか、上司と部下の間でギクシャクしてるとかっていう悩みがあって、繰り返しやってるけどうまくいかない。そういう時にスナックっていう装置を入れたら、もしかしたらうまくいくかも。しかもお酒も飲めるんですか?

木下:お酒も飲めるようにしてもらいました。それが一番大変だった。懇親会とかだとありなんだけど、そんな公にスナックってうちの会社で?、みたいなのはどうしてもあって。すごくいろいろ考えていただいて、ああでもないこうでもないって会議を。

浜田:よく実現まで行きましたね。中には若手が入るんですか?

木下:初回と2回目までは私と若い人が入るんですけど、もうすでにママをやりたい候補がその会社の中でも出てきてるんです。なのでそれ以降は多分その方たちがやってくださるんだと思います。

浜田:1回きりで終わらない感じですね。

木下:続けていきたいみたい。私もそこに行けばいい場所があるっていうふうにみんなに覚えてもらえるぐらいまでは続けていた方がいいっていう話をしたので、じゃあやりますっていうふうにおっしゃっていましたね。

宇賀:ちょっとスナックの可能性をいろいろ感じましたね、今後。まずは週1回、月1回からでもいいかもしれない。昼スナをまずチャレンジしてみるのもいいかもしれないですね。ということでこの時間は麻布十番の昼スナック、「スナックひきだし」の紫乃ママこと株式会社HIKIDASHI 代表取締役木下紫乃さんをお迎えしました、ありがとうございました。

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「スナックなつみ」の公開収録、次回に続きます。

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