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SNSで注目のめがねシャチョウ!なぜ社長がSNSに力を入れるのか? 2020/05/06 #テンカイズ

日本の伝統的なものづくりと、そこから生まれた製品をたくさんの人々に届けようという動き。今まで数々のスタートアップが、テクノロジーの力で実現しようとしてきた分野です。今夜注目するのはズバリ「メガネ」。確かなものをより多くのユーザーへ……若きリーダーの挑戦に迫ります。

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MCは宇賀なつみさん、プレゼンターはNewsPicks野村高文さん。
収録の様子は【番組公式YouTubeチャンネル】でご覧いただけます。

宇賀:今日のゲストは「めがねシャチョウ」こと、オーマイグラス株式会社、代表取締役社長の清川忠康さんです!

清川:こんにちは、清川です。よろしくお願いいたします。
(リモートでのご出演でした)

宇賀:めがねシャチョウって呼ばれてるんですね?清川さんは。

清川:一般的にはそうですね。

野村:実はめがねシャチョウというTwitterアカウントが大人気で、昔から清川さんの投稿を拝見してました。

宇賀:まずはこのオーマイグラスという会社は、どんなサービスを展開してるのか教えていただけますか?

清川:メガネ、サングラスってネットで買いづらいと思うんですけど、うちはそれらを扱った通信販売のサイトをしています。

宇賀:何でメガネに目をつけたんですか?

清川:元々私が会社作る前から30本ぐらいメガネ持ってて、今メガネってファッションになってきてると思うんですよね。その中で僕が好きだったメイドインジャパンのメガネを集めたんですけど、福井県鯖江市で日本製のメガネの95%以上が作られてるって知ったんですよ。ただやっぱり最近安いメガネが増えてきて、職人さんも困ってるっていうのを聞いたんで、自分の好きな日本製のメガネを新しいインターネットとか、そういうところで販売できればいいなと思って始めました。

野村:インターネットでメガネって結構買いづらいですよね。

宇賀:私まだ服とか靴とかもネットで買うのに抵抗があるんですよね。実際に試してから買いたいっていう気持ちがあったりして。

野村:似合うかどうかとか、サイズが合うかどうかっていうのはありますよね。

宇賀:着心地とかね。でもメガネってなると、そのもう一歩ランクが高いと言うか、ハードルが高いような気がするんですけど。

清川:そうですね。うちの場合だと、5本5日間、ご自宅で試着できるサービスをしてたりとか。あとは実際にお店も持ってるんですよ。日本で6箇所お店やってて、そこでその受け取り、試着したメガネのアフターケアであったりとか検眼とかもできるようにして、足りないところは店舗とかあと試着サービスとかで補填しながら売ってますね。

宇賀:そうなんですね。じゃあ本当にただただメガネが好きだっていうことで始められて、全く縁もゆかりもない福井県の鯖江市に行くわけですよね?

清川:そうです。最初いきなり電話したり、いきなりもアポ取って行ったりとかですね。

宇賀:どうでした?大変じゃなかったですか?やっぱり職人さんって昔気質な感じがするから。

清川:そうなんですよね。アポイントメントを入れてもらえなかったり、他の取引先からネット販売するようなとこと付き合うなとか、圧力まではいかないけど言われていたりして。なかなか職人さんもネット販売には踏み切れずにいましたね。

宇賀:そこをどうやって説得していったんですか?

清川:最初は鯖江の市長さんが話聞いてくれて仲の良い職人さんを紹介していただいたりとか、メガネ業界以外の方から紹介して頂いて仲良くなった人が最初ちょこちょこ取引してくれて。そこから業績が良くなってきて、メガネが実際ネットで売れ始めて、口コミで広がって紹介、紹介で取引先が増えていった感じですね。

野村:じゃあ結構行政を巻き込んでやられてるんですね。

清川:紹介してもらったんですよね。全然取引できなくって困ってたんで。最初、通販サイト作ってるじゃないですか。作ってるんだけど、物がないみたいな。売るもの全然ないから、商売始められない状態だったんですね。そこをなんとか交渉して集めてきた感じです。

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<起業家を続出しているスタンフォード大、MBA卒>

野村:なるほど。元々起業される前に留学されていたんですよね?しかもスタンフォードのMBA。世界中から才能が集まってくる場所だと思うんですけど、そこではどういう経験をされたんですか?

清川:僕、元々別に起業しようと思ってなかったんですよ。留学して、スタンフォードって皆さんが話で聞くよりも、さらに起業家養成というか起業!起業!起業!ってみんな毎日言ってるような環境なんですよね。ちょうど2011年6月に僕卒業なんですけど、1月から3月に取ってた有名な授業があるんですよ。それが、Googleの元社長のエリック・シュミットさんが教えてる、アントレプレナーシップ、起業の授業なんですよね。結構有名な授業で、僕は抽選で当たったんですよ。

野村:もう抽選じゃないと入れないくらい人気なんですね。

清川:偶然当たって入ったその授業の課題で、このメガネ通販のビジネスプランを書いたのが実はきっかけなんですよ。

野村:へぇー!面白い!やっぱり金融機関にお勤めの頃とその後がコンサルタントだったと思うんですけど、その時とやっぱり環境は違ったんですか?

清川:そうですね。スタンフォードに行って感じたのは、400人のうち150人ぐらいの人は自分が今まで見たことがないような完全主義者というか、英語で言うとパーフェクトヒューマンって言うんですかね?勉強も完璧にできるし、性格もいいし、課外活動もできるし。そういう人ってあんまり会ったことなかったんですよ、それまで日本にいた時って。そういう人に会ってすごい刺激を受けましたね。

野村:パーフェクトヒューマンを目の当たりにしたら、おそらく嫉妬するって言うよりも素直にすごいなっていうような気持ちになりますよね。

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清川:割と勉強だけできるとか、一つの物に秀でている人っていうのはいっぱい見てきたんですけど、全てに秀でている、人柄も良い、性格も最高みたいな。でも日本だと、2011年当時だと同じようにMBA出てすぐ起業した人はほとんどいなかったですし、競争っていう観点だと、逆にその一歩踏み出しさえすれば、チャンスが溢れてる国なんじゃないかなって思いましたね。

野村:周りがいない分だけ。

清川:みんなあんまりやらないので、日本だと。


<SNSを超活用、その意図は?>

野村:清川さん、noteにこれからコロナを受けて眼鏡業界がどうなるかっていうのを書かれていたと思うんですけど、フレームじゃなくてレンズの時代が来るっていうふうにおっしゃってましたよね?それの真意を伺ってもいいですか?

清川:メガネってこの10年間でファッションアイテムになってきたと思うんです。ただ最近友だちと話してて面白いなと思ったのが、ファッション好きな人が今インテリアにお金を使うようになってるんですよね、家にいるんで。それと一緒で良いメガネをかけて外でより良い自分を見せるために投資するというところから、単純に機能的に良いレンズを選ぶようになる。あと画面を見ることも多くなるので、機能的に疲れないようにするものであったりとかそういうふうに戻っていくと思うんですよね。そうなってくるとやっぱり掛け心地もいいメガネであったりとか、あとレンズの機能性。最近だとウイルスを防いでくれるようなレンズであったりとか、そっちの方にお金をかけるようになりますよね。

宇賀:とにかく外に出ないから自分が見られることがない。じゃあ自分の見えてるところを綺麗におしゃれにしたいと思いますよね。まずね。

清川:あと、メガネ女子が増えてますね、最近。今まで女性の方でコンタクトレンズが多かったんですよ。鼻パットで化粧の跡がつくとか、割と禁止されてる業種もあるので多かったんですけど、やっぱり家にいるとコンタクトをあんまり付けなくなりますし。あとZOOMだと逆に、家で化粧してない時とか化粧薄い時にメガネかけてるとある程度よく見せたりできるんで、女性の方でメガネかける人もすごい増えてきているなって思いますね。

宇賀:私の友達にもいました。リモートでの会議でお化粧するのが面倒だからメガネかけてるって。メガネかけてるとちゃんとしてる感じに見えるから。

野村:結構ライフハックですね。

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宇賀:あと私もさっきお洋服ネットで買うのちょっと抵抗あるって言ったんですけど、今全部お店閉まってるじゃないですか。もう本当に服欲しいと思ったらネットで買うしかないんですよ。だから最近買い始めて、そうしたら意外と便利だなっていう。気が付き始めてる。「あれ?ネットでメガネ買えるんだ!いいじゃん!」って、みんな気づき始めるタイミングですよね。ここ多分。

清川:だからやっぱり新規のお客様はネット経由の注文はすごい増えていて、足元でも2倍ぐらい上がってますね。

野村:そこは追い風が吹いているんですね。最後にちょっと伺いたいんですけど、清川さん、ソーシャルメディアの活動をめちゃめちゃ活発にやられているじゃないですか。TwitterもYouTubeもすごく面白く拝見してますけど、あれはどういう意図があってやられているんですか?

清川:元々は、オーマイグラスでメガネ買ってくださってる方っていうのは、こういうのを探してるっていう目的を決めて買ってくださる方がほとんどだったんですよね。ただやっぱりもう少し裾野を広げて行きたいなと思って、メガネってやっぱり1年か2年に一回しか買わないんですよね。となるとやっぱり2年後に買うメガネの宣伝をされても忘れちゃうんですよね。それだったら日々自分のコンテンツというか、話を聞いてくださる方と日々関係性を築いておいて、いざメガネ買う時にそういえばめがねシャチョウのところで買えばいいじゃんと思ってもらえればいいかなって始めたんですよ。

野村:そうなんですね。新製品が出ましたとかそういう情報もちろん大事なんですけど、そうすると必要としている方にしか届かないんで、むしろ清川さんというパーソナリティーを出していった方がいいんじゃないかってことですか?

清川:結局忘れちゃうんですよね。新製品って言っても今メガネ欲しくなかったら買わないので、だから思い出してもらう。買おうと思った時に思い出してもらわなきゃいけないっていうので、割と内容も覚えてもらいやすいように、一般論ではなく遠慮せずに自分が思ってることをはっきり言うようにしてるんですよ。そのほうが覚えてもらいやすいじゃないですか。

野村:清川さんの二つ名が「炎のメガネ起業家」っていうふうに名乗られていて、ブログも拝見すると、頭がいい人と悪い人の行動みたいな割とドキッとするような発信を結構されてるなと思うんですけど、それもやっぱり思ったことをストレートに言うっていうのを信条とされてるんですか?

清川:基本忖度せずに、自分が思ったことを書いてますね。

宇賀:清川さんの、今後の目標というのは何ですか?

清川:コロナで止まっちゃってるとこもあるんですけど、今やっと海外で10カ国ぐらいうちのブランドを販売してるんですよね。そこをやっぱり、日本ではそこそこ認知も出てきたんで、海外で有名なブランドにしていきたいっていうのはありますね。

宇賀:SNSの最初のプロフィールのところ「打倒レイバン レイバン倒すぜ!」って書いてありますもんね。

野村:確かに。ライバルが強大な。

宇賀:いいですね。夢は大きく。でも本当に倒しているかもしれないですね!楽しみにしております。ということで今夜のゲストはオーマイグラス株式会社代表取締役、清川忠康さんでした。ありがとうございました。

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