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番組初のピッチイベント「テンカイズラジオピッチ」栄冠は誰の手に?! #テンカイズ 2020/03/25

3月18日に、TBSで行われたイベント「テンカイズラジオピッチ」の模様をお届けします。(コロナの影響で無観客にて実施)
ピッチとは…ベンチャー企業などが数分間の短い時間で、自社の製品やサービスを投資家などにプレゼンするイベント。番組プレゼンターとしておなじみの浜田敬子さん、三浦崇宏さん、野村高文さんの3名の他、投資家の方にも加わっていただいて審査が行われました。

ラジオピッチではご応募いただいた35社の中から最終的に4名の方が登壇し、それぞれ魅力的な事業計画をピッチしてくださいました!

<一人目は、猫の生活をテクノロジーで見守る「Catlog」伊豫愉芸子さん>

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伊豫:LABOの伊豫です。「Catlog」は、猫様専用首輪型のウェアラブルデバイスです。猫様の活動データをリアルタイムに収集。これを独自に解析し、走る、食べるといった猫様の様子を判定。飼い主さんのスマートフォンに表示します。「Catlog」は、猫様と一秒でも長く、一緒にいたいという願いを実現できないかと生まれました。

猫様を留守番させている飼い主は81%。外出中心配で気を揉んでいます。
しかし、留守番対策はできていません。カメラを設置する方法もありますが、死角が多く動き回る猫様はあまり動き回りません。また猫様に異常があったとしてもカメラも知らせてくれません。
人が見ることのできない猫様の時間はかなり多いです。

しかし遥か遠方の動物の行動を見ることができる科学があります。
それはバイオロギングです。クジラやイルカペンギンといった海洋動物を中心に動物の体に小型のセンサーを装着し、はるか遠方の観察できない動物の行動を見えるようにする研究手法です。
   
私は大学院までバイオロギング研究を専攻していました。大学院修了後はリクルートに入社。約10年プロダクト開発と新規事業開発を経験。
また猫様とは20年以上一緒に暮らしており、現在は3歳のブリ丸と1歳のおでんちゃんと暮らしています。

ではサービスの具体的な説明をします。「Catlog」ではバイオロギング技術を応用し、機械学習を用いてご飯を食べる走る歩くなど猫様の行動を解析します。24時間365日そして猫様の一生を見守り記録します。

「Catlog」はペンダント、ホーム、アプリで構成されています。
ペンダントに内蔵された加速度センサーで猫様の行動ロゴを取得。
ホームはwi-fiと接続し、ペンダントからデータを受け取りサーバーへ転送。
アプリで飼い主さんは猫様の行動を見ることができます。

毎日の行動はグラフによって可視化され、運動量に変化がないかご飯を食べる回数に変化がないか推移を確認できます。そして、これらすべて登録した複数のユーザーや獣医師さんと一緒に見ることができるのです。猫様の異常を検知したら獣医師さん、警備会社などに緊急アラートでお知らせし助けに行ってもらうような連携も進めていきます。

デバイスはセットで14800円。アプリは無料もありますが月額380円、580円のプランを設けています。去年の9月24日にローンチしました。 
ローンチ後、「Catlog」を使い始めた方がSNSに自主的に投稿され、一気にバズり、結果、広告なしの状態で販売開始より1.5週で約4ヶ月分の販売計画を達成しています。現在お使いいただいてる猫様は1200ユニークキャットを超え、アプリアクセス率は7日間で90%。30日78%と驚異的な高さです。

昨年エンジェル投資家より数千万。今年1月にVCより約1億円資金調達をしました。今後は、ペット保険シェアトップのアニコムさんとすでに共同研究を開始します。疾病予測など予防医療に貢献していきます。蓄積した猫様データは様々な事業への展開が可能です。また猫様の行動は、万国共通なので早期にグローバル展開する予定です。

最後に事業規模です。日本のペットで一番数が多いのは猫様です。
世界でもダントツ数が多いペットは猫様。
国内ペット市場は1.6兆円を達し、猫様市場規模は年々成長し7000億円を超えています。

世界中の猫様と買い主が一秒でも長く一緒にいられるように猫様の生活をテクノロジーで見守ります。「Catlog」でした。ありがとうございました。

宇賀:ありがとうございました。質問へと移ります。

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三浦:犬とか他の動物への展開は現時点、どう考えていらっしゃるんですか?

伊豫:ペット、愛玩動物に関しては猫様一本でグローバルに向けて広げていきたいと思ってます。
猫様と犬は全く生物学的にも全く違います。きちんと猫様に特化したプロダクトを作るということが猫様、飼い主さんにとっても良いという判断をしてるからです。

野村:猫様の理由はなんですか?

伊豫:これは私たち猫様飼われ主の共通の認識でして、飼われています。
私たちとしては下僕であって、猫様の方が上で犬の飼い主さんとかは自分がオーナーと意識があるので、一緒に暮らさせて頂いて生かされているという感覚です。

宇賀:ということでお時間となりました、伊豫さんありがとうございました。2人目の方お願いします。


<介護士向けの単発バイトシステム「Terasul」の照屋和紀さん>

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照屋:Giver株式会社の照屋と申します。私は「医療と介護をいつでもどこでも誰にでも」というミッションで「Terasul」というサービスを開発しております。
サービスを開発するに至ったきっかけは、元々兄が生まれつき障害を持っていて、母子家庭でずっと私が介護をやっていたのですが、兄が、病気になってしまいました。病院での長期入院生活を余儀なくされて、その時身をもって本当の介護士不足っていうのを体感しました。僕は、新卒で介護領域の人材事業をやっていたので、課題感は見えていたんです。その問題を解決しようと起業にいたりました。

介護業界が抱える課題についてです。
大きく3つあります。人手不足と潜在介護士の増加と離職率の上昇です。

まず人材不足です。
今の時点で20万人介護士が足りていないんです。
2025年に人口の1/3が65歳以上になる2025年問題を迎えますが、その時にもう38万人足りなくなるというような状況です。

次に、潜在介護士についてです。これは資格を持ってるけど働いていない介護士という意味です。家庭との両立で、中長期働けなかったり、労働環境が合わなかったり、辛かったりで、半年で約4割やめる状況です。

その課題を解決しようと思って私は介護領域特化のワークシェアのプラットフォームを開発しております。

事業モデルはすごくシンプル。我々が提供するプラットフォームに医療機関や介護事業所を登録して頂きます。それに対してワーカーが登録して求人があればマッチングし、マネタイズするというような仕組みをとっております。

サービスの特徴としては履歴書不要スマホ完結総合評価システムというところです。介護業界は、一人の人手不足が命に関わり緊急性が高くなるのに、すぐに人材を確保できない課題があります。

また派遣会社の求人というのは基本的に非公開なので、
働き手も不安感があるような状況です。
これを全てWeb上で公開し解決するということをメリットとしております。

次に料金です。基本的な登録、掲載は無料で、働いた日当に対して30%を手数料でい頂く形にしております。大きく派遣との違いは、1日単位の契約で料金は20%ぐらい安く1日で契約が済むというところです。
非常に柔軟性があって安全にすぐに採用できるような仕組みです。

人手不足を補うだけじゃなくて周辺業務のアウトソーシングや、潜在転職層へのアプローチにも利用できます。ミスマッチのない採用や転職ができるようなサービスです。ワークシェアリングの市場の規模は今の時点で大体69億ぐらいあります。人手不足に伴ってどんどん伸び続けます。

今後は、ワークシェアリングの仕組みの総合評価を使い、ミスマッチが起きている原因の一次情報でわからないものを全部可視化し、新しく定着率の高い採用に繋げるような転職プラットフォームを作っていきます。こちらについては再来月5月にリリース予定です。

以上になります。

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宇賀:それでは質問に移りたいと思います。

窪田(TBS):医療領域は参入障壁が高い印象ですが、そのあたりはどうですか?
   
照屋:やはり人材を確保する上での安全性というところが一番大きな支障になります。こちらに対してはサービス上のメリットとして、
従来の人材派遣は法律上選定行為が禁止されているので、案内されても介護施設は誰が来るか分からず、質の担保も不安定です。
   
しかし、我々のサービスは、Web上で雇用契約を締結するので事前に働く人の候補者の情報が閲覧できますし、複数応募があった場合に選ぶことができます。

宇賀:お時間過ぎました。照屋さんありがとうございました。
それでは、3人目に移ります。


<ファンの行動を可視化して証明する電子トレカサービス「オリカル」梅澤優太さん>

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梅澤:こんにちは、ventusの梅澤と申します。
みなさん国民的スターと言ってどんな方が思い浮かべられるでしょうか?
今国民的スターってよく考えると2020年にあんまりいないんですね。
なぜかと言うと、色々なデバイスとテクノロジーから多くの人が展開されているので、多様化しているからですよね。また応援したい距離も縮まり、好きな応援したい人がすごく大事な存在になる人もいる。

それを何とかして可視化してみんなに見せられないかなというのが、
「オリカル」という電子トレカサービスです。

仕組みは、ライブに行ったり、グッズ買ったりとか、試合を見に行ったら、一対一でトレカを付与していきます。このトレカを持つ事がそのライブに行ったりとか、グッズ買ったとか証明になります。その上でいわゆる”ガチャ”の形式でトレカを販売していくんですが、我々のこのトレカは既存のゲームのものとはまた一線を画してると思っています。

なぜかと言うと、デジタルなので、例えば声優さんだったら喋るよとか
野球選手だったら動くよなど、その他様々な仕掛けを用意してるんです。
デジタルコンテンツとしてのトレカを用意しています。

さらに例えば他のユーザーとトレードが簡単にできたり、イベント参加券としてトレカを使うことも応用できるんです。さらにいわゆるゲーミフィケーションと言われるミッション、称号だとか、ランキングもあります。
   
故に僕たちは一見するとソーシャルゲーム、カードゲームのように見えるのですが、僕達がやりたいのはファンビジネスで、ファンソリューションツールです。リアルのファン活動がトレカがあることによって可視化でき、証明できる。そしてこの中で魅力的なデジタルコンテンツとしてトレカがちゃんと機能していくとファンコミュニティが生まれていきます。

リアルとデジタルとリアルってものをつなぐようなそんなサービスにしたいなっていうふうに思っています。チームメンバーが若く、一番トレンドが分かっているという自負があるので、しっかりとファンに寄り添ったサービスを作っていければいいなと思っています。


宇賀:それでは質問に移っていきます。

三浦:二つお伺いしたいんですけど、一つは、アイドルやスポーツが自身は好きなんですか。もう一つは、事務所への関係はどうしていくんだろうと。

梅澤:一つ目に関しては、僕は本当にエンタメに人生が救われてきた人です。別に競い合うだけだけじゃなくて、好きを共有できる世界観が作りたいなってのがきっかけです。
もう一つは、事務所に関しては公式のトレカで出すので、彼らのコンテンツとして出します。プロ野球のチームもこのサービスを出すんです。
「オリカル」っていう名前じゃなくて、なんとかなんとか公式トレーディングカードサービスとして出します。オリカルは、裏側の仕組みとして出てくるような感じです。

宇賀:他に、三上さんお願いします。

三上:多様性を賞賛する文化が作れるといいですね。目論見の市場規模感とかどの分野から攻めたいとかあったら教えてください。

梅澤:パッと相性がいいのは、スポーツ。もともとトレカという文化があるので。あとは同じくいわゆるアイドルとか声優とかはチェキとかの文化があり、実際ライブの会場とかでトレードが行われたりとかするので、そういう意味でも相性がいいかなと思ってます。

三上:すでにお話しされてるとこってあるんですか?

梅澤:はい。スポーツチームは結構多く話しています。

三上:引き合いどんな感じですか?感想とか。

梅澤:Jリーグのチームとかはもうほぼ全部やりたいよねって話はあります。

宇賀:ありがとうございました。最後に4人目に移ります。


<フリーランス向け報酬即日払いサービス「先払い」阪井優さん>

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阪井:今私はフリーランス向けの即日払いサービス「先払い」というサービスをやっております。フリーランスの方の今困ってるところを助けたいっていうミッションです。

今フリーランスは、収入の不安定さや、社会的な信用を得るのが難しいという、そういった課題があります。

実際に我々が解決してる課題は、請求書の支払いですね。日本の商習慣は支払いがすごく遅いんです。実際、請求書のデータなんですけど、10月に請求した請求書は、入金が12月の末で、実際報酬を受け取るまでに60日ぐらいかかることが今、日本の現状になっています。

そこで、我々側の作ったサービス「先払い」というサービスは、実際、我々請求書を登録すると60日かかっていたものが最短で当日のお昼3時に振り込むというというものです。請求書をアップロードすることで我々で与信を取って、お金を審査時間が最短60分で受け取れるというようなサービスをやってます。

今β版を出してだいたい4ヶ月2億ちょっとぐらいで、3億弱ぐらいですね。私も当初全くこれぐらい反響があるのを予定していなかったので、ちょっと今お金が全くないという危機的な状況に陥っています。

今何かを欲しいって言う、ここの”今”に注目をし、フリーランスが今お金を受け取れることで、10倍20倍すごく仕事を増やしていけるようなサービスに今後していきたいなと思います。

宇賀:ありがとうございました。では質問に移らせていただきたいんですが。

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野村:これはフリーランスの方が利用した場合は手数料を抜くってことですよね?まずはそれがどれくらいで、早く払ってほしいフリーランスの方っていうのが潜在的にどれくらいいるかを教えてほしいです。
また、結構悪意を持つってわけじゃないんですけど、
その気になったら架空のものとかっていうのを抜けてしまうんじゃないかなという感じがしています。例えばそれで最大いくらまでっていうふうに縛りを設けているとか、その辺のリスクコントロールを教えて欲しいです。

阪井:お手数料については今は、一律10%で回しております。
リスクのところに与は、信のところにも関わってくるのですが、
不正データ、詐欺データってのはかなり膨大にデータをパターン化しているものを持っています。
そこで一定のリスクやなりすましのパターン化は決まっているので、そこでかなりを弾いています。あとは不正のリスクがあった場合には、今裏側に保険をつけているので、そこでリスクヘッジする形でやってます。

野村:上限は決まってるんですか?

阪井:初回が20万という形になってます。

野村:わかりました。ありがとうございます。

宇賀:ということでお時間になりました。阪井さんありがとうございました。この後のエンディングでナンバーワン最優秀賞に選ばれた方の授賞式の模様をお届けします。

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宇賀:それではいよいよ「ラジオピッチ」最優秀賞の発表です。
発表は審査員を代表して、日本マイクロソフト株式会社 三上智子さんお願いいたします。それでは発表いたします。最優秀賞は…

三上:「Catlog」さんです!

宇賀:おめでとうございます!

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宇賀:ということでまず三上さんから受賞理由をお願い致します。

三上:「Catlog」さんは、ビジネスの市場性がある程度製品にできている事ですよね。
製品ができ、ある程度ユーザー数がいて、日本だけじゃなくて世界にも展開できそうだなと。また、すべての専門性を持ったチームが動物行動学とかその辺のチームがちゃんと揃ってる。そういったところから今回決めさせていただきました。

宇賀:はい。それでは伊豫さん前にお願い致します。おめでとうございます。伊豫さん今のお気持ちを伺ってよろしいですか?

伊豫:びっくりしています。猫様の愛をですね、皆さんに感じて頂いたことが一番の理由かなと。ここからまた、粛々と進めていければと思います。ありがとうございます。

宇賀:ということでラジオピッチ第1回最優秀賞は、
猫の生活をテクノロジーで見守る「Catlog」伊豫愉芸子さんが受賞しました。おめでとうございます。ありがとうございました!

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