昭和住宅展示場に行ってきました!入口施策分析!
先日、ちょっとした予定があって山梨に行ってきました。
たまたまGoogleマップで検索してみると、ホテルから最寄りの住宅展示場が車で5分!
これは最近住宅展示場が恋しい私としては見に行きたーい!ということで、朝イチで会場内を見学してきました。
圏内最大規模の住宅展示場ということで、複数出展されている会社もありました!
面白かったのは、この会場に入っていない建築会社が、道路はさんだ反対側に単独で展示場をつくっていること。
高額な出展料が必要な総合住宅展示場と比べると、単独で展示場をつくるのは、総合住宅展示場の集客力をうまく拝借できる手段なんでしょうね!
最初に目に入ったのはセキスイハイムさん。
前回見学の幕張でもプッシュしていましたが、今セキスイハイムさんは「全国鉄骨NO1」推しですね。
これはまさかの、県内「自社」NO1の看板が立っていました。
冷静に考えれば、ほかの展示場との営業戦力の違いもわからないし、このNO1がお客様のためになることなのかというときわめて疑問です。
でも、目に入ってしまいますよね。
映画のCMでも、ランキング1位、興行収入1位など、景気の良い文言が並んでいても、画面下の小さい注意書きを読むと、ニッチなジャンルだったり、期間が限定されていたりします。
そこまでしても、NO1という文字面は、人の目をひくので、有効なのでしょう。
積水ハウスさんは、玄関回りがいたってシンプルに、分譲地情報のみになっていました。
あまりイーゼルや黒板を出さないことで、モデルハウス自体が上品な印象になっている反面、すこし入るのに緊張感があるような面構えになっていました。
高額層狙いでやっているのだとすれば、さすが積水ハウスさん!というところでしょうか。
ミサワホームさんは分譲+プレゼントというシンプルな構成。
これは都内でしか営業してこなかった私にはなかなか驚きで、この昭和住宅公園内は表に分譲情報を押し出しているメーカーがとても多かったです。
どこも「いい土地を抑えたもん勝ち」という印象でした。
これは前回も私が気になったウィザースホームさんの「スポーツと暮らす家」という商品。
健康を意識したり、家でも体を動かしたいと思っているご家族にとっては、間違いなく目が留まってしまいますよね。
総合展示場NO1を狙うようなメーカーでなければ、こうやってニッチに刺さる商品があるというのは、ニーズ喚起もできるし、素敵だと思います。
ここでも、「20代で叶える家づくり」という看板で、ターゲットを限定しています。
「スポーツと暮らす家」という特徴や、高額ハウスメーカーとの差別化を考えて、20代にターゲットを絞って、得意な分野で勝負ができるように、入り口から顧客の動線をつくっています。
これはとても有効で、私も住宅展示場で接客していた時代に、表が「土地情報」を前面に押し出して、土地から家づくりを考えている層を呼び込んでいたところから、「建て替え・二世帯・賃貸」を前面に押し出す看板に変えたことで、来場顧客の属性を変えて、単価を上げることに成功しました。
「エリアに合った入口施策」をつくることも大事ですが、「自社のターゲットに合う入口施策」も大切ですので、意識することが必要ですね。
横断幕型でPRをしているのはアエラホームさん。
環境設備機器のアピールは、今は一服感があるのか、あまりどこのハウスメーカーも表でPRしていない印象でした。
そういった中では、この「光熱費ゼロ」という文言は、この会場内では差別化が図れていました。
「会社から送られてきたから」という理由でイーゼルや垂れ幕などの内容を決めるのではなく、裁量権があるのであれば、展示場内を一周してみて、「他社が何をPRしているのか」を見てから、かぶらない内容で攻めるというのはいい手段となりえます。
西甲府住宅さんは、もう徹底的に分譲!分譲!分譲!でした。
これはこれで明確でいいですよね。
何となく、この会社に入れば、たくさん土地情報はありそうなので、そんなに注文住宅にあこがれがない人は、「土地探しに悩まなくてよさそう!」と入っていきやすそうです。
タマホームさんでインパクトがあったのはこちらの横断幕。
「最近新しくなりました!」ということが明確になっていますね。
タマホームさんは、多くのモデルハウスが立ち並ぶメインの土地から道路一本離れているので、メインの土地からでも見てもらえるような大きな文字でPRをしています。
住宅展示場内での人の動線はとても大事で、人が多く通る立地なら、看板に小さな文字でもある程度読んでもらえますが、奥まった立地の場合は、「気付いてもらう」「興味を持ってもらう」必要性があるので、こういった明確なメッセージが必要になります。
大和ハウスさんは、手作りでモデルハウスのみどころをPRしています。
お店に人を呼び込むためには、いかにお客様に「中がわからずこわい」という状態から、「自分たちとこれが相性がよさそうだから見たい」という段階にした方がいいので、有効な看板だなと思いました。
住友林業さんは真っ先に目につくのは平屋!というメッセージでした。
これも、会社としてプッシュしている方向が明確になっているので、わかりやすかったです。
一方で、この2枚の写真に写っている掲示物に関しては、あまり上手ではないなと思いました。
まずは、手前に細かい性能についての資料がイーゼルで掲載されています。
これはアプローチブックやチラシに使われるようなデータをそのまま印刷してイーゼルに入れたのかなーと思いますが、正直、ここで足を止めて、性能の内容まで理解できるまで読み込んでくれるお客様は、そもそも住友林業さんに興味がある人だと思います。
入口施策はあくまで、来場を増やすことが目的だと思うので、ここで立ち止まって性能についての解説を読ませるというのは、かなりマニアックな顧客を狙っているのかな、、、という印象です。
また、玄関そばのイーゼルも、分譲地情報と、プランが掲載されています。
これも、会場内の道路からはどこの土地でいくらなのかなどは全く読めなかったので、すでに来場を決めた人がちらっと一瞥する程度でしかないので、入口施策としては効果が薄いと思いました。
道路から、住友林業さんがちょっと気になる、入ろうか悩んでいる人の目線で見たときに、どう見えるのかという視点で、掲示物を入れ替えたほうがいいんじゃないかなーという印象です。
グローバルハウスさんは素敵。
遠くから見ても、差別化が図れているかわいらしい北欧デザインで、近づいてみても、すっきりとかわいい手書き文字と、1,980万円という安い金額が書いてあります。
「かわいい家が、安く建てられる!」という想像が安易に外からできてしまいます。
ハウスモアさんは、動線の作り方がすばらしい。
この住宅展示場のモデルハウスだけでなく、近場にもまちかどモデルハウスをつくられています。
そうなると、このモデルハウスを見学して気に入ってくれた人は、そのまままちかどモデルハウスへと誘導することができます。
このちょっとした車の移動で、お客様との距離感をつめることができるし、2つもモデルハウスを見てもらうことができれば、自然とファン化ができます。
お客様が「今日はモデルハウスを見よう」と思って用意した時間をたくさんちょうだいすることができれば、それだけライバルを減らすこともできます。
モデルハウスを建築することはできなくても、展示場の近くの建築現場を常に案内可能にしておく、ということができれば、これと同じ効果をつくれるので、非常に有効な戦略です。
桧家住宅さんは、ガレージの中のライフスタイルの演出がかっこいい。
このガレージを見て、ワクワクした人は多いのではないでしょうか。
ここから楽しい週末を送れるライフスタイルが想像しやすいので、「楽しい暮らしができる家づくり」ができるんじゃないか!と期待して、来場してしまうのではないでしょうか。
あとはこの旗。
決してオシャレではないですが、タマホームさん同様、道路向かいの会場なので、目に留まらないといけない中では、非常に有効。
人は揺れるものに対して目を向ける習性がありますので、風船なども有効ですが、ここまでやるととても目立つので、「気付いてもらう」ところからはじめないといけない立地の場合は大事だなと思いました。
積水ハウスさんの2つ目のモデルハウスの表に合ったのはこの土地探しアプリのプレゼント企画。
「長々と営業マンの接客を受けたくない、自分で土地情報を見たい!」と思っている人に、SUUMOやHOMESとはまた別に土地を探せるツールがもらえる!と思ってもらえれば、いいフックになりそうです。
住友林業さんの2つ目のモデルハウスは、すっきりとした感じ。
手前にはなにも飾っていないので、すっきりと高級感を押し出しているイメージ。
これは潔い印象になりますよね。
こちらもグローバルハウスさん。
シンプルに価格帯を明示してくれるので、安心して入れます。
ローコストだからこそできることなので、真似しにくいハウスメーカーも多いと思いますが、だからこそ有効な掲示ですね。
更に、こちらの写真に写っているのは囲炉裏つきのアウトドアリビング。
外から見たときに「なんだろうこれ?」と気になるフックになっているし、週末に家族で過ごすライフスタイルを想像させる提案になっています。
グローバルハウスさんは、2棟とも建物から入口施策まで、入っていきたくなる設えになってしました。
面白かったのはヤマダホームズ。
どれもインパクトのあるイーゼルが並びます。
まず一番左は「今月契約すれば、抽選で1,000万円値引き!その他オプションが当たるかも!」というとてつもない金額の載ったポスター。
こういうキャンペーンって、顧客を惑わせてしまうという負の側面もありますが、踏ん切りがつかないお客様の背中を押してあげるという意味では、大事な要素ではあると思います。
続いて、Twitterでフォロー&リツイートすると、Amazonギフトカードが当たるというもの。
これも、認知を取りにいっていることがよくわかって面白いポスターでした。
3つめが私は一番好きで、「GWにきてくれた人が、またくるという約束をしたら、プレゼントするよ!」というもの。
GWはある程度接客機会が見込めるものの、各社との壮絶な競合争いがある中で、しっかりアポイントがほしいハウスメーカーの営業マンの後押しをしてくれています。
最後はおそらく値引きが景品のビンゴ。
企画をどんどん出しながら、手数で勝負をしている感じが、とても楽しそうでした。
何が当たるかわからない今だからこそ、こうやって全部バラバラのポスターで、検証しているのは素晴らしいと思います。
こちらは一条工務店さん。
日本一を飛び越えて、「世界一」というインパクトあふれる文言を書かれています。
ある程度経済的に豊かで、戦後に家を継ぐ文化がなくなり、地震大国である日本の住宅産業って、業界規模が比較的大きいんだと思います。
なので、日本一と世界一が非常に近いのでしょう。
「日本一」という言葉はインパクトを与えますが、「世界一」なんて表記は、みんな気になってしまいますので、すばらしいです。
まだ早い時間だったのもあるのかもしれませんが、キッズパークはまだ活用されていませんでした。
しかし、これは、子供たちを家の庭で遊ばせておいて、親御様にはしっかりと商談していく形は、営業マンとするとありがたい存在ですね。
最後は望月建業さん。
こちらは自然素材を猛プッシュしています。
どうしても、ハウスメーカーだと細かい仕様まで規定されているという中で、ハウスメーカーでは選べない自然素材を推しているので、差別化要素が明確ですね。
10~15年前の神崎工務店さんの書籍が売れた自然素材ブームの時と比べると、その人気は落ち着いた感じはありますが、それでも「自然素材がいい!」となれば、軒並み競合排除できるので、素晴らしいメッセージでした。
あとは、土曜の10時にも関わらず、セキスイハイムさん、積水ハウスさん、ダイワハウスさん、ハウジング建都さん、一条工務店さんなどは、展示場の前で呼び込みの人員がいました。
半分が若手社員、半分がパートの方という印象でした。
やはり呼び込みの力は大きいので、ある程度の来場者が見込める総合展示場では、まだまだ有効な手段です。
以上、昭和住宅展示場のレポートでした!
住宅営業マンの皆さんが、展示場の準備をするときに役立てば幸いです♪
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大手ハウスメーカーで12年以上営業をし、全国表彰も経験した
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