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無くても問題ない"遊び心"を提案する勇気

ー馬車道駅に降り立つと何処からともなくカモメの声がするー

電車に揺られ揺られてしばらく、
馬車道駅に到着しプラットホームに降り立つと、カモメの鳴き声がする。

そのゆったりとした鳴き声に併せて、
脳のなかで潮風や波のさざめきまで補完されるー

横浜に、来たんだな。
私は自然と口角が上がるのを感じた。


まだ駅から出ていない、
地上がどんなものだか見てもいないのに、
横浜という街が好きになった。

大人が、遊び心をもってして、
大事に育てた街だ。

カモメの鳴き声に、
プラットホームの壁のショコラ色の煉瓦、
海を思わせるデザインのマンホール、
そして広い歩道。

自転車と歩行者がするすると移動できる幅広な歩道と、6車線はある車道の間には街路樹があり木漏れ日が降り注ぐー…

とても心地よい「快」の気持ちに満たされる。
ご機嫌になるとは、このことだ。 

私はマンホールの作り方は分からないけれど、なんとなく製造過程に想いを馳せる。

マンホールを多色刷りのデザインにしようとすると、いままで一色で作れていたものを、相談して交渉して場合によっては追い求める色を調合して貰わないといけないかもしれない。

マンホールの型も、特注品で作らなければいけないんじゃないか?

最初に提案した人が、途中で
「社内からも製造元からも理由を聞かれて(普通のじゃだめなの?)と聞かれて何回も説明する手間があって」
「納期も長くなり費用も上がる」

なんでこんな提案しちゃったんだろ?
と折れずにここまで来て、皆で完成させた、そのチームプレーを街から感じるんだ。

良いものを作るぞ、
そしてちょっと遊び心のあるものを。

そんな気持ちと横浜への愛を感じる。
先人たちの作り上げてきた美しい街を保ち
更に魅力的なものにしたい、という愛だ。

無くても普通に機能するものに
遊び心を加えるということは、
仕事が増えて面倒が増えて、自分や周りの首を絞めることになるし、

途中でモチベーションが下がって「やっぱ普通のにしとけば良かったかも?」という考えが頭をよぎるかもしれない。

それでも、そこを皆で乗り越えた時には、
こうしてただプラットホームに降り立ったひとりの利用者にも、こうして愛(こだわり)はしっかり伝わるんだなぁと思いました。

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補足すると、
みなとみらい線のHPによると、カモメの鳴き声は「目の不自由なお客様に、プラットホーム上の階段の位置をお知らせするため、鳥の鳴き声を模した音声誘導チャイムによりご案内しています。」とのこと。それが第一の目的だったんだなぁ。
私も癒しを貰えたし、これこそ皆のためのユニバーサルデザインなんだなぁと実感しました。

ここまで読んでくださり、
ありがとうございました☺️
素敵な一日になりますように。

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