読書感想文『不動産投資家のリアル・ルール ~拡大していく投資家は「これ」を間違えない』

激務で薄給な上にストレスが多いのに、たんまり税金が取られる勤務医の皆さん、節税したいですよね。バイト(医局によって外勤って言うみたいです)に行くとどうしても複数から給与所得を頂く関係で確定申告が必要になると思いますが確定申告をしていると、あまりに税金が高く


開業医になったら経費がベンツが買えると妄想をしがちだと思いますが世の中そんなに甘くないです。開業するのも邪魔くさいと思う勤務医の一部はじゃあ不動産でもやれば経費を使えるようになると妄想したり、家賃収入で左うちわな生活に憧れる先生もおられると思います。

以前私のクソnote『書評 やってはいけない不動産投資 (朝日新書) Kindle版 藤田 知也』
https://note.com/110119mail/n/n21f481032e0f
でも書いたように不動産投資は医師が片手間にやるには中々難しいです。
正確に言うと、不動産投資もどきをやって、薄く損をするのは簡単ですが、利益を出すのは難しいと思っております。大きく損をする勇猛果敢な勇士は自分が住んでない+知識もない地方の一棟RCを業者に言われるまま購入したりともはや論外だと思います。

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不動産業者は物件を買って貰って3%(両手なら6%)が利益になり管理も任せて貰えるならランニングコストも利益になりますし、銀行も金利分が自分たちの利益になります。それに対して先生は利益の出ない不動産を持つことで先生の財布からお金が出ていきます。つまり勤務医として、夜間当直して3週間前からの高血圧の爺さんを朝5時からみたり、眠れないといって来院する明日働かないでもお金をお国から頂ける貴族様(生活〇護とも言う)に夜間3時にベルソムラを処方して得たお賃金を銀行に上納する儀式です。
それは節税ではなくて持ち出しなのです

前振りは以上で今回久しぶりに不動産投資本を読んだのですが、内容の濃い本で共有させて頂ければと思います。上海摩天楼君氏の著作でTwitter界隈で有名な方ですのでご存知の先生もおられると思います。
読解力がない私がまとめると
表面利回り≒妄想利回りである。
家賃の安いほど経費率が高くなる
家賃の安い物件程、フリーレント率も高く、ADも高い最近流行の築古一戸建て投資も土地の安いエリアでの不動産経営はそれだけでしんどい。

そして私の妄想ですが、家賃の安い物件に住む層は夜間の救急外来に来る層と同じ層で家賃の滞納やその他のクレームも同様だと思ってます。正直、管理を業者に任せるにしても(その分利益は薄くなり)、オーナーであるあなたが対峙しないといけない場面もあると思います。

他にも土地値で買っても含み損を抱えるメカニズムなども掲載されていますし、そもそもポータルサイトの物件の99.5%は検討するにも値しない物件だと論破されておられます。

不動産投資本ですが、きちんと読めば読むほどに不動産投資をやる気がなくなりそうですが、後書きで筆者はそれでも良いと書いておられます。

n=1の個人の体験をドヤ顔で記載している投資本特に不動産投資本が多い中で、きちんとシュミレーションしながら(四則計算レベルです)それほど不動産投資では利益が出ないことを説いている本書は貴重で、この内容すら理解できずに不動産投資をする方は、かぼちゃの場所で騙された方を笑えないと思いますよ。ウィルスと細菌の違いを分からず、ワクチンの議論をしても意味がないのと同じで、ある程度の素養が不動産にも必要と思っております。不動産の教科書的な本は少なくて(宅建の本はありますが、宅建と不動産投資は別物です)、個人が出した合格体験記(通常、こういう物件をまず買って、銀行と交渉し、次はこういう物件ですみないなストーリーの体験記)を教科書として使用している方はまずはこの本を購入した方が良いと思いますよ。

少し昔の本ですが、他に教科書的なものは以下の本も教科書的です。

不動産本に限らず、誰かの体験が書かれた本を読み、そこから何かを学ぶという帰納的アプローチは取っつき易いのですが、それだけではなく演繹的に学ぶことも大切だと思いますよ。





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