アイチャク障害 怖れ回避型 パニック障害 7

小学校の国語で詩を書くという授業があった。
先生が皆の詩をプリントにまとめた。

ママが帰ってくる
僕は屋根裏で透明になる

同級生の男の子の詩がとても気に入った。

本人にもそのことを伝えた。「今日遊ぼうよ。」その子が誘ってくれた。たまたま習い事がなかったわたしはその子のマンションにお邪魔した。

2部屋とロフトがついているおしゃれな部屋。
「あの詩。本当のこと書いただけ。おれんち母子家庭で、ママは夜の仕事してる。」

私の家の前の美容院にその子のお母さんは毎日チワワを抱いてやって来ていたのでその事は知っていた。

「ママは酔って知らない男の人と帰ってくるんだ。」

はっとした。そしてロフトにあがり下をみた。
ロフトからおりて下のベッドにふたりで寝転んびロフトを眺めた。

世の中に私と同じ様なキモチを味わっている子がいると小さなわたしは初めて知った。もちろん商店街の歩行者天国でおばさま方が「あのふたりできてるわね。」などと話ていたので不倫や不貞の概念の様なものは理解していた。

でもみせつけられたり、自分など存在しないように振る舞われる。そんな子が側にいる。

ことあるごとにその子とはアイコンタクトをとる大切な友だちになった。でもある日その子は突然引越をして転校してしまった。


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