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ひと夏の想いで(ひまわりとあなたとあたし)


yahooジオシティズに自分のホームページを開設している時に、鮎さんが 作曲したメロディーに
魅せられて曲に詞を付けて自分のHPに載せていました。 words:JUNは当時のH.Nです。    鮎さんから頂いた音声データーが消失又はnoteに載せられない形式の為、歌詞のみ載せます。

1.憧れ


付録 (ミニストーリー)
わたしは学生生活最後の夏、海辺の町でバイトをした。
海の近くまで小さな山が迫っていて、てっぺんまでいく途中には
ひまわり畑があった。バイトが終わると海岸沿いのそれほど広く
はない道を渡り、ひまわり畑を通って山のてっぺんに登った。
眼下にはひまわりと砂浜と打ち寄せる白い波が広がっていた。
水平線からまっすぐ射すオレンジの光を浴びていると今日一日が
とてもいい日で、明日もまた、いい日が来るような気になった。
夕陽に青葉を揺する風の音、遠くの波の音を聞いていると、
昔からずっとここにいて見ていたような懐かしさを感じる。
そんな、海辺の町で彼と出会った。

彼はこの町の人で今は故郷を離れ都会で働いていた。
私と会ってから、彼は休みの度に帰ってくるようになった。
私はいつしか彼と会うのが待ち遠しくなっていた。
一人っ子の私は兄が出来たようで嬉しくて妹のように我儘を
言った。
*    *    *  
ひまわり畑で彼は突然走るのを止めた。
あまりにも急だったので私は彼の背中にぶつかって止まった
「☆! なに?」
「ん、ちょっと、目を瞑ってごらん」
「もう虫はいやだよ」
「いいから」
・・・・・・
ひまわり畑を走り回って
ちょっと青くさい がさっとした指先が
わたしの耳たぶを触った
(震えている・・・・?)
「だめ、まだ瞑っていて!」
見上げるようなひまわりと大地の匂いに包まれて
風の音も、波の音も止まった
ずいぶんと長い時間が経ったような気がした・・・。

「もういいよ」
太陽を背にした彼の顔はよく見えなかった。
「似合うよ」
「?!・・・・」
彼はまた走りだした。
私は追った。
早い!
いつもより早い。
小柄の私はこの道では彼に遅れるなんてコトなかったのに・・・
「待て~、」
*   *   *
ただただ夢中でおもしろおかしく過ごした夏
あの時私は誰かを必要となんかしてなかった
夢とか憧れ、やりたいことがいっぱいあった
だからあのころは気づきもしなかった。
いつも優しく見守っていた人がそこにいたこと。

あの熱い夏が終わりかけて 私が帰る最後の日
彼が慣れない手つきでつけてくれたイヤリング
なぜそうしてくれたのかを気付けなかったほど
いろんなことに夢中だった
でも、あの人がいたから熱い夏だったのかもしれない
も一度 会いたいな・・・
あの時、あそこで無くしたイヤリングと明日への希望を
探しにいこう・・・

たくさんでなくていい ひとりでいい
私のことをわかってくれる人がいるなら 私は頑張っていける


付録 2
(ミニストーリー もう一つの視点)
JUDY AND MARYの「ドキドキ」の歌詞の中にある
『見上げるほど高い向日葵はみんなの匂いがした・・
「もう二度と会えなくなるの?」それが聞けなかった
の・・』・・・『Don’t hide  Don’t hide awey ゞ』
がボクの気持ちと重り故郷へ帰りたくなった。
「ドキドキ」歌詞付き JUDY AND MARY MIRACLE NIGHT TOUR 1996 (youtube.com)
*   *   *
久しぶりに帰ったのにいつもどおりで何も変わっていなかった。
此処を出てから都会での暮らしは思いと違い居心地が悪かった。
話し相手になる人もいなくて、やるせない気持ちを隠して堪えた。
でも、ここでは何も隠す事は無いのだと思うと心が晴れた。
ひまわり畑を歩いて「ざわわ ざわわわ」葉摩れ音に包まれたら、
中学最後の夏休み皆とひまわり畑を駆けまわった事を想い出した。
遊び疲れたら、みんなひまわりの匂いがしていたっけ・・・。
海岸に出る道を下りてきたら、意外なものを目にした。
海岸沿いの道にキッチンカー停まっている?ちょっと違和感を感じた。
でも、喉がカラカラに渇いていたボクはそれに向かって歩いていく。

そこで、ボクは彼女と会った。
何を飲もうか迷っていると「ソーダ水、人気なんですよ♪」と声を
掛けてくれたのでそれを注文した。
彼女がソーダ水を持ってきた時、「なんで此処で?」と聞いてみた。
他にお客がいないので、彼女はテーブルについて理由を話してくれた。
このキッチンカーのオーナーは親戚の方で、この夏海外旅行をするその
間だけ借りた事。SMSでここのひまわり畑や町の風情が紹介されていて、
気に入ったので土日だけ来ている事。知らない土地で初めての出会いは
案外楽しい。嫌な事を忘れられる」と話してくれた。
ソーダ水の中に彼女が映るので、グラスを持ちながら話を聴いた。
短い時間だったけれど、快活でフレンドリーな彼女に好感を持った。
その日以来、ボクは休みの度に故郷に帰った。
彼女に会うために・・・。
いつも快活でいる彼女がある時「私はいつでも元気fulなんじゃないよ」と
ぽそっと言った事があった。
「あなたは、あなたのままでいいと思う」とハッキリ言われた事もあって
その言葉でボクの心は蘇生した。


そんな心地いい日々も終わる時が来た。
最後の日、彼女は今までと違う服を着てバスに乗ってやってきた。
いつもと違う彼女にドキドキした。
そんな気持ちを見透かされないように、いつもどおりにひまわり畑で戯れ、随分長い時間を過ごした。

・・・それなのに、「また会える?」
それが聞けなかった

今回若干の修正を加え再投稿しました。
鮎さんから頂いた音源はMIDIなので
noteにUP出来ないのが残念です。

 

2.見えない贈り物 

(BGM:「Invisible present(EP)」 by Ayu)

とおく とおく かすんでいるけど
ここまで続くあしあと見つめて あなた
もっと もっと 君と歩いていきたい
そう呟いた あなたの背で
あたしも同じよと ささやいていた
昇る朝日あびて征く
あなたと歩く この道

青く 青く 光る空をゆく
大きな白い雲を見つめて あなた
大きな船になって君をのせてあげる
これからも心配は要らないよと言った
太陽の光あびて 今日も
あたしは渡っていく 広いこの海を
もし生まれ変わっても
あなたと地球(ここ)にいられるように

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