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隣の四姉妹13

"ねぇねぇ田村さん"

奈)んー?

"今日の放課後クラスの何人かでカラオケに行こうって話になってるんだけど、良かったら来ない?"

奈)いいねぇ、じゃあ行こうかな

"ほんとに!?やった、田村さんが来るならみんな喜ぶよ、じゃあ放課後👋"

奈)はーい👋

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放課後

"田村さん、カラオケ屋まで一緒に行かない?"

奈)うん、行こっか

"おい田村"

クラスの友達とカラオケに向かおうとした時、数学の先生に声をかけられた

奈)なんですか先生

"なんですかじゃないだろ、お前まさか忘れてるのか?"

奈)忘れてる?

"この間のテスト、赤点のやつには課題を出したはずだが"

奈)課題……あ!?

"その期限は今日まで、出してないのはあとお前だけだ!"

奈)すっかり忘れてた、、、

"今日は提出するまで帰らせないからな!"

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そんなわけで友達とのカラオケはキャンセル

教室に一人残り課題に取り掛かっているが、、

奈)…わからん!

勉強は大の苦手、特に数学は壊滅的だ

課題の用紙と教科書を交互に見ながらなんとか進めてはいるが、このままでは日が暮れてしまう、、

ほとんどの生徒は下校、もしくは部活動へ行ってしまった

助けを借りることもできない

困ったなぁ、、




"あれ?何してんの?"

奈)あ、◯◯

◯)これは、、宿題やるの忘れたのか?

机の上のプリントを覗き込む◯◯

奈)この間のテストで赤点だったから、その課題

◯)ふーん

奈)◯◯

◯)ん?

奈)助けて〜😭、全然わからないの〜😭

◯)だと思ったよ

奈)本当に頼みたい!🙏教えて!

◯)うーん、、今日はちょっとな、、

奈)そこをなんとか!

◯)うーん…

奈)…あ!待って!

◯)ん?

奈)そういえば私、◯◯がなんでも言うこと聞く権利持ってるじゃん

◯)へ?

奈)ってことで、教えて😁

◯)…

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◯)次はこの問題ね、これはね、、この公式に当てはめて考えるやつだ

奈)ふむふむ、、

◯)どう?わかりそう?

奈)y=x…、えーっとここにこれが入って、、

◯)うんうん

奈)答えは、、こう!

◯)違う!

奈)ええぇぇ!?

◯)どうやって解いた?途中式見せて、、あぁここはねこうじゃなくてこうなるんだ

奈)なるほど…

その後も奈於は◯◯に教わりながら課題を進めた

そして、、

奈)終わったぁ😮‍💨

◯)お疲れ様

奈)ありがとね◯◯

◯)どういたしまして

奈)じゃあ先生に提出してくる

◯)おう、じゃあ俺はお先に

リュックを背負い帰ろうとすると

奈)あ、できれば待っててくれない?

◯)え、なんで?

奈)いいからいいから、帰っちゃダメだよ

そう言うと奈於は職員室へ向かっていった

数分して教室に奈於が戻ってくる

奈)お待たせ〜

◯)おう、おかえり

奈)ちゃんと待っててくれたんだ

◯)まぁね

奈)じゃあ、カラオケ行こっか

◯)…は?

奈)今日本当はクラスの友達とカラオケに行く予定だったんだ

◯)そうか

奈)で、行こうとしてた時に先生に見つかって課題やらないといけなくて、結局行けてないんだよね

◯)ふーん

奈)だから今から行こうかなと

◯)俺と?

奈)そう

◯)お断りします、それじゃ

リュックを背負い教室から出ようとするも

ガシッ

背負っているリュックを奈於が掴んでくる

奈)いいじゃんよ〜、お願いお願い

◯)無理無理、今度改めてその友達と行けばいいじゃん

奈)今日行きたいの、今日カラオケの気分なの!

◯)じゃあその友達のところ合流しなよ!

奈)途中から入ってくのなんか気まずいじゃん!

◯)そんなことない!

奈)ある!

その後、しばらくの言い合いの末


奈)なんで一緒に行ってくれないの、、うぅ😢

◯)…わ、わかったよ、、

奈)わかったって?

◯)一緒に行くから

奈)やたー!じゃあ行こ😁

◯)お前まさか、、、

奈)真佑ちゃん直伝、泣き真似✌️

◯)はぁ、、

俺は何回この手に引っ掛かるんだ…








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奈)じゃあ私先歌うね〜

部屋に入るなりウキウキで機械を操作する奈於

◯)どうぞー、はぁ、、

ここにくるまでだいぶ疲れたな、、

奈)愛する君の声が〜♪

なにも奈於とカラオケに行くのが嫌だった訳ではない
奈於は歌が上手いし
何がそんなに嫌なのか、、

それはこの状況を見られること

奈)自然と続いてしまう会話♪

女子と二人でカラオケ、それも学校で人気の四姉妹の一人と、、

私服ならまだしも制服なんて見つかりやすさ倍増だ

見られれば面倒くさいことになるのは確定

奈)愛する君の声はメロディ♪
 
来るまではなんとか凌いだようだが

奈)恋する僕刻むメモリー♪

こちらの事情を知らない奈於は楽しそうに歌っている

こっちはもう帰りの不安で頭がいっぱいだ

奈)◯◯?

◯)え?

奈)次、◯◯歌う?

考え込んでいる合間に一曲終わったようだ

◯)あぁ、奈於歌っていいよ

奈)そう?

◯)うん

奈)じゃあもう一曲、どうしようかな〜

帰り道もどうか誰にも見られませんように、、








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奈)はぁ〜楽しかったね

◯)そうだね

たくさん歌って奈於も大満足のようだ

さて、ここからが勝負どころだ

◯)じゃあ帰ろっか

奈)うん

リュックを背負い部屋のドアを開ける

周りを確認

◯)(うちの高校の生徒の姿、、なし!)

外へ出たその瞬間

ガチャ

別の部屋のドアが開き

"いやぁ、楽しかったなぁ"

"いっぱい歌ったねー"

同じ高校の生徒達が出てきた

◯)(やばっ!)

俺は咄嗟に踵を返し部屋へ戻ろうとしたが、すぐ後ろに奈於がいて

奈)え、なに?どうしたの?

状況のわからない奈於はその場から動こうとしない

◯)い、一旦部屋戻って!

奈)なんで?

◯)いいからいいから!

同じ高校の生徒達が俺たちの部屋の方へ歩いてくる

早くしなければ

この状況を見られまいという焦りから俺は少し強引に奈於を部屋の中へと押し込んだ

奈)ちょ、そんなに押さなくても、わっ!

◯)おわっ!

ドサッ











  

"また今度みんなで来ようねー"

部屋の外を楽しそうな話し声が通過した

同じ高校の生徒達が通り過ぎたのだろう

なんとかやり過ごせたようだ、、が

また新たな問題が

目の前には大きな瞳でこちらを見る奈於の顔が

そう、今俺は奈於を押し倒してしまっている

部屋の中へと戻そうとしただけが勢い余ってこんな状態に…

◯)ご、ごめん!

すぐに奈於から離れる

奈)うん、、

こ、、これは、まずいぞ

俺は脳内で今後の展開を予想した

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奈於はきっと、、家に帰ってから…

奈)ねぇねぇ真佑ちゃん!

真)んー?

奈)今日◯◯とカラオケ行ってきたんだけどね、帰る時にいきなり押し倒されて

真)はぁ!?なんで?

奈)わかんない、◯◯の方からいきなり、、

真)明日学校で問い詰めよ!

次の日の学校

ガラガラ

真)◯◯!

◯)な、なに

真)昨日カラオケで奈於のこと押し倒したって本当!?

"えぇ〜!?"

真佑の声は教室中に響き渡った

"おい◯◯!どういうことだ!"

"本当なのか!?"

"奈於さんのこと押し倒したって!?"

俺の学校生活の終わり…











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それだけはなんとか防がねば

◯)なぁ奈於、今のはその、決してわざとではなくてでな、、

奈)だ、大丈夫、、わかってる…

そう言って俯く奈於

◯)だ、大丈夫か?

心配になり覗き込む

◯)ん、、なんか、顔赤くないか?

奈)!?

◯)もしかして熱とか、、

奈於のおでこを触ろうと手を伸ばすも

奈)だ、大丈夫だから!

そう言って距離を取る奈於

奈)きょ、今日は楽しかったです!お付き合いいただき大変ありがとうございますた!では!

◯)ちょっと待っ、、行っちまった…

だ、大丈夫、なのか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

奈)はぁ、はぁ、はぁ、

◯◯を置いて走って家へと向かう

ドッ ドッ ドッ ドッ

走ったせいか心臓がうるさい

早く息を整えないと、、

?)あれ、姉ちゃん?

奈)え、、あぁ美佑ちゃん

美)どうかしたの?

奈)え?

美)なんか、すっごい疲れてるみたいだけど

奈)今ちょっと走ってきたから

美)ふーん、あとさ

奈)ん?

美)すっごい顔赤いけど、大丈夫?

奈)え!?

美)なんかあったなら、、

奈)全然!なんもない!なんもないから心配しないで!
よーし家まで競争しようか美佑ちゃん!よーいドン!

そう言って走り出す奈於

美)…変なお姉ちゃん、、いつものことか



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