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隣の四姉妹11

保健室を後にした俺は体育館へと向かった

◯)(そろそろどの競技も決勝だよな)

ちなみにドッジボールはあの後真佑のクラス2年2組が決勝へ進んだらしい

てか俺、真佑の顔面に思いっきりボールぶつけたんだよな、、この後が怖くなってきた…

そんなことを考えているうちに体育館へ

"楽しみだな決勝"

"どっちが勝つと思う?"

まだ試合が始まる前のようだ

間に合ってよかった

そうだ、トーナメント表見てみるか

えっと決勝は、、1年1組vs1年3組

すごいな、1年生同士で決勝なのか

"あ、◯◯君!"

◯)ん、おお遥香

遥)見にきてくれたの?

◯)まぁ、一応約束があるし

遥)ふふ、嬉しい☺️

◯)遥香は確か1組だよな

遥)うん、これから決勝戦

◯)そっか、じゃあそろそろ観覧席に行くよ

遥)うん!頑張るからしっかり見ててね

◯)おう、頑張って

遥)優勝したらご褒美だからね!

◯)わかってるって

遥)絶対だよ〜

そう言い残し遥香はコートの方へ

◯)(なんか最近の遥香はやけにグイグイくるな…)

俺も観覧席の方へ向かおうとすると

"ご褒美ってなに?"

突然後ろから話しかけられた

◯)お、おう美佑か

美)遥香姉ちゃんと話してるの聞こえたんだけど、ご褒美って?

◯)あぁ、なんか昼休みに遥香に言われて、優勝したらご褒美ちょうだいって

美)ふーん、、

◯)どうかしたか?

美)じゃあ私も

◯)え?

美)優勝したらご褒美貰うから

◯)え、ああ

美)そういうことで、よろしく

そう言い残し美佑もコートの方へ

◯)ん、待てよ、、美佑って確か3組…

もう一度決勝戦のカードを確認する

1年1組vs1年3組

ご褒美あげるの確定やん、、、

俺はそっと財布の中身を確認した

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"それではこれより、球技大会女子バスケの部、決勝を行います"

"1年1組、1年3組の出場者の皆さんはコートに整列してください"

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1年1組チーム

柴)いよいよ決勝だねはるちゃん!

遥)うん、、

柴)緊張してる?

遥)ま、まぁね…

柴)そんな気負いすぎないで、楽しもう!☺️

遥)うん、ありがとゆんちゃん😊

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1年3組チーム

美)ふぅ…

?)美佑ちゃん!お顔怖いよ、スマイルスマイル😆

美)そ、そう?

?)うん、何かあった?

美)いや、多分気合いが入ってるだけ

?)そっか、それならオッケー😆

美)ふふ、ありがとレイちゃん、ちょっと緊張ほぐれたよ

清)どういたしまして!

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"それでは目の前の人と握手を"

遥)お互い頑張ろうね美佑☺️(ごめんね美佑、この勝負は負けるわけにはいかないの)

美)うん、お姉ちゃんよろしく😊(ごめんお姉ちゃん、ご褒美は私が貰うから)

"ピーッ!"

ジャンプボールで試合が始まった

パシッ

最初にボールを握ったのは1年1組

"最初は慎重にいこう!"

一番後方、バスケ部の子を中心にパスを回し攻撃を組み立てる

この戦法で私たちはここまで勝ち進んできた

バスケ部の子が二人と中学までバスケ部だった私、ある程度精度の高いパス回しはできる

それをゴール前で待つゆんちゃん達に届ける

前の二人は運動神経がいいからゴールもよく決めてくれるから

パスを送り続ければ得点は取れる

大丈夫、今まで通りやれば勝てる

"はるちゃん!パス!"

バスケ部の子から私へのパス

パシッ!

が、ボールは私に渡る前に

"えっ!"

カットされた

シュパ

"ピーッ!3組チームゴール!"

"な、何今の"

"速すぎ、、"

一瞬の出来事だった、私へのパスをカットした美佑がそのままゴール

遥)み、みんな落ち着いて、もう一度後ろから組み立てよう

"う、うん!"

1組ボールから試合再開

"は、はるちゃん!"

今度はボールを受け取り、相手陣地を見る

しっかりと守備が形成されている

でも、、

私は相手陣にドリブルを仕掛ける

相手が二人プレッシャーをかけにくる

"はるちゃん!"

それをサポートにきた子とのパス交換で難なくかわす

相手陣深くまで進入

目の前には二人のディフェンス

やっぱり警戒すべきはこの二人かな

我が妹、田村美佑

優れた身体能力、スポーツならやらせればなんでも平均以上にできてしまう、先ほどのスピードを活かしたパスカットといい非常に厄介だ

そしてもう一人

清宮レイちゃん

バスケ部所属、1年生ながらももう3年生の先輩に混ざって試合に出場しているとか、相当上手いのだろう

でも、私は負けられないの

ちらっと観覧席にいる◯◯君を見る

絶対に、、負けない

私はシュートモーションに入る

美)くっ、、

すぐに美佑がブロックに入る

その瞬間私はシュートからパスに切り替えて
 
バシッ

ゆんちゃんにボールを届けた

柴)ナイスはるちゃん!

シュパ

"今度は1組がゴール!同点です!"

清)ほぇ〜、美佑ちゃんのお姉さん上手いねぇ

美)中学までバスケ部だったからね

清)だからかぁ

美)レイちゃん、負けてられないよ

清)はいよ!

3組ボールで試合再開

清宮さんがボールを持つ

遥)ディフェンス固めよう!

1組は自陣で守りを固める

清)さてさて、、

そこに真っ直ぐ突っ込んでくる清宮さん

遥)(真正面から!?)

私はすぐにプレッシャーをかける、、が

清)ほっ!

卓越したテクニックであっさり抜かれてしまう

遥)(うまっ!)

そしてそのまま

シュパ

"ゴール!またしても3組がリードを奪いました"

柴)はるちゃん、、

遥)大丈夫、まだまだこれからだよ

その後も1組はバスケ部二人と遥香のパス回しを、3組はレイの個人技と美佑のスピードによるパスカットを活かしながら一進一退の攻防が続いた

"1組ゴール!"

"3組ゴール!"

"1組ゴール!"

"3組ゴール!"

拮抗した試合は僅差で終盤へ

3組ボール、清宮さんがボールを持っている

私たち1組は2点差で負けている状態、なんとかこの攻撃を止めてスリーポイントシュートを決めないと、、

清)さてさて、、

清宮さんがドリブルを仕掛けてくる

遥)(突っ込みすぎずによく見て、、ここ!)

ヒョイ

清)あっぶなーい

ギリギリで避けられた、、でも

パシッ

清)えっ、、

囮作戦成功

私のすぐ後ろに構えていたゆんちゃんがボールを奪取する

そのまま相手ゴールへ

柴)はぁ、はぁ、いける!

が、後ろから物凄い勢いで追いつく影が

遥)ゆんちゃん!後ろから来てる!

柴)えっ、、

私の声に気づいたゆんちゃんがボールをキープし、なんとかボールを失わずに済んだ

美)はぁ、はぁ

物凄い勢いで戻った美佑がゆんちゃんの前に立ちはだかる

遥)ゆんちゃん!

私がいち早くサポートに入る

柴)はるちゃん!

ゆんちゃんからパスが届く

私がここから決めれば3点、逆転できる

時間ももうない、これがラストだ

私はシュートモーションに入る

美佑がプレッシャーに来る

でも、わずかに私がシュートを放つのが早かった

ボールは弧を描いて

リングの方へ、、、










 








ガンッ

"ピーッ!、ここで試合終了!"

"激闘を制し優勝を手にしたのは1年3組です!、おめでとうございます!"



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