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後輩2

私の名前は遠藤さくら

"じゃあ今日は以上です"

"起立 礼"

"ありがとうございました!"

帰りのHRが終わり、生徒達はそれぞれ帰路に着く

田)さく〜

遠)なーに?

田)さくは今日委員会だっけ

遠)うん、そうだよ

田)じゃあ一緒に帰れないか〜

遠)ごめんね

田)ううん、また帰れる時一緒に帰ろ!😊

遠)うん!

田)じゃあまた明日ね〜👋

遠)ばいばーい👋

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遠)失礼します

"あぁ、遠藤さん"

遠)よろしくお願いします🙇‍♀️

"こちらこそよろしくね"

私は図書委員をしている

今挨拶を交わしたのは一つ上の先輩

なんで図書委員を選んだのか?

それは読書が好きだから

ともう一つ

"よーし、準備運動始めるから集まってー!"

"はい!"

グラウンドでサッカー部の練習が始まったようだ

そう、この学校の図書室はグラウンドがよく見える

つまり

遠)先輩、今日も頑張ってるな〜

頑張ってる先輩の姿を拝むことができるのだ

これが私が図書委員を選んだ最大の理由

ここなら誰にも邪魔されず先輩を堪能することがで

"遠藤さん、ごめんちょっとこっち手伝ってもらってもいい?"

…邪魔が入った

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"まもなく図書室のご利用時間終了です、帰りの支度をお願いいたします"

図書委員の先輩の放送で残っていた生徒達が図書室を出ていく

"じゃあ遠藤さんお疲れ様、あとは消灯して鍵閉めるだけだから、先に帰っちゃっていいよ"

遠)わかりました、失礼します🙇‍♀️

先輩に挨拶をし、私も図書室を後にする

私は少し急足で階段を降り、昇降口へと向かった

遠)そろそろだ

靴を履き替え正門の前まで行き立ち止まる

"なぁ、この後俺の家でゲームしない?"

するとすぐに向こうから歩いてくる男子生徒四人の声が聞こえてきた

"いいねぇ、まさかあの新作もう買ったの?"

"もちろん買った"

"まじか、やりてぇ"

"◯◯はどうする?"

その四人の中に私のお目当ての人が

◯)僕も行こうかな

"よーし、じゃあこの後俺の家でゲーム大会な!"

"オッケー"

その四人が正門に差し掛かった瞬間

遠)先輩!

私は四人の前に飛び出した

◯)おぉ遠藤、今帰り?

遠)はい、委員会終わりです、それで帰ろうとしたら先輩の姿が見えたので😊

◯)そっか、じゃあこれから僕

"ちょっと待った!"

先輩のお友達が声を上げた

◯)どうした?

"今日のゲーム大会中止で!"

◯)え!?なんで!?

"母親に頼まれてることがあったんだった"

◯)あ、そうだったんだ、じゃあ

"俺も頼まれてたことあった!"

"俺も!"

"ってわけで俺らは先帰るから、じゃあ👋"

◯)ちょっと待って!そんな急に

先輩の静止を聞かず先輩のお友達3人は去っていった

空気の読める先輩方だ

◯)…

遠)…

◯)一緒に帰る?

遠)はい!😊

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遠)先輩今日もお疲れ様です

◯)ありがとう、遠藤も委員会お疲れ様

遠)ありがとうございます😊

先輩と並んで歩く帰り道、いつもより遅い時間

その特別感が私の鼓動を速くする

はぁ、、私今先輩と一緒に帰ってるんだぁ

横目でチラチラ先輩の横顔を見る

お美しい…

ふと視線を下の方に移すと

私の右手のすぐそばに空いた先輩の左手が見える

手繋ぎたい…

でも、それはちゃんと付き合ってからって決めたから

今は先輩と会う回数を増やして少しでも恋愛対象として見てもらう段階だから

ってそんなことよりさっきから無言状態だし何か話を

遠)あのっ

プルルルル プルルルル

私が話し出そうとした矢先、先輩の携帯が鳴った

◯)あ、ごめんね

遠)いえいえ、どうぞ出てください

◯)もしもし、、、

先輩に少し近づき聞き耳を立てる

何を話してるのかは把握できなかったけど

聞こえてきた

電話の向こうは

遠)えっ、、

女の人の声だった

◯)ごめんね、なんか間違えたみたい笑

遠)そ、そうですか

正直その後は全然お話しできなかった

◯)じゃあここで

遠)はい、また明日、、

さっきのことが気になりすぎて

先輩が女の人と電話…

相手は?

誰だよ

もしかして先輩ともうそういう関係?

やだ

ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ

遠)付き合うために段階なんか踏んでる場合じゃなかった…

もっと頑張らなきゃ、、

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