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隣の四姉妹14

日曜日、田村家

美)こっち、、いや、こっちかな

ダメだ、全然決まらない

あと10分くらいで出ないと間に合わなくなる

ドタドタ

ガチャン

奈)美佑ちゃーん、あーそーぼ〜

美)無理

奈)えぇなんで〜

美)見ればわかるでしょ、今日は出かけるの

奈)そんなの聞いてないよー

美)真佑姉さんには言ってある

奈)ぶ〜、誰と?

美)友達と

奈)ふーん、、

美)なに?

奈)本当にただの友達?

美)そ、そうだよ

奈)ふーん😏

美)な、なに

奈)ただの友達とのお出かけでそんなに洋服悩んでるんだなぁって

美)べ、別にいいでしょ!

奈)別にいいけどさ

美)…

奈)…ねぇ、ほんとは?

美)だから友達だって

ガチャン

真)あれ、美佑そろそろ出るんじゃなかった?

美)うん、もう行くよ

真)…

真佑姉さんが私の全身をまじまじと見つめてくる

美)な、なに

真)今日は友達と遊びに行くって言ってたよね

美)うん、そうだよ

真)なかなか気合い入ってるね

美)そ、そうかな?

真)なんか、、デート行くみたい

美)!?、そ、そんなことないよ、あ、もう時間が!行ってきます!

バタン

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◯)ちょっと早く着きすぎたか

休みの日は用事がない限りは家にこもる俺だが

今日は予定があり外出中

最寄りの駅の改札でその相手を待っているところだ

"お待たせ"

◯)おう

"ごめんね、待った?"

◯)全然、まだ待ち合わせ時間じゃないし

"なら良かった"

今目の前にいるのは隣の家の四姉妹の四女、美佑

そう、今日は美佑と出かける約束をしていたのだ

球技大会で優勝したご褒美として

◯)それで今日はどこに?

行き先などはまだ聞いていない

昨日の夜にLINEで

📱:明日11時に駅の改札で

とだけ届いたのだ

美)△△町のショッピングモールに行く

◯)あぁ△△町のか

△△町はここから電車で20分ほどのところだ

美)そろそろ新しい服が欲しいなと思って

◯)なるほど、それのお支払いを俺が

美)え、違う違う、男性目線の意見が欲しくて、お金は自分で払うよ

◯)そ、そうなのか?、優勝したご褒美だからてっきり、、

美)付いてきてくれるだけでいいから、行こ

◯)おう

 

20分後、△△町に到着

駅に直結しているショッピングモールの中を並んで歩く

◯)久々に来たなここ

美)そうなんだ

◯)うん、あんまり用がなくて

美)ふーん

隣を歩く美佑を横目で見る

◯)(やっぱ綺麗だな、、)

その横顔にしばらく見惚れていた

美)なに?

◯)いや、なんでもない

昔から関わっている俺からしても田村四姉妹は本当に容姿が整っていると思う

休日でおしゃれなんかすると更に綺麗だ、と密かに思っている

伝えると調子に乗りそうなのが約2名いるので、直接伝えたことはない

美)ここ

ショッピングモール内を歩いて美佑のお目当てのお店に到着

"いらっしゃいませー"

普段服屋にあまり来ない、ましてやこんなおしゃれなお店は初めてだったため自分に少し場違い感を感じる

正反対に美佑はお店の中をズンズン進んで服を見ている

俺はそれを少し距離を置いて見ていた

美)ねぇ

◯)ん?

美)これとこれ、どっちが好き?

◯)え?

洋服を両手に持ちこちらに問いかけてくる美佑

◯)えっと、、

こちらとしては服のセンスなど全く持ち合わせていないので

◯)み、美佑が好きなやつの方がいいと思うよ

美)…私聞いてるんだけど

逃してもらえず、、

俺に鋭い視線を向ける美佑

◯)えっと、、じゃあこっち

美)わかった、買ってくる

俺が選んだ服を持ちレジへ向かう美佑

俺のセンスで大丈夫か?

その後も美佑と服屋を何軒も回った

その度に

美)どっちが好み?

美)どっちがいい?

美)どっち?

二択を迫られ

◯)こっち、かな

◯)こっちで

◯)こ、こっち…

自分のセンスに不安を感じらながら答えていった

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買い物を一通り終え、一休みしようと二人でカフェに入った

席についた美佑は横の椅子に大きな紙袋を置く

◯)たくさん買ったな

美)まぁね

◯)ここのカフェ、前も来たことあっなよな
 
美)そうだっけ

◯)うん、前に5人で来た時にさ、あ、そういえばあれ覚えてる?

美)あれ?

◯)ここに初めて来た時さ、美佑が迷子になったの

美)あー…

◯)真佑達と4人で探しまくってさ、そしたら警備員さんに連れられて大号泣した美佑がさ

美)ねぇ

◯)え?

美)その話、恥ずかしいからやめて

そう言って俯く美佑

◯)え、あぁ、、ごめん

まずいな、やってしまった、、、

美佑にとっては嫌な思い出だったか

  

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その後も美佑のテンションは低いまま、帰り道を二人歩いていた

◯)(なんとかしないとな、、)

先ほどのミスを取り返そうと美佑のテンションが上がる
ものはないかと辺りを見渡す

すると、

◯)あ!あれ!

美)え?

俺は道沿いの店舗の中にクマのぬいぐるみを見つけた

◯)あれ美佑が好きなやつだろ、俺が買ってあげるよ

そう言って店に入ろうとするが

ぐいっ

後ろから服の裾を掴まれる

美)別にいい

◯)でもあれ

美)私もう高校生だよ、確かに昔好きだったけど

◯)そ、そうか、、

作戦失敗

その後も気まずい空気が流れたまま最寄りの駅に到着

美)じゃあ今日はありがと

◯)う、うん

美)それじゃあ

そう言って歩き出す美佑

◯)待って!

美)…

◯)今日はせっかく誘ってくれたのにごめん!

美)べ、別に

◯)嫌だったよな、昔の嫌なこと思い出させて…

美)…別にあれは、、

◯)あの、俺にできることがあったら何でも言ってくれていいから

美)…じゃあ

◯)ん?

美)また、一緒に出かけて

◯)え?

美)また一緒に出かけてって言ってんの!

◯)あ、あぁ、もちろん!それでいいなら

美)うん、じゃあそういうことで

◯)うん、また

美)また

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◯◯君と別れ一人家までの道を歩く

美)(全く…いつまで私を子供扱いするんだか、、)

今日も目一杯大人っぽくおしゃれしてきたのに、、昔のこと掘り返したり、ぬいぐるみで釣ろうとしたり、、

美)バカ◯◯、、まぁでも

次のデートの約束できたし、、

美)今日のところは許してやるか

家に到着した時の美佑は少しニヤけていたらしい

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