隣の四姉妹4
朝、学校へ到着
次々と生徒が登校してくる
今日の俺の登校はいつもと違う
それは、一人だということ
いつもの三人は家を出た時いなかったのでそのまま一人で登校してきた
まぁ、おおむね真佑か奈於が寝坊したんだろう
ーーーーーーーーーーーーーーー
遥)お姉ちゃん達早く!ほんとに遅刻するよ!
奈)もうちょい待って!前髪が、、
真)ふぁ〜🥱
遥)もう!
ーーーーーーーーーーーーーーー
というわけで
今日は周りの目を気にせず穏やかに登校できた
朝から良い気持ちだ
昇降口へ向かって歩いていると
右前方に人だかりが
"おはようございます!"
"おはよう美佑ちゃん!"
"おはよ!"
美)おはようございます
田村四姉妹の四女、美佑
今日は他の三人が遅れてる分、注目を一点に集めてるな
美)ちょっと、、通してください
普段は四分される人だかりが一つになってる
こりゃすげぇわ
美佑は困っているようだが俺みたいな何の変哲もない男子が助けに入れるわけもなく、ただその状況を遠くから見ていると
"おいおいお前ら!美佑ちゃん困ってるだろ!"
一人の男子生徒が声を上げた
あいつは確か、、
"望月"とか言ったっけ
この間クラスの女子が一年に超かっこいい子がいるとか噂してたっけ
確かに彫刻みたいな顔だ
あれはモテるだろうな
望月の声で美佑の周りの群衆が少し距離を置く
望)さぁ美佑ちゃん、教室まで僕がエスコートしますよ😉
群衆の間を通り美佑に手を差し出す望月
美)いい、自分で行けるから
望月の横を通り校舎へ入っていく美佑
望月はしばらくその場で固まっていた…
ーーーーーーーーーーーーーーー
美佑は四姉妹の中で、女子からの人気が一番高いらしく
その理由はクールビューティーなところだそうだ
確かに今朝の一件を見てもクールでサバサバしていると思った
美佑のそうゆう場面はたまに目にする
けど昔からこうだったわけではない
中学くらいだったかな…急にクールになった感じがしたんだよなぁ…
昔はもっとこう…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
美)◯◯兄ちゃん!
◯)おう、どうした美佑
美)あそぼ!😆
◯)お、いいね!何して遊ぶ?
美)鬼ごっこ!
◯)美佑はほんとに鬼ごっこ好きだな〜
美)だって走るの好きなんだもん!はいタッチ!逃げろ〜
◯)こら、待て〜😆
ーーーーーーーーーーーーーーー
ってな感じでクールとは程遠い感じだった
妹みたいに思ってたけど、、、まぁ成長とともに変わったのだろう、、少し寂しいけど
キーンコーンカーンコーン
今日も全授業無事終了
荷物を持ち帰路へ
なんと今日は帰りも一人だ
真佑と奈於は追試があるらしい
遥香はそれを待って帰るんだと
行きも帰りもだる絡みがないとこんなに清々しい気持ちなのか
いつもより軽やかに帰宅していると前方に人影が
あれは、、美佑か
自販機の前で何やら悩んでるご様子
◯)おーい
美)ひゃっ!
ピッ
ガタン
◯)おぉ、ごめんごめん
急に声をかけて驚かせてしまったようだ
美)ぜ、全然大丈夫
◯)今日は部活ないんだな
美)うん、先生に急用が入ったみたいでオフになった
◯)そうか
美佑は日々部活に励んでおりこうして話すのは他の三人と比べるととても珍しいことで
◯)今帰りなら一緒に帰る?
久々に話したいなと思い誘った
美)う、うん、じゃあ帰る
◯)おう、じゃあ行こ
そう言って歩き出す
すぐにそのあとをついてくる美佑
そこで一つ疑問が
◯)あれ、今自販機でなんか買ってなかった
美)え?
◯)声かけた時なんか買ってたよね?
美)か、買ってないよなんにも
◯)いやいやガタンって音してたよ
自販機の取り出し口に目をやると缶のようなものが見えた
◯)ほら、なんか出てきてるよ
そう言って自販機に近づいていくと
美)待って!
◯)うぉ
後ろから大声で静止される
◯)び、びっくりしたぁ
美)ご、ごめん、私自分で取るから
そう言って俺の横を通り自販機の元へ
取り出し口に手を入れ物を取り出す
それを両手で隠すように持ち
美)じゃ、帰ろっか
歩いていく美佑
◯)ちょい待ち
美)ん?
◯)何買ったの?
美)え、な、なんで?
◯)いや、なんか隠してるから
美)別に隠してないし…
◯)じゃあ見せてよ
美)別にいいじゃんなんでも
◯)いや、なんでもいいんだけど、そこまで隠されると気になるっていうか
美)別に、、、飲み物だよ
◯)いやそれはわかってるんだけど…
美)…うぅ
◯)!?
美佑が涙目でこちらを睨んでくる
ま、まずい…
◯)ご、ごめん、、
美)うん、、
その後は会話もなく家に到着
◯)じゃ、じゃあまた
美)うん、、
ガチャ
バタン
◯)な、なんか悪いことしたかな…
ーーーーーーーーーーーーーーー
美)ふぅ、ただいま
自分の部屋で一息つく
美)良かった、見られないで済んだ
机の上にはさっき買ったいちごミルク
こんなの見られたらまた子供扱いするに決まってる…
そんなのヤダ、私はもう大人だもん
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?