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アンビバレンツ

 せっかくの休日、しかも4連休なんて、ムダにしていいはずがない。昨日は夕方から夜にかけてずっとネットで遊んでしまったので反省している。

 他人を許せる日と許せない日がある。慈悲深い日もあれば酷薄な日もある。両方を行ったり来たりして、「私の頭はおかしいの?」と自問自答したりするけれど、おかしくはない。道半ばだから悩んでいるだけ。

 私は子どものころ、漠然と「人生は楽しいものにちがいない」と思っていたし、まさか現在の自分が未婚独身(32)になるとは想像もしていなかった。自分ではふつうなつもりだった。一体どこから狂い始めたのか。
 感受性がえぐいぐらい高いのがよくも悪くも人生のあらゆるところに影響をおよぼしまくっている。傷つきたくないし、傷つけたくないし、嫌われたくなかった。

 たしかに若いころの母親のしつけはマジでトラウマ級だった。体感としては虐待の一歩手前。というか、体に暴力を振るわれることはなかったけど、暴言はしぬほど浴びせられたので、今にして思えば案外ふつうに虐待かもしれない。それが私には耐えがたかった。
 幼稚園のうちは父親がおり、父との関わりが、母から受けたストレスを逃すために必要だったのだと分析する。
 私が小学校に上がると同時に離婚し、その後父とは一切会っていない。なお、ひとりで稼いで子どもをふたり育てることになった母親のストレスの捌け口は当然我々姉弟に向くことになる。耐えがたかった。当然のことながら、居心地がいいはずがなかった。

 そんな調子で貧乏な上に基本的にイライラしっぱなしの母親に育てられた私は無事に愛着障害となり、大人になってからうつ病に罹患することになる。
 今にして思えば、全部自分が悪いなんてことはなくて、環境と運が悪すぎた。
 自己肯定感が底辺なのは、元々プライドが高い(劣等感が強い)のに加えて、日常で否定的な言葉を吐かれ続ければ、誰であれそうなるだろう。
 貧困も虐待の一種だと考える。金がないと何もできない。旅行や習い事などもってのほかだった。「大人になったらやりなさい」何回言われたかわからない。皮肉なことに大人になった今は生活するのに手一杯であるという現実。貧困は連鎖する。母子家庭なんてクソ食らえ。物理的に貧乏だと、心まで貧しくなる。サイアクだこんなの。
 だけどね、義務教育期間中ならともかく、高校生になったら私も私で貧乏なろくでもない家庭であることをさっさと認めて、学業よりもバイトに精を出してとっとと自立のための準備をすりゃあよかったのよ。
 なお当時の自分には絶対にムリだったことは断言できる。なぜって、究極の抑うつ状態を過ごしたのが高校3年間だったから。レールの上にいれば幸せになれるんじゃないのかよォ!カヲルくん!なれないよね。
 思考停止で幸せなんかつかめるはずがない。だけど当時の自分には自分で考えようという気力がそもそも全く起きなかった。それほどまでに苦痛な日々だった。もうね、とにかく大勢の見知らぬ同世代の中で吐きそうだったもんね。ただただ居心地が悪く、あれほどまでに長かった3年間はあとにも先にもない。毎日早く終わることを祈っていた。

 私はいつだって思考停止で妄信していた。「耐え忍べばいつか報われる時が来る」。来ません。他人が定めたルールに従ってレールの上を走ることすら苦痛だった人間が、その耐えがたい苦痛に耐え続けたところで、報われる時なんか来るはずがない。先に壊れたのは私の心。
 というか、壊れながら無理やり走らされ続けていた。抑うつで始まった高校3年間、働きたくないのに働かざるを得なくなった18以降、首が締まっていく思いで死にそうだった20代半ば以降、うつ病で完全に思考停止した27歳の冬。
 他人にできて当然のことが、振り返れば私には苦痛でしかなかった。思い当たる原因は数多くあれど、事実として私は「できていなかった」それにより社不のレッテルを貼られたところで返す言葉もない。
 高校生のころ、抑うつになりながらも、最低限の大学受験のための勉強をなんとかやれたのは、当時の私の中に唯一、「この家から出たい」という切実な願望があったから。思考停止に陥りながらも、その気持ちだけは当時自覚があった。
 だから親がセンター試験直前に失業してその夢がついえたときは絶望した。絶望なんてしてる場合じゃないよ、アンタそこで自立するチャンスだったってのに。(さすがに鬼)

 「地元を離れる」夢を叶えたのは30歳の躁状態の俺だったというわけ。抑うつから躁鬱にランクアップしてるから決してよくはない。よくはないが、現時点での私は地元を出て本当によかったと心から思っているのでいいことにする。
 なお、躁鬱からメンヘラにランクダウンし、メンヘラに関しては罹患して半年が経つが、徐々に回復傾向にある…ので、気長に付き合うしかない。

 今にして思えば去年の自分がシンプルにイカれすぎていた。今の自分を来年の自分が見てどう思うんだろう。

 そうだ、苦痛の多い人生で死にたかったって話だったんだけど、たぶん世の中の大多数ってこんな苦痛を感じてないから生きてられるんでしょ?私もイカれてるけど、おまえらもまぁまぁイカれてるよな。人間ってグロイよなって言いたかった。
 「やさしさ」ほどこわいものはないと最近は思うようになった。だって私自身が人間関係を円滑にするために利用してるテクニックに過ぎないから。周りのやつらはとっくにやってることだし。「やさしさ」の正体もまたグロイのであまり考えたくない。大体は打算だし…やさしくすれば異常者が寄って来たりするし、グロイしキモイ。理想の世界なんてどこにもないことがよくわかるな。

 さて朝活にお買い物行ってこよ〜

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