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とおせんぼ

小学六年生の途中、私のいじめが始まりました。何が原因かはわかりませんが、元々目立つ性格だったのと、小学生女子なのにグループに属せず色々な子と浅く仲良くしていたのと、当時太っていたのでおそらくこの3つでしょうね。あと、とても仲のいい友達は別のクラスになったのでそれもかも。

具体的に何をされたかはあまり覚えていませんが、聞こえるように悪口を言われたことはなんとなく覚えています。クラス全体からターゲットにされていて、先生もそれを助けてくれることはありませんでした。


私は人一倍生存本能が強いので、自分が追い込まれる状況になったらなんとしてでももがいて良い状況に持っていくことが出来ます。

そんな私が特に心配だったのは、中学に入ってもいじめが継続されることです。
私の中学は、地域の小学校が7つも集まる田舎のマンモス校です。そしてとても治安が悪いことで有名でした。先輩が後輩の自転車を無差別にパンクさせるとか、中学に入った男子の約5分の1は暴走族に入るなどの噂を、中学校に上がる前から聞いていました。
そして小学生のメンバーは変わらずそのままその中学に行きますから、その中学に入るまでにいじめが継続されていたら、他の小学校の人たちからも確実にターゲットにされてしまいます。

今の規模よりも多くの数にいじめられるなんて、怖すぎます。私の心が3年間持つか分かりません。



そこで私が思いついたのが、中学受験でした。当時の私は学年の中で1番頭がいいと言っても過言ではないくらい、勉強ができていました。だから、小学校の先生に何個か受験校を相談した時も、「ももちゃんなら全然行ける」と言われていました。

私立の中学2校と、お金の面も気にして国立の中学を1校受けたい、と思っていました。




早速親に、中受をしたいこととその理由を話してみました。いじめを受けていることは前々から親に話していたので、中学は治安が悪くて不安なこと、自分の学力なら行きたい中学に行けるかもしれないことなどを伝えました。

ところが親から言われたことは「受験なんかしなくていい」でした。「受験料かかるでしょ」だそうです。

ちなみにこの日だけでなく何度も受験の交渉しますが、「どうやって通うの、私たちは送迎無理だよ」「(案内のパンフレットがではじめた頃から交渉を続けていたのに)もう今更遅いよ」などと理由をつけて、どうしても受験はさせてくれませんでした。



中受がダメなら転校すればいいのでは、と私は思いました。
だから次は、違う中学校に行くという選択肢を親に話しました。しかし親は「送迎できない」「手続きが大変」などと言って転校の選択肢も塞いできました。
しまいには「いじめられる人はどこに行ってもいじめられる、新しい場所に飛び込む方がいじめられやすくなる。それに小学校のメンツより中学は新しい友達の方が多いから、そこで新しく仲良くなる人がいるかもしれない」と説得してきました。


この人たちは、子供がこれから行く中学の治安がどれだけ悪いか、いじめのリスクの方が高いことなどを理解しているはずなのに、そんなところに行かせて大丈夫か?と思いました。そしてまだ受験もしていないし手続きも確認していない、中学を選べる段階です。受験や転校というチャンスが欲しかっただけなのに、その道に足を踏み入れる前から道を閉ざされてしまってショックを受けました。



でも、そんなことを思いつつも「小学校のメンツより中学は新しい友達の方が多いから、そこで新しく仲良くなる人がいるかもしれない」という親の言葉に納得して、例のマンモス中学校に行くことを決めました。





私の予測は当たって、中学では、小学校のクラスのメンバー+新しいメンバーにいじめられました。それも300人近くいる学年の約半数からです。内容も小学生の時より酷かったです。
ちなみに先程書いた治安の悪い噂は本当で、知り合いが何人も暴走族に入ったし、法に触れて学校から飛ばされた人もいるし、先輩は後輩の自転車に嫌がらせをします。さらに最悪なのが、各学年でいじめや不登校が当たり前にあって、先生もそれの根本的解決ができなくなっているのでした。

多頭飼育すると崩壊しますよね、まさにそれです。




あの時、癇癪を起こしてでも中受をお願いしていれば…といまだに後悔しています。

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