ビックリマークの付いた患者さんから学んだこと

私は都内の某歯科医院で、パートで歯医者をしている。
うちのスタッフは、「接し方注意」の人に「!(ビックリマーク)」をつけている。
この前スタッフ全員から、私がその日に治療にあたる予定の患者さんについて、それぞれがその人から受けた態度の説明と共に要注意である旨を伝えられた。

最近は、カスハラという言葉が出回っているとおり、自分の思い通りにならないと人に攻撃的な態度をとってくる人が多い。
特に都会では…
今までもそういう人にはたくさん遭遇してきた。

その人がやって来て、始めて顔を見ただけで友好的ではない顔つきだな、と思った。
ココ・シャネルの言葉「20歳の顔は自然の贈り物。50歳の顔はあなたの功績」を思い出す。

ただ今回は、話してると今までの攻撃的な人たちとはほんの少し違っているように感じた。
「自分はなんでもきちんとやっていて、ストレスと闘いながらも頑張って稼いでいて、身体にもものすごく気をつかっている。
それなのに歯で痛みをかかえているのが理不尽だ。」
という訴えのような気がした。
そして、医学の進歩に対しての不満など、ここまで医療を発展させてくれた多くの研究者さんたちに申し訳なくなりそうな暴言を吐く、など、常識のある大人はしないことを平気でする人、という印象だった。

でもそれは、私を攻撃してきていた訳ではなかったため、できる限り私も否定をせず話を聞いていた。
それで私の心拍数が必要以上にあがることもなく、割と冷静に治療にあたれた。

以前読んだ大好きな漫画「リエゾン」で、「パーシナリティ障害」という病気があるのを知った。
その中でもいくつかタイプがあるようだが、そのひとつに「自己愛性パーソナリティ障害」というのがある。
それは自分が特別な存在だという自意識が肥大している人のことで、自分こそが尊重されるべき人間で、自分と意見が違ったり、少しでも否定されると激しく反発するという特徴がある。

原因は、幼少期の親からの愛情不足だったり、親から受けた態度によるものが大きいそうだ。

私たちは誰でも多かれ少なかれ人から認められたいという欲求を持っている。
でもそれは、見せびらかしても無理強いしても手に入れられる訳じゃない。
そんなふうに考えることも、受け入れることもできないのだろう。

私は自分の感情コントロールが苦手で、攻撃的な態度を取られると自分も頭に血が登ってしまうので、今回の患者さんに接するのがすごく憂鬱だった。
どんな強い風もさらっと受け流す「暖簾になりたい」と思った😅
でもその人のタイプ、求めてることなどを読み解ければなんとかなるものなのかな、とこれからのコミュニケーションに多いに役に立つことを学んだ。








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