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ドタキャンの思い出

私はよくドタキャンされるドタキャンマイスターである。
今までされたドタキャンを記してみたいと思う。


母によるドタキャン

これはイレギュラーなドタキャンだが、私は小5くらいの頃2学年下のN穂ちゃんが学校帰りに眼科に行きたいけどまだ幼いので付き添って欲しい、という依頼を多分N穂ちゃんの親から頼まれた。
私はやる気に満ちて、バスに乗るときはこうして、車通りの多い道は危なくないように誘導して…など当日のシミュレーションをしてワクワクしていた。
しかし、当日が差し迫った日に私の母から「行かなくていい」
と告げられた。理由はなにも言わない。とにかく
「行かなくていい」
と言われた。私は想像した少しお姉さんぽい自分に寂しい思いで決別した。

大分大人になってから、私がヘタこいてN穂ちゃんを眼科に連れていけないハプニングを想像した母が、面倒を避けるために依頼を断ったのだろうと分かってきたのであった。

友人Kによるドタキャン

これはオーソドックスなドタキャン。授業の前の談笑、映画、食事、コミケ、Kはかなりのドタキャン魔だった。
 中でもコミケのドタキャンはひどく、まだスマホなんて無いので、当日家を出てしまった私をドタキャンの電話を受けた母が必死で追いかけてドタキャンを怒りながら告げた。
彼女は独り暮らしを始めてから住所を聞いてなかったので、音信不通になるというドタキャン魔にふさわしいお別れをした。

つきあうのをドタキャン

これは単に振られたような気がするが、私の幼い頃からの友達の弟が急に何年も経ってから私に「会いたい」と電話で友達を通じて言ってくれたが、「イメージと顔が違った」という謎のクレームをこれまた友達を通じて入れられ、その後2度と会うことはなかった。
私はおつきあいとかではなく子供の頃みたいに楽しく会えるものと思ってたから少し寂しく思った。

一応元カレからのドタキャン

少しだけおつきあいしたが、恐らく前の彼女が忘れられずそのことをはっきり言いたくなかったであろう彼が深夜に電話口でグチャグチャ愚痴めいた話しをされて、後日
 「それが別れ話だった」
と言われて、当然別れたくはない私が引き留めようとすると
「俺もう言ったよー!!今までのようにつきあえないって!!こないだの電話でー!!」
とキレだしたけど諦められず、中途半端なまま数日後その彼と(後から分かったのだが)前の彼女と他2名で飲みに行ったら、彼が酔っぱらって騒ぎすぎて周りのお客に怒られててんやわんやになり解散になったその夜、
「悪いけど今日の飲み代の割り勘分をすぐ返して欲しい」
と言われ、次の日に最寄り駅まで返しに行った。
結局もうつきあうことはなく、変な性癖だけを私の記憶に残し、2度と会うことはなかった。

おまけ、私がしたドタキャン

その日私は仕事に行く前に新聞やダンボールを集積場所に出していた。
車通りを挟んで向こうにある集積所。その通りを渡っている時にいつも懐いてくれてる野良猫が着いてきていたらしい、私の後ろでドン!と小さな音。野良猫は車に接触してしまった。
そのショックで嘘ついて仕事を休んだ。
「猫が…」
とは言えないから。
「家族が…」
にした。
その猫、尻尾が折れてしまったが、今も生きている。

ドタキャンというのは、一般的には平気でするものだろうか?それともやむを得ずするのだろうか?私はなるべくならしたくないが、私用より仕事のドタキャンの方がまだ自分を許せる。仕事なら申し訳ないけど私の代わりなんかいくらでもいると思ってるから。
私用は私と約束してくれて私に会いに来てくれてるのだから、それをドタキャンするのは申し訳ないと思ってしまう。例え
「別にそんなに会いたくねーわ」
と思われていても、約束する時は
「また会おう」
と思ってくれたわけだし。
「また会おう」
と言ってまた会える幸せ、これを幸せなことだとしみじみ思う。


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