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遠くに行った好きな人は実は… 後編


「うっううううあーん」
〇〇が部屋を出たあと私は、子供の様になって泣いた。悲しかったのか、悔しかったのか辛かったのかわからないけど泣いた。
目を覚ました頃には、9時を過ぎていた。今から学校に行けば三時間目位には、間に合うがサボる事にした。
リビングに降りてみるとテーブルには、封筒と手紙があり、中身は

お嬢様、突然いなくなることをお許しください。旦那様との約束ですので。封筒には、今まで私がもらった給料がありますのでそれを利用して次の執事が決まるまで生活してください。冷蔵庫に朝食を入れときましたので温めてお食べ下さいませ。今までお世話になりました。
    黒丸円二こと●●〇〇

と手紙に書かれていた。封筒の中には、手紙に書かれていた通り、お金が入っていた。
冷蔵庫を開けるとフレンチトーストが入ってた。私は、フレンチトーストを温めて食べた。
「…おいしくない」
今日食べたフレンチトーストは、おいしくなかった。温めたからというより〇〇が近くにいないからそう感じた。


『はぁ。お嬢様に悪いことしたなぁ。旦那様にも何て説明したら良いか…約束を破る事になったけど仕方ない』
〇〇は、一人で歩き続けた。

『やっぱりここか』
〇〇が来たのは、隣の県の警察署であった。
『ここならもうお嬢様達に会うことは、無いだ…お、お嬢様!?』
〇〇の目の前には、遥香がいた。
「あなたの事だから警察に行くと思った。あなたの性格的に近所じゃないと思った」
『でも、どうしてここが』
「〇〇君。私達の力を舐めないでもらえるかな?」
『だ、旦那様!なぜここに』
「可愛い娘の願いだからな」


〇〇がお屋敷を後にし、遥香が泣き止んだ頃


「パパ、〇兄が黒丸が執事辞めちゃう。どうにかして連れ戻して」
「その様子だと黒丸が〇〇君と知ったんだね。〇〇君らしいね。正体バレたから執事をやめると…本当に10年前の約束を守るとは…」


「私がデザイン関係の仕事をしているのを忘れたかね?それでデザインをしたビルとかの関係者の人達に頼んで防犯カメラの映像を見せてもらったんだよ。それで君の行き先を予測できたのだよ。遥香を頼むと言ったのに辞められては、困るよ」
『ですが、10年前に旦那様に正体がバレたら辞めて貰うと言ったはずです』
~10年前~
「今日から君は、家の執事になって貰う。私は、執事の皆も家族と呼んでいる」
『わかりました。よろしくお願いします』
「ただし、条件が一つある。遥香には、名前を変えて関わってくれ。一応、誘拐しようとしたからね。もし、正体がバレたら執事をやめて貰うからね」
『わかりました』

「そうだよ。執事は、辞めて貰うよ。今日からは、我が社の社員兼遥香の彼氏だよ」
『…はい?』
「えっ?良いの!?パパ」
「遥香が〇〇君の事が相当好きなようだし、〇〇君も遥香の事好きでしょ」
『旦那様、いつからそれに気づいていたんですか』
「最初に会った時からだよ。誘拐のチャンス何て何時でも合ったから誘拐できないから好きなのかなって思って」
『流石です旦那様…お嬢様その、旦那様が言ってる事は真実でしょうか』
「そうよ。ずっと〇兄の事が好き」
「遥香が一人の時や寝言で〇兄って言ってると多くの執事が言っていたから未だに好きなんだろうな~って思って。〇〇君も遥香といるとき笑顔だし。〇〇君の事だから遥香に対する気持ちなくそうとしたけど失くせなかったみたいだからね。いやー10年経ったら二人の気持ちが変わっていたら執事を続けて貰うつもりだったけど変わっていないみたいだからね。付き合っちゃいな。二人の新居は、用意してるから今日から同居しなさい」
『…』
「本当!やったー。〇兄と一緒だー」

『本当に今日からここで暮らすのですかお嬢様?前の家の方が広く、設備も良かったかと思いますが』
「そうだよ。〇兄と一緒に暮らすんだよ。それからもう執事じゃなくて私の彼氏なんだから昔みたいに呼んでよ」
『はぁ。わかったよ“遥ちゃん“』
「やっと呼んでくれた。懐かしいなぁ」
『そうだね』
「でも、付き合い出したし遥香って呼んでよ」
『えっわかったよ。遥香』
「ウヘヘ。ねぇハグして」
『わがままだなぁ。おいで』
「〇兄ー」
昔遠くに行った好きな人は、元不良だけどずっと近くにいてくれる最高の彼氏になりました。
「〇兄、チューしよ」

End 

あとがき
今回は、「お嬢様×執事」と「遠恋かと思いきや実は近くにいる」をテーマで書こうと思いまして書きました。人気があったらアフターストーリー書こうと思います。
おまけにですが
〇〇の偽名の由来ですが
●● 〇〇
●●→黒い丸→黒丸
〇〇→まるまる→丸が二つ→円が二つ→円二

こんな感じです。気づいた方いらっしゃいますかね?名字は、黒丸だと丸が一つ足りない気がしますが“黒丸二“や“二黒丸“などだと語呂が悪いのでやめました。



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