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恋愛小説のアイデアの浮かばなくなった先生のために彼氏を演じる事になりました 1日目

『先生。そろそろ原稿出してください』
「んー。そう言われてもアイデアが降りて来ないんだもん」
『と言われても僕もこれ以上伸ばせませんよ。飛鳥先生』
僕は、●●〇〇。編集者だ。彼女は、齋藤飛鳥先生。僕より二歳も若い恋愛小説を書く小説家だ。僕は、彼女の担当している。年下の先生と言うこともあり少し気が楽だがその分自分の惨めさを感じたりもする。
「だって。最近私も恋愛してないからイメージも浮かばないんだもん」
『そんなこと僕に言われても僕には何も出来ませんよ。頑張って〆切一週間延ばす事位ですよ』
「そんな~あっ、良いこと思い付いた。君が私の彼氏を演じてよ。一週間だけでいいから」
『ぼ、僕ですか?』
「そう。●●さんに頼んでる」
『そんな事で先生、小説書けるんですか?』
「勿論(一週間だけじゃなくてそのまま付き合いたい位なんだけど)」
何でそんな自信があるんですかとか言いたかったが先生の気が変わったりしたら大変なので言葉を飲み込んだ。
『彼氏を演じるとして何をすれば良いんですか?』
「とりあえず、私の家で暮らして」
『は、はい?正気ですか先生』
「うん。それから先生呼び禁止。名前で呼んで」
『え、じゃあ、飛鳥さん』
「さんいらない。飛鳥。リピートアフターミー。あすか」
『…飛鳥』
「うん。やる気出てきた。とりあえずよろしくね。〇〇君」
『はい。って名前呼び!?』
「ビジネスのためとは言っても付き合うんだからね」
『…あはは』
「さぁ書くぞー」

~齋藤飛鳥の小説下書き~
登場人物
賀喜遥香  (22)新米漫画家。担当の××に一目惚れし、付き合おうと色々仕掛けるが鈍感な××は、気づいてくれず苦労する。
△△××(24)遥香の担当。遥香に好意を寄せられているが一向に気付かない。
遠藤さくら (22)遥香の友人、アシスタント


【遥香の攻めた一手】
『先生。〆切過ぎて一週間経ちますよ。早く原稿出してください』
「それは、さくらが書き終えてくれたから受け取って」
[××さん。こちらです]
『ちゃんと受け取りました』
「それより××さん。このあとの展開どうすれば良いと思いますか?」
『えっと決めてないで話描いていたんですか?』
「うん」
『さくらさんからは、何か良いアイデア貰えないんですか』
「そこまで仕事増やすのは、悪いし、さくらも相談してもなかなか浮かばないんだもん。(××さんに付き合いなって冷やかされるだけだなんて言えないよ//)
『僕で良かったら相談聞きますよ』
「その胸がキュンキュンする様な事が無くてどうしたらそう感じるかわからなくて」
『なるほど』
「じゃあ××さん今日から住み込みでここで仕事してよ。××さんがいたら胸キュンすることがある気がするし」
『は、はい?何を言ってるんですか?』
「どうせ、私の次の原稿取りに来るんだからここに住んでよ」
『いや無理ですよ。事務仕事とかもあるんですから』
「ブー、じゃあ、ここで暮らして。××さんがいるとアイデア浮かびそうなので」
『本当に大丈夫?』
「大丈夫ですよ。さぁ頑張るぞー」

~現実
「疲れた~」
『お疲れ様です。どこまで書けましたか?』
「冒頭の方」
『見せてくださいよ』
「ダメ。絶対ダメ」
『何でですか』
「駄目なものは、ダメ。〇〇イチゴミルク取って」
『はー、わかりましたよ』
これじゃあ、単なる召し使いな気がしてきた。
一週間で作品出来ることを願う〇〇だった

1日目終了残り6日



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