見出し画像

お掃除の神様だったかも

どうしてこうなるんだろう、ワタシの部屋は。
最近仕事が忙しくて相当疲れが溜まっているのだろう。ベッドから出られない。出られないのは疲れているからなのか、散らかっている部屋の現実を見たくないからなのか、どっちだろう。どっちにしても出られないことに変わりはない。
頼みの綱だった近所のコインランドリーは閉店してしまった。そろそろ洗濯しなければ着る服がない。
そうだ起きても着る服がないのだ、しょうがない、寝ていよう。

ん?ん?ん?

カモがネギを背負って歩いているのは見たことはない。ないが、どうしてカモがワタシの部屋にいるのだろう。しかもネギではなくて、あれは何、何だっけ、そうそうあれは、はたき、そうそれは、はたきを背負っている、カモがいるかも。

「散らかっておる、散らかっておる、ここの家はどうしてすぐにこうなるのだ。明日からしばらく雨が降るというのに。今日洗濯しておけばよいものを。」

そういえば昨日見た天気予報でしばらく雨の日が続くって言ってた。洗濯だけはやっておくか。

もぞもぞとベッドから起き出て、脱ぎ散らかした洋服たちを洗濯機に放り込んだ。
昨日食べようとコンビニで買って食べなかったテーブルに置かれたままのパンを口に入れて、ぼんやりテレビを見ていたら洗濯終了を知らせるアラームが鳴った。
ベランダで洗濯物を干しながら視界に入った公園の池で目が留まって思い出した。はたきを背負ったカモ。カモの独り言を聞いてしまったかも。と呟いてバカバカしくて笑った。あれは夢か幻か。
あの公園の池にカモって住んでたっけ。いいお天気だし、確認ついでに散歩にでも出かけようかな。
いいかも。

カモがネギを背負って歩いていたらかわいいなぁと思いながら、ネギではなくはたきを背負っていたら面白いなぁと想像のまま書き散らしていた昨日。
今日は雨降りで買い物は歩いて行った。荷物はリュックに入れて。で笑った、心の中で。

長ネギを背負って歩いている私。カモではなく、
私がネギを背負って歩いている…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?