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24年9月21日note38元よしもと・ホリプロ芸人松稔の芸能裏話38初めてのテレビ出演https://www.facebook.com/profile.php?id=61553536510873

芸能裏話(38) 初めてのテレビ出演

初めてのテレビは、朝日放送のお昼の番組だった。

師匠(Wヤング)がゲストでトークをする番組だが、弟子紹介として師匠と一緒にコントをする 事になった。

内容は二人羽織の後ろに入って手だけ動かすのである。

打ち合わせの時から緊張して、喉がカラカラに渇いてきた。

自分達だけの 漫才ならまだ良いのだが、師匠と一緒にコントをするのが心配だった。

僕が後ろに入って、手を出して師匠がうどんを食べたり、化粧をしたりする コントだった。

最後に師匠の頭を叩くのがオチになっている。

叩かれたこと は何回もあるが、師匠をたたくのは初めてである。

師匠は「舞台に出たら 師匠も弟子もない、芸人やから思いっきり叩いて来い」と云ってくれた。

でも本当に思いっきり叩いたら後で怒られへんかなと心配になった。

この番組は生放送なので、やり直しが出来ない。

ついにその時間が来た、うどんを食べるコントは手探りでうどんを探す、師匠がもっと右とか左とか 云ってお客さんを笑わす。

「うどんには唐辛子を入れないと旨くない」と師匠が云うと、僕が唐辛子を手探りでさがす。

唐辛子をうどんにふりかける、 最初は少しいれるが、だんだん調子に乗って最後は全部入れてしまう。

そのうどんを無理やり食べさせるというコントだった。

これは大爆笑の内に終った。

次は化粧をする二人羽織、今度は僕が前で平川師匠が後ろに入って手になった。

最初に白粉をつけるのだが、これはベビーパウダーを顔に一杯つけるられた。

大福餅みたいになって大爆笑。

ベビーパウダーが喉に入り、喋れなくなり咳き込んでいたら、又爆笑。

次に眉毛を書く動作をするのだが、習字の筆で太くつながった一本眉毛を書かれて又大爆笑。

僕が笑わしているのかなと勘違いしそうだった。

それでも人を笑わすと云うものは気持ちが良いもんだ。

次は口紅を塗る事になった。

真っ白な顔に太い一本線の眉毛、そして今度は真っ赤な口紅を口の倍くらい、べったりと塗られた。

これまた大爆笑。

最後に師匠が出てきて「キャーお化け」と云って、僕が『お前がやったんやないか』と云って師匠を思いっきりスリッパで殴った。

パコーンともの凄い音がした「お前師匠を本気で殴ったな」と師匠が云ったら又、大爆笑。

しかし一瞬僕の顔色は青ざめた。

今のはツッコミじゃなくて本気で怒っているようだった。

楽屋に帰ってすぐ 「師匠すみませんでした、思いっきり叩きすぎました」と云ったら、
『あれでええねん、あれぐらい思いいっきり行かへんかったら受けへんからな、

中途半端に来たら痛いだけでぜんぜん受けへん。

だから何でも思いっきりやれ』と云ってくれた。

普段あれだけ恐かったのに、舞台での事は怒られな かった。

これが本当の芸人と云うものかな・・・ 初めてのテレビは師匠のお陰で、大爆笑のデビューだった。

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