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曇りの日について

 先日、上野の東京都美術館に、親友と一緒に印象派展を観に行ってきました。『ミステリという勿れ』の久能整が好きなこともあって、大学生が印象派展を観に行くことに、並々ならぬ憧れがあるわけで、、。
 行った感想としては、とても素晴らしかったです。印象派らしい、固有色にとらわれない自由な色合いや、光の美しい描写の数々。心が浄化されたように感じました。
 全体の展示を通して、特に印象に残ったのは「曇り空」の描写。印象派画家たちは、曖昧な光を生み出す曇り空を好み、わざわざ曇りの日に戸外で制作したと言われています。たしかに、ただ一面青い空ではなく、雲の濃淡によって様々な表情を生み出す曇り空は、また違った深い魅力があると思いました。現に、曇り空を描いた絵には、多様な濃度のグレーやベージュなどの色が使われてしました。
 もともと、私は曇りの日が嫌いでした。明らかに気圧が低いし、なんだか気分が重だるくなる。一日中眠いし、やる気も起きない。大事な予定のある日が曇りだったら、かなりテンションが下がります。いっそのこと、雨が降ってほしいとすら思います。
 でも、印象派画家たちが曇りの日が好きだったということを知り、曇りの日も悪くないと思えるようになりました。薄暗く、どんよりしているかもしれないけれど、よく見ると、普段とは違った光によって、草木や街が一層趣き深く見えているような気がします。そういえば、『おもひでぽろぽろ』の主人公のタエ子は曇りの日が好きだったなぁ。小学生で、ノベライズを読んだ時は「なんで晴れの日が好きじゃないんだろう?」と思っていたけど、今思えばタエ子は相当早熟というか、ませた子だったんじゃないか?なんて、思っています。
 「晴れの日は当たり前のように好きだけれど、曇りの日も味わい深くて好き」なんて、カッコ良く言える大人になりたいものです。

(あ、、月1投稿に失敗しました、すみません。
まぁ、そんな時もあるさ!)

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