見出し画像

寿司食いながらイヤミスの女王に抱かれる

素晴らしい組み合わせである。

新幹線移動の時は必ず本を買う。
今回は長時間の移動になるので、ボリュームのありそうな湊かなえの「人間標本」をセレクト。
寿司は普段全く買わないが、金曜日ということでテンションが上がり、購入してしまった。
後悔はしていない。

湊かなえの小説は全作追っている訳ではないが、時々無性に読みたくなる。今回読むのもおそらく数年ぶり。

帯を見てみる。

まだ変身を残していたのか

さらなる『覚醒』、だと...?

底知れぬ恐ろしさを感じる。
イヤミスの女王として名を馳せた彼女に、まだ覚醒の余地が残っていたとは...
フリーザがあと2つ変身を残していた時と同じ恐怖を感じた。

この作品に関するインタビューを見つけた。
今作は「自分に制限をかけずに書いてみたところ、ほんとうにイヤな物語が完成しました」とのこと。
本当にフリーザじゃん。


デビュー15周年なのか。
デビュー作の「告白」は面白すぎて何度も読んだ。当時中学生だった私にとって、衝撃的かつ刺激的な作品だった。あれから15年。

作者の湊かなえさんが昔テレビに出てたのを見たことがあるが、普通の女性で驚いた記憶がある。
こんな普通の女性が、あんなに恐ろしい作品を執筆していることが当時信じられなかった。
たしか執筆活動を始めたのはお子さんが生まれてからで、主婦と兼業で執筆をしていた気がする。
知らぬ間に妻がイヤミスの女王になってたら旦那もびっくりだろう。

ビールも開けたところだし、読み始めよう。
1ページ捲ると、さすが、女王がリミッターを解除して臨んだ作品だ。
いきなり身体が欠損した少年の標本のイラストが目に飛び込んできた。

完全に食欲を失った。
イヤミスをおかずに、寿司を食らおうとする方が間違っていた。
食われるのは寿司ではなく私の方だったのかも知れない。
イヤミスの女王に、抱かれてきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?