あるいは、うにょリット連邦は賭博が多い

誰かがサイコロを振る。
ここでの暮らしはその音ばかりだ。
ここはうにょリット連邦、そして僕はその住民、間隙 タインだ。
この国では、賭博で賭けていいのは寿司を奢る権利までだ。
でも、誰かが見てないところで誰かがそれ以上を賭けるなんてことは溢れるほどにあるだろう。
空には飛行機が飛んでいる。あるいは戦闘機かもしれない。どっちにしろそれを使っているということは多分あの政党の支持者だろう。国さえ滅びなきゃ滅ばないとは言え肩身が狭いからか、空を飛びたがる様だ。まるで何かに連れられている様に。どちらにせよそんなもの使えるのだからどっかの支持者だろう。僕みたいになんも考えも言っても無いやつは貧しい。
え?別の国行け?隣のティアんとこには家族もいるじゃ無いか?馬鹿野郎うにょりティアは雨が多すぎる。僕はいいが飼ってる猫は液体と空気以外の気体が大嫌いなんだ。あいつは泳げないから雨以外にも水の多いあそこには向いてない。
まあ、仕方がない。それに。
この国が嫌いというわけではない。
使いすぎて曲がった歯ブラシで歯磨きをする。
髭を剃る。
外に出ると、わかってはいたが、強すぎる日の光で肌が痛くなってくる。
まあ今日も歩いている間に曖昧な雲が空を満たしている様になるだろう。
仕事場につき、仕事をする。洗濯機を作る工場だ。
なににもならないんじゃないかと思うことがある。
僕みたいになんも考えも言っても無いやつは買えない。
それ以外はもっといいとこのを買う。
だがなぜかここは潰れてないし、割と楽しいので仕方ない。
家に帰る。
緑茶を飲み、布団むっちゃ縛るくん(国家がエイプリルフールに狂って全国民の協力のもと完成させた)のひもを解く。重力に従って布団が解放される。なんとなく寝る前にリンゴが食べたいが、この国は毒リンゴの大被害の後、食べられなくなった。もう対策はバッチリのはずなのにひどい話だ。
コーヒーを飲む。どう見ても複雑な模様の「単純コースター」を使いながら。ちなみに実際、この国の最高級品のコースターの中でなら一番単純だ。
戸締りを確認。最高級品を渡すわけにはいかなかった。
目をつむり、夜に夢を見る。
暗い時代から、少しづつ光が見えてくる。そして…
目が覚める。いつも通りの朝だ。
火事が起きてないことを確認しつつ、飼い猫を持ち上げる。
ラジオから音が流れる。賭博関係で事件があったらしい。
いつものことだ。それでもいやになる。
今日も朝は晴れだ。
体操を始めつつ、日焼け止めクリームの位置を思い出そうとする。


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