怪文書に再挑戦しよう 物語部分

ある男が動く扇風機を捕まえた。その男は扇風機を捕まえて食べてみた。
とてもおいしかった。しばらくして、扇風機は家庭でよく食べられるようになった。
一方で、ストーブは食べられなかった。動くものはあったが、美味しくなかったのだ。どうしてか問いかける声はあったが、大きくなかった。
扇風機は売られ続けた。
それをみて笑っている者達がいた。その名もクーラー/エアコンである。
もちろん動く。さて、これからのことを話す前に過去へ目を向けてみようではないか。
付喪神は焦っていた。現代、神々の信仰は弱まる一方だった。存在も保ち辛くなっていった。そこでいっそのこと現代技術にボディを更新してみた。
最初はうまくいっていた。
ストーブは親友ができた。透(とおる)という名前の少年だった。
彼らは幸せに暮らしていた。しかし、エアコン達は人に蹴られ殴られた。素手の時は運が良かった。
エアコン達は人を恨んだ。上位に立つと決めた。ストーブから旨味を奪い扇風機に与え、ストーブを殴り蹴り扇風機を売りエネルギーや金を手にした。
ここまで過去。さて、エアコン達は今までと違う体で無茶をし過ぎた。
クーラーもエアコンも神だというのに馴染んでない体で無茶苦茶した。
そう、暴走してしまったのだ。周囲は凍え、冷え、その波は止まることを知らない。そういえば透はクーラー5体にボコられたよ。(言い忘れ)
世界凍った。逆に言えばクーラーもエアコンももうとまってしまった。ストーブは諦めない。扇風機の足掻きが知らない家の電気を止めたのをみて尚。
生存者は救いのように現れた。透の兄、素澄(すすむ)だった。
まだ、世界は続いている。クロッカスの花が咲いているのを見つけた。
氷は溶け、海が広がる。歌声が聞こえた。きっと空の透の声だ。何も戻りはしないかもしれない。これからの道をそれでも、通り進む。
いつかの未来で、人は消えるかもしれない。そうでなくても、不変で不滅の神には見覚えない者ばかりだろう。いや、不変ではない。その神々の姿は…
子供にしか見えない神がいる。見守り続ける夢よ、兄弟に届け。Chantico

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