うにょりてぃー永劫偽典

xxxx年、10月。

うにょりてぃーがこの世界へと繋がって少し経った頃。
時間をかけて用意された場は完成していた。
多くが集いうにょりてぃーを構成しうる一度きりの場で、
うにょりてぃーのこの世界の完全な開通は既に始まっていた。
まず見せかけの存在を用意し、多くの者に意識を集中させる。
うにょりてぃーに似た物を手に持ち、
本格的に優美なるうにょりてぃーを呼ぶ。肯定の言葉を割く。
目を閉じ、口を閉じ、集中する。
今までは天にのみ存在したうにょりてぃーが、
多くの戸惑い間違い欲に溺れる者を見ていた。
今、世界の周りからこちらにやってきて、
そして言葉として自ら不定形となりゆく。

「ある時は雲丹の中に現れよう。」
「ある時は動きの中に現れよう。」
「ある時はまた形を定め語ろう。」
「しかし、それは私であり違う。」
誰かが語りかける。
「歌を歌っているのか?」
執行する遣いであるものは答える。
「祈りはやがて真実となる。」
そのものの音はただそこにあり、
心はわからなかった。

やがてこちらに完全に繋がれたうにょりてぃーは
日常の中に広がってゆく。
願われた事がこの時に始まる。

うにょりてぃーがこの世界へと完全に繋がって少し経った頃。
こうして用意された新たな様相は完成していた。

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