語り

降り積もる雪にはあらで恋という
その愛しさの心こそいつか身をば崩れはし
よその嘆きも

語る、語るそれしかできない、それは芸に身を捧げ続けた女
娘義太夫の、人形
「お師匠はん、ここへきはったんですか」
着物のママ、手をたたく
赤子を抱えたままの娘が、すわりー-床本(台本)を読んでいる
その声はうまくどこまでもきれいだ、
「、、きいつけぇな、あかんで、もう、、、病気なんやさかい」
「治らへんとしても、うちは最後まで、、、義太夫や
、、、もう、三味線ひきぃの娘はん、」

ー--もう、うちは治らへん。、、
「姉はん、」床の間にきたのは妹だった
「人形師はんが、姉はん、姉藩の人形つくったでって」
「せやったらうち、その人形にとりついて、また
ー--語らせてもらうわ、人にとりついででもな」
「姉はん」

それから200年近く

ー--うまい、もちろん若手で、経験がないのにということだ
名人には遠く及ばない

女義太夫の、舞鶴師匠には、遠く及ばない。
、、、舞鶴師匠の技はいい意味で冷たい、ひんやりとつかんでくる感じがする
(義太夫がとりつかれちゃあかんやろ、せやけど、、、
あんこ自体が、、楽しんでやってるんや)
ーー化け物や。

才能自体は、普通なんやろけど、化け物のとりつきを
逆に利用している。ー-最近の歌を歌うのがすきなんや

「せやけど、化け物や」


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