見出し画像

御茶ノ水へ

2024/09/01

 小沢健二のライブの余韻が残り続けていたから、再販されたLIFEのレコードを御茶ノ水まで買いに行った。

 なぜ御茶ノ水か、自分が上京して初めて住んだのが御茶ノ水で、その年に小沢健二と出会ったから。自分の中では小沢健二といったら渋谷じゃなくて、御茶ノ水とか皇居周辺なんだよね。思い出は場所に宿るから、何か残るようなものを買う時は場所に拘りたい。ということで、御茶ノ水のディスクユニオンまで行ってきた。実は僕の持っている小沢健二のCDは全てここで購入している。そんな御茶ノ水ディスクユニオン、小沢健二の『LIFE』は発売日の昨日で完売したそうだった。まあ、想定内、伝説のLPが再販されたとなればみんな買い求めるのは普通だ。

 別にしょんぼりすることもなかった。また入荷したら来ればいい。お店を出ると雨が降っていた。御茶ノ水に住んでいた頃は雨の日はほとんど外に出たことがなかったから、見慣れた景色が雨に濡れているのはとても新鮮だった。御茶ノ水に新鮮さを感じるなんて、当時の自分にもっとフットワークを軽くしろって叱りたい。鬱でそんなことできる状況ではなかったけれど。

 このまま帰るのも寂しいので、四ツ谷で降りて歩いて帰ることにした。四ツ谷といったら上智と雙葉のイメージしかない。実際に駅前のサンマルクカフェと雙葉周辺、麹町方面しか知らない街だった。探検してみよーと思ったが、お腹が減ったのでサンマルクでチョコバナナのデニブランを食べた。目の前の席でマルチをやっている青年が大声で各所に電話をかけていて、隣の席では留学生たちが英語で自分たちの国について語っていた。美味しかったけど、気分はあまりよくなかった(隣は別にいい)。

 サンマルクを出て、赤坂迎賓館に行ってみることにした。赤坂って名前に入ってるから今まで赤坂にあるのかと思ってた。元赤坂だから赤坂迎賓館なのかな。門の前までしか行けなかったけど、周りにビルがなくて、開けた土地に馬鹿でかい庭とアニメに出てくるような建物があって、外国に来た気分だった。

 歩いて帰ったんだけど、別に何の発見もなかった。帰ったら小説を読もうと思っていたのに、何もしなかった。ただ寝ていた。時間を無駄にしてしまった。とにかく活動時間を伸ばして色んな経験をしないといけない。東京を使いこなさないといけない。そんな田舎者の思考が自分を責めてくる。明日は早起きをしよう、そう思った。

 空が暗くなり始める頃に目覚めて、週刊新潮の燃え殻さんの連載を読んだ。ピンクパンティー事件。笑っちゃいけないのかもしれないけど、文章を読みながら妹のパンツを履いた燃え殻さんが先生に殴られて泣いている場面を想像すると笑ってしまった。小さいリボンのついた女の子のパンツ、あれ可愛いよね(男の子が履いてたら可愛さより面白さが勝っちゃうんだけど)。こんな話、自分なら作り話でも思い浮かばないから、現実に起こることって、人間のすることってすげえなあと関心してしまった。現実は小説より奇なりとはよく言ったものだ。

 週刊新潮を読んでいたらまた寝てしまっていた。もうやめたい、人生。体力が足りないのかな。マジ無理、運動しょ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?