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ブルーイ

我が家はケーブルテレビを契約している。もとは私がMTVやスペシャを見たくて契約していたのだが、現在はもっぱらアニメ専門である。

特筆するほどアニメ好きではなかったが、子どもの頃は子ども向けのアニメを見ていたし、大人になってからも交際相手や仕事の関係で大人向けのアニメを見ていた。
今の子たちは何をみるのかな、と思っていたが、ポケモン、コナン、ちびまる子ちゃん、ドラえもん、クレヨンしんちゃん、忍たま、おじゃる丸…と当時自分が子ども現役だったかはさておき、知ってるアニメが多い。

しかし、知ってるアニメのつもりでも見てみると差異は多い。
クレヨンしんちゃんはもう頭をぐりぐりされないし、お尻を出すことも減ったし、セクシーなお姉さんのセクシー度もぐっと下がっている。
ドラえもんで出てくる秘密道具も現在のあれやこれやに似てる気がするものも多いし、コナン君はがっつりスマホユーザーである。
いろいろあるのね、大変ねと思ってみていた。

そして数年前からケーブルテレビで海外のアニメを見ることが増えた。
おさるのジョージ、ペッパピッグ、パジャマスク、スパイディ、ロケッティア、パウパトロール、ブルーイ。

知ってるものもあれば、知らないものもあると思う。おさるのジョージはNHKでも放送しているし、パウパトロールもテレビ東京で放送中だから、わりとメジャーじゃなかろうか。
その中で今回タイトルにしたブルーイは、メジャー度は低い。Wikipediaによるとオーストラリアのアニメで、犬を擬人化した世界の物語だ。
二人姉妹とパパとママ。パパもママも仕事をしていて、お姉ちゃんは小学校、妹は保育園に通っている。
違いはあれど、クレヨンしんちゃんと同じような日常ドタバタ系である。が、中身は全くちがう。
知らない人が、特に育児につかれた大人がみると場合によっては血圧が上がってしまう可能性もある。なぜかというととにかく大人が子どもを叱らないからである。なんなら一緒になってふざけてる。

とあるエピソードでは、遅刻ギリギリで車移動中、セーターを忘れた可能性に気づいたパパが姉妹に確認を取るもスムーズにいかず、だいぶ進んだところで引き返して結局遅刻していた。別のエピソードでは掃除前に子どもたちに片付けを頼むも変な行動ばかりしている子どもたちの動きを親も真似して家の中はぐちゃぐちゃになっていた。
もしも私なら、遅刻ギリギリになる時点で怒鳴り散らし、セーター忘れに気づいてもすぐ返事をしないようなら「寒さに震えてろ!」的な捨て台詞で罵り倒しながら保育園に放り投げるに違いない。
掃除前にさっさと片付いてなければ掃除ごと放棄するか、おもちゃを捨てるか二択を迫る。もちろん私の圧があるので回答は実質一択である。私はブルーイの両親とおさるのジョージの黄色のおじさんを尊敬してやまない。
怒らない子育てを標榜する人間は彼らの日常生活を見て、あれでも怒らずにいられるのか胸に手を当ててみてほしい。

ちなみに先に挙げたアニメたちのうち、おさるのジョージとペッパピッグ、ブルーイは日常ほのぼの系、残りは子どもが子どもだけで悪と戦ったり人を助ける勧善懲悪ヒーローものである。
こうしてみると海外のアニメは割と傾向がはっきりしているようである。
そして、どの番組も大人が子どもを叱ることはまずないし、しまじろうのような日常にありそうな小さなトラブルを解決し、アニメを通じて学習させよう、という意図はなさそうである。
アメリカに限らないので、西洋文化とはかくあるものかとしみじみする。

そうして少しは真似してみようとおもうのだが、ブルーイのオープニングで4人が踊るのを子どもたちが勢ぞろいで真似しているのを見ると3回に1回は「部屋でドタバタしないで!」と叫んでいるし、なんならブルーイは30分に4話入っているので、私が怒らずにいられる日はおそらく永遠にこない。


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